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皆様、お肉は好きですかー?牛、豚、鶏、羊、美味しいお肉は数々あれど、『人の肉』に勝るものは無し!…というわけでタイトルそのまま直球『映画/人肉レストラン』を持ってきました。あらすじやネタバレを含みますのでご注意下さい。

注!)私は決して「好きなお肉・人の肉」というわけではありませんし、食べたこともありません。

人肉レストラン


2013年 スペイン

主なキャスト:

マリオ・デ・ラ・ロサ
パコ・マンサネド
フェルナンド・アルビス
マルタ・フリッチ
サラ・ゴメス

監督:オスカル・ロホ
脚本:オスカル・ロホ

ネタバレ無しのあらすじ

料理評論家として名高いマルコスに舞い込んだのは『選ばれた者だけが参加できる、秘密レストランを取材して欲しい』という依頼だった。

それら秘密の晩餐に幾度か参加するうち、彼は『人の肉を提供する会がある』という情報を耳にする。

「なんじゃそれはっ。よし、参加してやる!いやいや、わしは絶対に食わんけど!」

と、その「人肉レストラン」を訪れたマルコスだったが…

・・・・といった内容の作品。

グロ・ゴアは控えめ

ちょうど1年ほど前に『映画/ザ・カニバル・クラブ』という作品を観たのですが、あちらは「人を喰う」という行為に関してはいまいちパッとしない印象で不完全燃焼。

しかしこちらの『映画/人肉レストラン』はしっかりと『人の肉を食材として料理し、それを食べます!』といった展開で一安心。ただしグロ描写は少なめですので、ブシャー!ぐぎゃー!の殺人描写&エグい解体を期待する変態野郎には不向きの作品となります。

『ホステル』『ムカデ人間』などと書かれたDVDパッケージに騙され、ゴア目的でレンタルした方はさぞ肩透かしを喰らった事でしょう。

本作はエンターテイメント的な人喰いモノではなく、「人が人を喰う」という行為に対し社会的・人道的な視点から切り込む問題作となります・・・などと紹介したいところですが、いかんせんそっちとしても力不足。

結果的には

グロ=あまり楽しめない
ゴア描写=あまり楽しめない
カニバリズムという行為の哲学性=残念ながら浅い
ホラー感=だいぶ薄い
おっぱい=それなりに楽しめる

…という仕上がりになっております。


ココからネタバレを含むよ!!

ネタバレ含むあらすじ戯言

映画冒頭、件の『人肉レストラン』のホストとなるディマスの幼少期エピソードから始まるわけですが…

もうここらへんからツッコミと「???」が連発。

母「町に行って人を呼んできて…」
ディマス「お腹が空いたよ」
母「急いで…お母さん死んじゃうから…」
ディマス「もう食べ物がないよ」

…ちょ、ディマス、お母さんの言ってること聞いてる!?

しかもテーブルの上にはだいぶ古くなっているもののパンとかがあるんですけど…。

どうやらディマスは、この時からちょっとアレな子供だったんでしょうな。そのまま空腹の勢いで母親を喰っちゃうくらいですから。

おかしな日本感

時は流れ…主人公らしき男が現れて本編開始。

秘密レストランの取材を依頼されたマルコスはパオラの段取りによりあっさり潜入成功。

一軒目は…おほうっ!マツタケに神戸牛!美味そうですなぁ。

そしてマルコスは極上の料理に続き、美人もペロリと完食。実に羨ましいですな。

続いて二軒目は…おお、日本料理ですか。

って、なんだねこのおかしな茶番劇は(笑)

『日本人役を演じているのは、なぜかいつも中国人』ってのは洋画ではお約束ですが…あちらの人って文化も風習も衣装も、日本と中国をごっちゃ混ぜにしちゃうのよね…。

で、ここで大事な伏線の『フグの毒に関する説明』が。もうしつこいくらいに引っ張ったうえに「今度1匹ちょうだい」なんて言うもんだから、絶対最後にフグ毒が使われると予想できちゃいますな…。

そしてマルコスは二人目の美人おっぱいをご堪能。くそうっ!次から次へとこの男はっ!!

極上の料理よりもそっちのほうが羨ましくてたまらん!

さぁ人肉祭りが始まるよ!

さてさて、意を決して『人肉レストラン』へと潜入するマルコス。

それと同時に二人目おっぱいのカルラは食材として仕入れられてしまいました。髪型変わってるから最初気づかんかったです。

どこの誰かわからない、最初に攫われた女性が『お漏らし→おっぱい披露、という変態殺しコンボを炸裂させてくるのは嬉しいのですが、残念ながらいまいちルックスとおっぱいが残念。

その後長時間に渡ってすっぽんぽんで吊るされるのはオッサンという…(泣)

これがカルラだったらまだ楽しめたのに…とか思ってたらカルラ逃げちゃったじゃないですか!!ええー!そんな!

…あ。あっさり捕まった。ふぅ、良かった良かった。

で、彼らは無事に解体されて美味しそうな食材として並ぶことになりました。めでたしめでたし(生首もあるよ!)

一気に失速するラスト

その狂気の世界についていけないマルコスも、さすがに命は惜しかったようで…1度目は人肉を口にしてしまいました。どう?美味しい?

そして時過ぎて再び訪れた人肉レストラン。

彼はまた解体処理場を訪れ、ものすごく不自然にカバンを忘れたフリをし、食材(まだ生きてる人間だよ!)にテトロドトキシンを注射することで人喰い共を一網打尽にするのでした。

…うーむ。

「まだ生きている人間に毒を注射する」って、子供の腹ん中に爆薬を詰めて『人間爆弾』とするのと同じでは…。人喰い行為のモラルについてどうのこうの言ってましたが、このやり方もモラル的にどうかと…。

この後、彼は本映画の原題でもある『OMNIVORES』(雑食の意)というタイトルの本を出して売れるようですが…これはあれですな、パオラから依頼された「秘密レストランの取材」が本として出版されたわけではなく、中盤の「料理評論だけでなく、小説も書いている」というのが伏線となり、人肉レストランの物語を小説として出版した…という事なのでしょう。

参加費として大金を出してもらったのに、そっちの仕事をどう誤魔化したのかはわかりませんが、まさかありのままを報告するわけにはいかないでしょうし。一回目はマルコスも喰っちゃってますし、二回目は被害者も加害者も大量毒殺ですから(汗)

個人的な戯言感想

…というわけで、おっぱい以外に見所を見出すのが難しい『映画/人肉レストラン』

しかしそのおっぱいも中途半端。エグさも中途半端。人が人を喰うという行為に対する奥深さも中途半端。

マルコスのクールな雰囲気がツボに入ったりすればもっと楽しめたのでしょうが、どうも私の大嫌いな某コメンテーターに見えてしまい…ちょっと不快。なんとも残念な映画でした。個人的には「ちょいハズレ」です。

しかしねぇ…物語の最後、エバに対していったいどんなメッセージを送ったのかと気になってみれば、

『FUGU(ふぐ)』

…って(笑)