【当ページには広告が含まれています】

今回は『そら』さんよりオススメされた『映画/プロミシング・ヤング・ウーマン』であらすじ&ネタバレを含む戯言。二転三転するストーリーがウリの作品ですので、未鑑賞の方はくれぐれもご注意を。

4本オススメして頂きましたが、その中からあえて最初に”最も合わなそうなヤツ”を持ってきてみました。これを私に薦めるなんて、あんたも酷なお人だよ…。

プロミシング・ヤング・ウーマン


2020年 アメリカ

キャスト:
キャリー・マリガン
ボー・バーナム
ラバーン・コックス
アリソン・ブリー
クランシー・ブラウン
ジェニファー・クーリッジ
コニー・ブリットン
アルフレッド・モリナ
クリストファー・ミンツ=プラッセ

監督:エメラルド・フェネル
脚本:エメラルド・フェネル

あらすじ

バーで泥酔したフリをしては寄って来たヤリチン男に制裁を加える…という行為を繰り返していたキャシー(キャリー・マリガン)。

しかし彼女がそんな行動をするのには理由があった。

ある日、大学時代の同級生ライアン(ボー・バーナム)と再会したキャリーは、徐々に彼とイイ感じになっていくのだが・・・・。

・・・といった流れで、二転三転する予想外作品。

キャストで戯言

主演はキャリー・マリガン

一時、私が大好きなシャイア・ラブーフと交際していたとかしていないとかの人で、脇役としては何本か見たような気がしますが・・・こんなにじっくりと見たのは初。うーむ、別に嫌いじゃないが好きでもない。言うなれば豆腐みたいな存在ですな。

そして彼女の恋人役(瞬間的に)、小児科医ライアンを演じるのはボー・バーナム。これまた何も書くことが思いつかない巨人野郎です。なんでも196cmとのこと。うわ、でけー。

今回はキャスティングも苦手路線なため、ホントどう戯言にすれば良いのやら。

チョイ役としてクリストファー・ミンツ=プラッセが出た時に「お!レッドミストだ!」と少々テンションが上がったのと、予想外にアルフレッド・モリナが出てきて困惑した事くらいしか思いつきません。

馬鹿な男にお仕置き・・・か?

オープニングのカメラワーク、冒頭の男性たちの会話内容、そして事あるごとに描かれる不自然なまでにバカな言動の男達で、すぐに嫌な予感が。

う・・・フェミニズム系女性監督モノか・・・・と。(的中)

わし、常々思うんですよ。一部の女性ってすぐに「女性差別だ!」とか騒ぐクセに、自分たちが男をコケにするのは問題無し。女をバカにした話には目くじら立てて反対運動を起こすクセに、男をバカにした話は「世の全ての男性に見て欲しい!!」などとアホみたいな事を言い始める。

あのね、そういうトコがいつまでたっても不平等な理由なのよ、と。

そもそも『バーで酔ったフリをして、声をかけてきた男にお仕置き』って・・・どう思います?たしかに下半身でしか物事を考えられない男は多いですから、そいういう輩はチ〇コちょん切っちゃっても良いでしょう。

しかしコレって、その後の劇中で出てくる『自分が道路のど真ん中に車を停めていたクセに、それに対して下品な暴言を吐いてきた男の車をボッコ。そしてドヤ顔』と同じじゃないですか。

自分のやった事は棚に上げておいて、それに対する相手の反応だけを批判する。しかもまるで相手が悪いかのように。これ、私が一番嫌いなやり口です。

もちろん彼女がなぜそんな行動をしているのか、しっかり理由は描かれていますし、世の中が抱える性差別問題にも触れており考えさせられる部分は多々あります。

・・・が、登場する男は全員とにかくアホばかり。もしくは女に都合良く言いなり。男がスゴんでも女は引かず、結局男のほうがビビッて逃げ出す。若くて美人な女もバカっぽく・・・等々、一部の女性がとことん気分良くなるための人物描写ばかりで正直うんざり。

うーむ、本当に何かを伝えたいならばこうじゃないだろう、と。

『男=アホ、女=賢い』の形を望み、最後の最後まで『女のほうが一枚上手』で結論付けたがる。それじゃ何も変わらんて。

不条理

てなわけで。冒頭から世の女性はおろかオススメしてくれた方まで敵に回すような発言になっておりますが・・・。

この映画はただ単に『女性の性被害に関する話』『女性の権利の話』だけに留まらず、より深い解釈もできるというのが救い。

もちろん男とか女とかレ〇プとかSNSとか、そういう部分の問題も投げかけているとは思いますが・・・もっと社会の根底にあるものまで引っ張り出してきているからこそのプロミシング・ヤング・ウーマンなのですな。

強く感じたのは、

世の中の不条理への抵抗

男女問題も人種差別も権利問題も、全て世の中に存在する『不条理』による産物。

被害者は決して忘れることができない出来事でも、加害者は覚えてすらいない…ってな事が人生には多々あります。苦しみ続けるのも悩み続けるのも被害者だけという不条理。これはホント、私も幼少期から嫌というほど味わってきたので痛いほどわかります。

そしてその不条理に対して、いくら理論や正論で対抗しても無駄。そこに一石投じたいならば感情むき出しで噛みつくしかないのですよ。例えそれが無駄だとしても。

それが本作でのキャシーという存在なのでしょう。

自らが幸せの道から外れている事をいとわず、周囲からの理解も得られず、最後に何も残らなくなったとしても、不条理には屈しない。こういう信念に関しては男よりも女のほうが遥かに上回っている。男は先の先まで考えるがゆえに身動き取れなくなる事が多いので。

その瞬間瞬間の感情に身を任せた決断に関しては、女性は芸術的なまでの才能を発揮する。そう思っています。

…ホント、いつも誤解されがちな発言が多いですが、決してわたしゃ女性蔑視の人間ではないんですよ。ただ単に『男女平等』と『女性優遇(自分優遇)』を勘違いしているバカ女が嫌いなだけ。男が勝っている部分もある。女性が勝っている部分もある。そういう価値観です。

その点では劇中、ウォーカー学部長(大学のお偉いさん)を女性にしている部分は良かったですな。これが「ぐへへへ。お嬢ちゃん脚綺麗だねぇ」みたいなゲスなオッサンで描かれていたら、もう完全に偏見に満ちた男女差別モノにしか見えませんし。

秀逸

…と、危険なお話はいったん終わり。

この『プロミシング・ヤング・ウーマン』という映画、純粋に映像作品として見れば非常に完成度が高いのではないかと。

効果的なカメラワークとカット割り、物語に引き込む演出、登場人物の演技もピカイチ。

『復讐に生きるぜい』
 ↓
『彼氏のために復讐はやーめた』
 ↓
『…って、おまえもかーい!』
 ↓
『やっぱり復讐に燃えるぜい』
 ↓
『返り討ちでチーン』
 ↓
『…と思いきや!』

の脚本は絶妙。こんなに二転三転させつつもダレさせない構成力も素晴らしい。

こうなるとなおさら、ステレオタイプに『男=バカ』という表現にされていることが悔やまれますな。監督の男に対する変な対抗意識が強く出すぎてしまい、いろいろと台無しになってしまっている気が。

劇中にあちこちねじ込まれるユーモアのセンスは好きでしたけど。

超個人的な戯言感想

というわけで。

いやもうホント、書くのが苦しいったらありゃしない。だってせっかくオススメされたのよ?正直に…といっても、やっぱり気を使っちゃうじゃないですか。

私の感想に対する偉そうな反論だとか、ダラダラとどーでも良い自己解釈の長文メールだとか、「だったら自分で映画ブログ書きゃいいだろうよ」と言いたくなるような頭のおかしい感想の中に舞い込んだ、一服の清涼剤のような心温まるメッセージですよ。

そりゃ気を遣いますさ!

なのにコレ!?なぜわしにこの映画を!?他の戯言を読めばこういう表現に対しミソクソに反論するの知っているでしょう!あなただけは私の味方だと思ってたのに!!

…と、好きな子に彼氏がいることを知ってしまった男子中学生のような気分で鑑賞させていただきました。

日本人口の1/3を敵に回すような事を書きそうな映画でしたよ。ホント。