映画『モーテル2』前作を超えるダメっぷりに…(ネタバレあり)

今回の1本は…ルーク・ウィルソン&ケイト・ベッキンセイル主演で製作された『映画/モーテル』の続編、タイトルそのまま『映画/モーテル2』です。

時系列としては続いているわけではなく、むしろ逆行。殺人モーテルの始まりを描く作品となっています。

しかし…これを続編と言って良いのか…

モーテル2
(原題:Vacancy2 The First Cut)

2009年 アメリカ

主なキャスト:

アグネス・ブルックナー
デヴィッド・モスコー
ブライアン・クラグマン
スコット・G・アンダーソン

監督:エリック・ブロス
脚本:マーク・L・スミス

ネタバレ無しのあらすじ

2007年4月、前作『映画/モーテル』の舞台となったパインウッドモーテルが閉鎖。押収された殺人テープは200本に及び、最も日付が古いものは2004年9月となっていた。

その「最初の殺人ビデオ」の真相が明らかに・・・。

・・・・といったくだりで始まる本編。

ある寂れたモーテル。オーナーは訪れるカップルの行為を盗撮し、コピーして販売することで小金を稼いでいた。

ある晩、いつものようにカップルを盗撮していると…なんと男が女をメッタ刺しにして殺害してしまう。

とりあえず捕えたものの、その処遇に困っているオーナーに対し男は「盗撮ではなく殺人ビデオを撮影して売らないか」と持ち掛けるのだった。

・・・といった内容の作品。

続編で戯言

個人的な意見ですが、「前作に比べ、キャスティングが大幅パワーダウンする続編」ってのはもう典型的な「ハズレ要素」の気がします。

この『映画/モーテル2』もそのタイプ。

前作にルーク・ウィルソンとケイト・ベッキンセイルという大物を起用しておきながら、今作は「誰?」というキャスティングになってしまっています。もうこれだけで「前作に便乗しただけのB級続編映画」の匂いプンプンです。

もちろん続編がコケる要因はそれだけではありませんし、逆の場合もありますが・・・。

とりあえず今回は鑑賞前からそっち系の予感がしました。。。

前作を観ているか否かで・・・

この『映画/モーテル2』は、前作を観ているか否かによって鑑賞スタンスが変わってきます。

「前作を観ていない」or「あらすじ程度は知っている」という方であれば、感情移入するのは被害者側。普通に「殺人鬼に追われるハラハラドキドキ」を観ることができます。

…が、前作をしっかり観ていると、どうしても感情移入してしまうのは犯人側。「どうにかして殺人ビデオの撮影を成功させなければならないハラハラドキドキ」を感じます。

「どうしよう!殺人鬼が追ってくるよ!!」ではなく「どうしよう!被害者に逃げられちゃうよ!」です(笑)

ここからネタバレを含むよ!!

グダグダなモーテル側

ちょっと時系列が前後するのでややこしくなりますが、前作『映画/モーテル』のほうがこの作品の続きとなります。

あちらの殺人ビデオ撮影テクニックはそれはもう慣れた感じですし、地下トンネルやビデオ機器などの設備も充実していました。

しかし記念すべき第一号作品の制作過程は・・・それはもうグダグダです(笑)

(厳密には、予想外に撮影してしまった最初の殺人映像が1作品目となるのでしょう)

前作では洗練された「被害者を怯えさせる演出」もまだまだ手探り状態。

挙句の果てにあっさり部屋から脱出され、隣家へと逃げ込まれる始末。

誰がリーダーなのか統制もとれておらず、モーテル側の足並みも揃っていません。

しかしこの「ケチな盗撮屋だったモーテル支配人達が、本当の殺人鬼に翻弄されていく」というのも、この映画の見どころでもあるのでしょうね。

そのへん、前作のメイソン(モーテル支配人)はしっかりと実行犯達を従わせていました。ベテランだったんだなぁ・・と、彼の仕事っぷりを思い出させられます。

頼むよ・・・

前作『映画/モーテル』でも「おかしなバスマット」があり、そのへんで「初歩的なミス」はやめようよ、という話を書いたのですが・・・。

今作『映画/モーテル2』では、バスマットなんて可愛いものだと思えるような「初歩的と呼ぶのも馬鹿らしいレベル」のミスがありました。。。

終盤、殺人鬼スミスはジェスに、椅子から折り取った棒でほっぺたを刺されました。それはもう痛そうな感じで貫通してしまっています。

左ほっぺ

刺されたのは左ほっぺです。これは刺された直後に鏡で見ているシーンですが、たしかに左です。

ここで彼は白い布を口の中側から引っ張って貫通させ、止血しています。

しかしその後・・・逃げたジェスが隠れながらスミスを確認するシーンで・・・

右ほっぺ

右ほっぺに白い布が刺さり、血も流れています。。。

「もしかしたら、ここも車のミラーなどで映して見ていたのでは・・」とも思いましたが、そんな様子はありません。肉眼ストレートで反対側になっています(笑)

「大丈夫、一瞬のカットだから、観ている人も気づかないよ」って事でしょうか・・・。バカにするのもいい加減にしていただきたいですな。。。

身に着けているアクセサリーの位置が変わっちゃうとか、カットごとに返り血が違うとか、そういう些細な矛盾は別に良いんです。映画ですし。いちいち気にしていたら観れません。

ただ、「ケガの場所が逆。しかも目立つ白い布まで刺さっている」ってのは、映画だから…で許せる範囲を超えているのではないかと思うのですよ・・。

製作過程で「映像を反転させて使用する」ってのはよくある事のようですので、これが「映像反転したせい」なのか「単純に逆にしちゃっただけ」なのかはわかりませんが、個人的にはアウトでした。

前作へと…続くの?これで??

どんな話の流れになろうとも、確実にわかっているのは「この後、このモーテルが約3年間に渡って殺人ビデオを撮り続ける事になる」という事。じゃないと前作に続きません。

ですので…どんなにジェス達が必死に頑張ろうとも、モーテル側の勝利で終わらなければならないはずなんです。

ところが・・・ジェス、無事に逃げきっちゃいました!(笑)

え?え?これでどうやって前作へ繋げるの!?

もしかして・・・ここでこのモーテルは「敗北⇒摘発⇒逮捕」となるが、そのやり方を継承してパインウッドモーテルが生まれる…という事かっ!?そういえば1人、仲買人っぽいのがいたし。あいつが引き継ぐのだな!?

それならばモーテル名が違う事も、ロケーションが違う事もつじつまが合います。なるほど、上手いな。

と思いきや・・・

「うーん、死体もないし、カメラもないし・・・。怪しいトコないね、このモーテル。うん、OK!」

ときましたかっ(笑)

あれだけひっちゃかめっちゃかに荒らしたうえ、死体だって4つも5つもあったはずなのに・・・警察が来るまでの短時間で、痕跡も残さず綺麗に処理したって事ですか??

あまりにも無理があるよ!ありすぎるよ!!

これでは最後の「スミスは生きていて、殺人ビデオを撮影し続けていくのであった・・・」のオチも全然入ってきません。

個人的にはあまり高評価ではなかった前作のほうが、はるかに素晴らしい作品に思えてきます。。。

やめよう、便乗続編

前作の製作費が約2000万ドルだったのに対し、今作は500万ドル。

低予算でも面白い映画はありますし、莫大な金をつっこんだクソ映画が製作もあるため、製作費が映画の全てとは言えませんが・・・この『映画/モーテル2』は「前作が評判よかったし、予算ケチって続編出して儲けよう」という狙いが透けて見える作品でした。

『映画/ドニー・ダーコ2』のクソっぷりには負けますけど(笑)

どうやっても無くなる事はないのでしょうけど、いい加減そういう続編作りは勘弁して欲しいものですな。。。