『映画/フェーズ6』コロナ絡みでパンデミック作品を…(ネタバレ含)

コロナウイルスが世間を騒がせる今だからこそ…という事で、10年以上前のパンデミック映画『フェーズ6』を再鑑賞。あらすじやネタバレを含むので未鑑賞の方はご注意を。

しかしマスクや消毒液の確保に躍起になり、コロナ対策をアレコレ頑張っている状況で本作を見てみると…なんともザルな感染対策ですなぁ、よく生き残ってたね、彼ら。

フェーズ6
(原題:Carriers)


2009年 アメリカ

主なキャスト:

クリス・パイン
ルー・テイラー・プッチ
パイパー・ペラーボ
エミリー・ヴァンキャンプ
クリストファー・メローニ
キーナン・シプカ
マーク・モーゼス

監督:アレックス・パストール、ダビ・パストール
脚本:アレックス・パストール、ダビ・パストール

ネタバレ無しのあらすじ

致死率100%という恐怖のウイルスが蔓延し、人類滅亡間近となってしまった世界。

ブライアン(クリス・パイン)とその弟ダニー(ルー・テイラー・プッチ)、そしてブライアンの恋人ボビー(パイパー・ペラーボ)とダニーの友人ケイト(エミリー・ヴァンキャンプ)らは思い出の海岸を目指し車を走らせていた。

感染者には決して近づかず、触らず、助けない。

独自のルールに従う事で生き延びてきた彼らだったが、些細なアクシデントから徐々に歯車は狂い始め…

・・・といった内容の、立派なルールを掲げつつもやってる事はお粗末な珍道中。

キャストで戯言

さてさて主演…といって良いのかわからないポジションですが、ワイルドかつイケメンのクリス・パインがご登場。この頃はまだブレイク前のため、好青年でもなけりゃ知的でもない、今じゃ珍しい我儘ヒャッハー!な役柄を演じています。こうなるとクリスはクリスでもパインじゃなくてヘムズワースに見えますな(笑)

その兄の陰でモジモジする弟ダニー役にルー・テイラー・プッチ、『映画/サムサッカー』で親指しゃぶっていた人です。それほど有名ではありませんが良い演技をするんですよね、彼。イケメンですし。

さらに彼らと行動をともにする女性陣二人も、これまた美人をダブルで起用。

兄ブライアンの恋人はパイパー・ペラーボ。美人なのに生意気ではなく、口がデカくて柔らかい雰囲気。個人的にストライク女優です。

弟ダニーの恋人未満な彼女はエミリー・ヴァンキャンプ。二重まぶたパッチリが大嫌いな私にとって、彼女のような「パッとしない寝起きっぽい目」も大好物なわけです。

初めて見た当時はそれほど意識していませんでしたが、今あらためて見てみると登場人物がほぼ全員ツボという…非常に俺得な映画だったんですな…。

ここからネタバレを含むよ!!

真似しちゃダメな感染予防

パンデミック後の世界を描く作品ではあるものの、肝心の『病気』に関しての詳細な説明は無し。

ウイルスなのか細菌なのかも不明ですが、あらすじ説明などでは「ウイルス」とされいますので…たぶんウイルスなのでしょう。

冒頭でも触れましたが、今回は2020年4月に再鑑賞しての感想になります。そう、まさに世界は新型コロナウイルス真っ盛りで東京オリンピックも延期が決まってしまった直後なわけですよ。外出時はマスク着用、他人が触れたものには極力触れない、閉鎖された空間は避け、帰宅したらアルコール消毒とうがい…などなど、まさにこの映画のように神経質なまでの対処を…って、、、

あんたらぜんぜん感染予防できてないじゃん!

どうして目を離すととすぐにマスクを外すのさ、あんた達はっ!車内は良しとしても、頼むから外に出たらマスクは常時着用してちょうだいよ。

ストーリー的に大事な要素である「女の子からボビーへの感染」も、マスクをしっかりつけなかったから…ってアホなのっ!?

たしかに映画的な理由もあるでしょう、せっかく美男美女揃いなのに常時マスク着用では絵ヅラが残念ですから。しかし「感染=ゾンビ化」といったおふざけ要素を入れず、リアル路線で押している作品。消毒に関してはわりと念入りに描写されていたりもするので、もう少しマスクと手袋の部分も大事にしていただきたかった…。

頼りになるけどクソ野郎

パンデミック系映画は『感染の恐怖』『追い込まれた人間の本性』を描くことが多く、その作品によって比率は異なってくるわけですが…本作は圧倒的に後者優先。なにせ感染に関してはさきほど書いたように「ざっくりザル設定」ですから(笑)

こういった人間ドラマ重視の展開ですと登場人物を自分に置き換え、もしこんな状況になった場合に自分だったらどうするか…といった事を想像しつつ、登場人物の行動に対して共感したり否定したり…そんな鑑賞スタイルになる事が多いわけです。

しっかし兄ブライアンの糞っぷりはヒドかったですなぁ。

現実でこういった危機的状況になると「屁理屈型の人間」ってのは役に立たない場合が多く、それよりも普段ちょっと蔑まれるような「ヤンキー型の人間」のほうがよほど行動力があって頼りになったりするんですよね。私も震災の時につくづく実感しました。

…が、ブライアンは一見行動力も決断力もあるものの、それ以上に自己中心的すぎで…。

感染者となったら、大事な恋人でも切り捨てなければならない』という行動は非常に共感できるものの、いざ自分がその立場になったら「絶対に俺を見捨てるなんて許さんぞ!ルールなんて知ったことか!」のノリは失望を通り越して呆れるばかり。なんだよう、ただの口だけ野郎か…。

個人的な戯言感想

…というわけで、アレコレありつつも極限の人間模様を残酷に描く本作。

感染した娘がトイレに行きたいと言い出すものの、ブライアン達に置いていかれないために父親はその場を離れる事ができず。苦渋の決断で娘を一人で送り出すも…転んでしまって慌てて駆け寄る。そして娘に必死に謝り、一緒に連れて行く。・・・ここ、とても苦しく、切なく、なんとも言えない場面でした。

…が、素晴らしいのはその部分だけ。

それ以外はどうにも強引かつダラダラした展開が多いのが残念。着眼点も構成も悪くないんですけどね…。食材は良いし味付けも良いのに、いまいち何を食わされているのかわからないような印象でした。うーむ、惜しい。

結論としては『けっこう面白いが、なにか足りない』という印象の映画でした。

しかし序盤に吊るされた死体に『元凶は中国人共だ』と書かれているのは、今じゃ笑えませんなぁ…(汗)