ネタバレ『映画/アイデンティティー』

サスペンス/スリラー系が好きなら一度は見ているであろう『映画/アイデンティティー』でネタバレと独自解説を含む戯言を。本作は超どんでん返し系なので、もしまだ未鑑賞という方がいたらご注意下さいなー。

アイデンティティー
(原題:Identity)


2003年 アメリカ

主なキャスト:

ジョン・キューザック
レイ・リオッタ
アマンダ・ピート
ジョン・ホークス
クレア・デュヴァル
アルフレッド・モリナ
プルイット・テイラー・ヴィンス
マーシャル・ベル
ウィリアム・リー・スコット

監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:マイケル・クーニー

ネタバレ無しのあらすじ

嵐の夜、水害によって孤立したモーテルに集まった11人の男女。

1人また1人と惨殺され、互いの間に疑念と恐怖が渦まいていく。

そして時同じくして、ある一室では死刑を直前に控えた殺人鬼の再審理がおこなわれていた。

二つの物語がつながる時、驚愕の真実が明らかになる・・・

・・・といった内容くらいにしておかないと、ネタバレになっちゃう作品。

注)動画は英語版

キャストで戯言

登場人物がやたらと多い映画はちょいちょいありますが、本作もかなりの大所帯。なんとモーテルに集まった人間だけで11人、さらに審理シーン側にも数人いるという。

これがB級スリラーで、出演しているのが無名モブ俳優だらけだったら名前と顔を覚えるだけで一苦労ですなぁ…。

あまり映画に詳しくなければ主演のジョン・キューザックくらいしかわからないかもしれませんが、コアな映画ファンであれば半分以上知っているであろう超豪華なキャスティングで、通好みな名俳優も多数出演しておりますぞ。

全員拾っていくと長くなりすぎるので、個人的に好きな人だけ数人ピックアップして戯言を。

まずは目が怖いレイ・リオッタ

この人はいつ見ても異星人みたいな目つきですから。そんなツラの彼が「単なるマトモな人」で終わるわけがない。ある意味出てくるだけで伏線みたいな人ですな。

そして主演は少ないが助演ならばベテラン、モーテルの主人ラリーを演じるのはジョン・ホークス

チョイ役含めれば非常に多くの映画に出演している人ですが、『映画/マーサ、あるいはマーシー・メイ』のカルト教祖役が一番イケてる気がします。

そして場面変わって死刑囚の再審理側。

連続殺人犯マルコム役は個人的に超大好き俳優プルイット・テイラー・ヴィンスでヨダレもの。

彼もまた非常に多くの映画に出演しておりますが、個人的には『映画/コンスタンティン』、もしくはケヴィン・ベーコン、シャーリーズ・セロンらと共演した『映画/コール』の役柄が最高でしたな。

他にもアレコレ掘りたい俳優が何人もいるのですが、すでに長くなってまったのでこのくらいで。

…と、気づけば女性は一人も触れず仕舞いでした。まぁ特に好きでも嫌いでもない人ばかりだからいいか…。

ネタバレ解説…のような戯言

一見無関係に見えるシーンを往復しつつ、登場人物も多いこの映画。

ヘタな監督ではゴチャゴチャするだけで見づらい流れになってしまいそうなところを、これがまた実にお上手。最初にモーテルに11人が集まる流れも、そちらと再審理中の部屋を繋げるタイミングも実に絶妙。

やるなぁ、ジェームズ・マンゴールド。

…とうわけでネタバレ含んで後半の流れでさらーっといってみましょうか。

精神世界の映像化

結局のところモーテルで展開している内容は「マルコムの人格を1ヵ所に集め、1人づつ消滅させていく」という、精神世界を映像化したもの。

しかしそれとは無関係な部分に至るまで、まるでリアルサスペンスのように描いているところが少々ズルい。

モーテルに集まるまでの流れにしても、「パリスが落としたピンヒールでヨーク夫妻の車がパンク。そしてそこにエド達の車が・・・」なんて、ぶっちゃけ多重人格とは全く無関係ですからね。

しかし、それだからこそ最後のどん返しが生きてくるというのも事実。タネを完全に知ってから再鑑賞すれば「これおかしくね?」と思う部分はあるものの、まぁギリギリで反則ではないかな…と。

現実から非現実へ

『死体が消えている』のあたりから非現実感が急加速し、ほどなくして「モーテルはマルコムの精神世界でした」のどんでん返し1発目が炸裂。

前述したように「だとしたらおかしくない?」という点は多々ありますが、そもそも精神世界の出来事は矛盾しようが不条理だろうがご都合展開だろうが『なんでもあり』ですから。とことん『精神世界』の描写にしてしまうとタネ明かし時にシラけてしまう恐れも。

しかしモーテルの世界を入れ子構造(劇中劇)とし、リアルスリラー寄りに描けばシラケ感は薄くなる。こりゃ実に上手い手法だなぁ…と感じたのは私だけですかね?

2発目どんでん返し

…というわけで『人格同士の殺し合い』というサイコ勝負の末、比較的善良と言える存在の『パリス』が生き残り、ハッピーエンド的に終わり・・・・と思わせてからのチャッキー!!なエンド。

ある意味ベタっちゃーベタなので予想の範疇ですが、ここに至るまでが十分面白かったのでむしろ「安定感の終わる結末」という気もしますな。

さらにオレンジの木の根元を掘って鍵を見つけるアマンダ・ピートが、やたらと胸元をチラチラさせてくれますから。そりゃ文句なんて言えませんよ。

ちなみに『複数人格がそれぞれ登場人物』『最後は一人になって一件落着』『…からのドーン!』は、本作の7年後に公開される『映画/ザ・ウォード 監禁病棟』でも似たようなオチでした。

超個人的な戯言感想

「もうヤバいくらい面白かった!!」というほどではありませんが、なかなか見ごたえがあり普通に面白い映画だった『アイデンティティー』

ジョン・キューザックも「ちょっと痩せているVer.」だったのでぷっくりアゴが気になりませんでしたし、それ以外の俳優もとても良い。

個人的に最高だったのは、

パンツ一丁で縛られたうえに、胸にケーキ乗せられてウハウハしている変態のオッサン

でしたな。ほんの一瞬の出演ですが彼の至福の表情が忘れられません。私もあんなプレイしてみたいもんです。