もはやアカデミー賞俳優と呼ぶ気も失せる転落っぷりの、ニコラス・ケイジ主演『映画/ダークサイド』でネタバレを含む戯言を。しかしこれがまた評価や感想を述べる気が失せるほどの駄作っぷり。控え目に言ってもクソです、はい。
ダークサイド
(原題:Looking Glass)
2018年 アメリカ
キャスト:
ニコラス・ケイジ
ロビン・タニー
アーニー・ライヴリー
マーク・ブルカス
監督:ティム・ハンター
脚本:ジェリー・ラップ
ネタバレ無しのあらすじ
幼い娘を事故で失った夫婦、レイ(ニコラス・ケイジ)とマギー(ロビン・タニー)。
新たな暮らしを始めるため田舎のモーテルを買い取った二人だったが、レイは10号室の鏡の裏へと続く隠された通路を発見。その後、好奇心からたびたび覗き見を繰り返すようになった。
しかし、ほどなくして宿泊客でもあった女性が遺体で発見。
レイは過去にモーテルで起きた事件とのつながりを解明すべく奔走するのだが・・・・
キャストで戯言
4回離婚してみたり、5回結婚してみたり。立て続けに超高級車を購入したかと思えば、古城や恐竜の化石も購入。そして自らが入るピラミッド型の墓まで購入。
数々の映画賞を獲得しながら稼ぎに稼ぐも、浪費癖がたたって未納・延滞・債務不履行の人生にハマったニコラス・ケイジが主演。
一昔前は『アカデミー賞・ゴールデングラブ賞受賞の名俳優』といったイメージで名作への出演が多かった彼も今はもう仕事を選んでいられないようで、最近の主演作は泣けてくるほどにヒドいクソ作品ばかりですな。
つい先日、20代の知人とニコラス・ケイジについて話した際、「ああ、あのB級映画の人」と言われた時は衝撃でしたなぁ。今の人にはそんなイメージになっているのですか…。
彼以外では奥さん役でロビン・タニー、保安官役でマーク・ブルカスの二人が多少知られた俳優ですが、やはりB級の域は出ておりません。
(ロビン・タニーは『ドラマ/プリズン・ブレイク』や『ドラマ/メンタリスト』などに出演)
完全ぶん投げ型スリラー
この映画を最後まで鑑賞した方が感じるであろう、「アレはどうなった?コレはなんだった?」のぶん投げられ感。
あちこちに意味ありげ伏線やそれっぽい設定・登場人物が散りばめられているものの、
ほぼほぼ全て回収されません(笑)
とにかく雰囲気だけを目的とされたような演出が多く、中身はスッカスカ。意味もスッカスカ。
信じられないほどの駄シナリオに、思わずこちらのほうが「もしかして、この映画には非常に難解かつ奥深い真実が隠されているのでは…」と勘ぐってしまうほど。
安心して下さい、たぶんそんなものは隠されていませんから。
そして『モーテル』『覗き見』のキーワードから否が応でもエロティックな展開を期待するものの、残念ながらそっちもスッカスカ。
まるでソソらない女優がまるでソソらないプレイを繰り広げ、それをポカーンと見ているニコラス・ケイジをただ愛でるだけ。大半の男性がピクリとも反応しないような残念エロシーンです。
THE END(ドヤ顔)
回収されないものの、その数だけ見ていけば大作サスペンス並みの『謎』の多さ。
- 向かいのスタンドの人々は何?
- SM嬢と事件の関係は?
- なぜわざわざ豚にクリシーの名前と写真?
- 前オーナーは何を知っていた?
- 保安官の目的は?
…などなど「あれはなんだったの?」を挙げていったら東京ドーム3個ぶんはあろうかというほどの『意味ありげ』な要素。
無理矢理こねくり回して脳内補完すればその大半に答えは出るものの、明確な答えを出す事ができないためにモヤモヤするのは変わらず。そんな状態で『THE END』なんてババーン!と出されても、
は?何がTHE ENDだバカ野郎!
としか言えませんよ。
監督は本当にコレで良かったんですかね。頭、大丈夫?それとも「とりあえずニコラス・ケイジ主演だから、あとは適当で良いだろ」って事?
超個人的な戯言感想
…というわけで、ニコラス・ケイジ主演という点を踏まえれば15点(100点満点中)、もし彼が出演していなければ2点(100点満点中)と言っても良いほどにクソ気分だった『映画/ダークサイド』
というかこの邦題もなんなのさ、『ダークサイド』って。
残念ながら褒めるところが1個も見当たらないようなクソ映画でしたが、人生の残り時間のうち100分をドブに捨ててみようという粋な方はぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。
コアな熟女フェチであれば『掃除のオバちゃんがニコラス・ケイジの股間に…』のシーンで興奮できるかもしれませんよ。