『映画/ザ・セル2』駄作極まる続編でネタバレ戯言

芸術的な映像美と重厚なストーリーが見るものを虜にした『映画/ザ・セル』の続編、『映画/ザ・セル2』の登場ですよー。しかしコレがまたつまらない駄作。あらすじやネタバレを含みますが、もはや見る価値無しに近い作品ですので…未鑑賞の方が読んでしまっても良いのではないかと。

ザ・セル2


2009年 アメリカ

主なキャスト:

テッシー・サンティアゴ
クリス・ブルーノ
マイケル・フリン
バート・ジョンソン
フランク・ホエーリー

監督:ティム・イアコファーノ
脚本:ローレンス・シルヴァースタイン

ネタバレ無しのあらすじ

女性をさまざまな手段で心肺停止させた後、速やかに蘇生処置を施して生き返らせ、何度も死の瞬間を味合わせるという…実に変態的な行為を楽しむ快楽殺人者カスプ。

過去に彼に監禁されつつも幸運にも逃げ延びることができた唯一の生存者マヤ(テッシー・サンティアゴ)は、その体験から『他人の記憶に入り込む事ができる』という特殊能力を得ていた。

彼女はその能力を駆使し、カスプ逮捕のためFBIに協力する事に。

・・・といった内容を、ヒドい脚本とヒドいカメラワーク、ヒドい演出にヒドい演技で繰り広げる「なんじゃこりゃ」なB級作品。

注)予告編は本編冒頭一部カット版になります。前作の映像が出てきますが騙されてはいけません。

前作との比較

続編でもなんでもないクセにタイトルだけ有名作品に寄せた『エセ続編』ってのは世の中に吐いて捨てるほど溢れていますが、その手の映画は自力で勝負できないから有名作に便乗しているわけで…やはり内容はウンコが大半。『映画/バタフライエフェクト・イン・クライモリ』などが良い例です。

しかし本作は名作ザ・セルの正統な続編。便乗でもなければパクリでもない、

ところがもう、最低な出来栄えなわけです(笑)

これが全くの別モノとして送り出されてきたならば「B級映画」のくくりで評価することもできるのですが、正統続編ではそうもいかず。同じく正式な続編としてファンを失望させてくれた『映画/バタフライ・エフェクト2』や『映画/ドニー・ダーコ2』なみ、いやそれ以上の破壊力を秘めた駄作となっています(あくまで個人の感想です)

よし、ちょっとイロイロな部分を前作と比較してみましょう。映画でも人間でも「他と比べる」ってのはあまり良い事ではありませんが、正式な続編なのだから比べられても文句は言えないでしょう。

能力
ザ・セル
特殊なスーツを着用し、特殊な装置を使用。手には緊急脱出スイッチなど…奥深い設定。

ザ・セル2
対象の持ち物に触れて目を閉じればOK! 記憶の中に入るという設定らしいが、過去だったりリアルタイムだったり第三者として存在していたりとブレまくり。
精神世界
ザ・セル
もはや芸術。色彩やカメラワーク、常軌を逸した表現、全てで犯人の狂気を表現。お馬さんのスライスもヤバい。

ザ・セル2
対象の記憶に入るとか言っておきながら、なぜかチープな電脳廊下でパネルを選択。あとは適当。
終盤に前作のマネごとをして犯人の精神世界に入るも、合成感バリバリ。
記憶のパネルをパリーンパリーンと割っていく映像は哀愁すら感じるレベル。
キャラ設定
ザ・セル
優しく強いキャサリンと、信念あるFBI捜査官ピーター。それを支える周囲のメンバーも魅力的。
圧倒的な狂気で迫る連続殺人犯カール・スターガーの生い立ちは悲しく、単純な悪とは言い切れない。

ザ・セル2
ちょいちょいジョジョ立ちをキメるマヤと、B級感溢れる保安官ハリス。そしてもはやC級俳優のFBI捜査官スカイラー。
犯人カスプはその『繰り返し殺す』という手口こそ素晴らしいものの、中身はスッカスカ。
潔癖症と言っておきながら、部屋はあっちもこっちも汚い。常に冷静がウリのはずなのに、暗くなるとすぐにとっ散らかる。
悪と言うよりも単純に小者。
映画的な表現
ザ・セル
映像は壮大。カメラワークも芸術的。CG・VFXも素晴らしい。え?コレが20年前の映画?と疑うほどのハイレベルっぷり。

ザ・セル2
ブレすぎるわピントは合わないわ…カメラマンがプロである事を疑うレベル。
基本的に演技は大根。登場人物の言動がブレまくる脚本。余計なうえに安いカーアクション。
物語開始15分で必要性のないおっぱいが登場。ラストは謎のキス。
そしてエンドクレジットにメイキングを挟むという懐かしい演出。
…本当に10年前の映画?と疑うほどの昭和っぷり。

ツッコミ始めたらキリがない

…という感じに、ちょっと前作と比べただけでヒドい有様。

さらに揚げ足取りを始めてしまえば…

  • 蘇生するための心臓マッサージの位置、下すぎない!?そこミゾオチだよ!?
  • AEDの位置、上すぎない!?そこは首元だよ!?とにかく蘇生時におっぱいには触れようにしてるの?紳士なの?
  • いかにもFBIっぽい懐中電灯と銃のクロス持ちしてるけど、周囲は十分すぎるほど明るいよね…。
  • 姪っ子ペネロピは見えてないのにまるで構造を熟知しているかのように、手際良く頭の箱を開けるんだね。そして腕のテープは簡単に取れるんだね。

…と、ツッコミ要素は無限の広がり。

DVD特典のメイキング映像からは製作者の『自己満足感』がプンプン臭ってきますし、エンドクレジットには「せっかく高い金払ってヘリをレンタルしたのだから、ついでに美しい山の景色を撮っておこうよ!」という素人っぽい発想が透けて見えるような謎の風景映像。
(しかも撮影ヘリの影とローターがバリバリ映り込む)

その合間に流されるカーアクションとヘリアクションの撮影風景は自主映画っぽいほっこり感なのですが、『映画/ザ・セル』という名作映画の続編が自主制作映画のような雰囲気…という時点でアウトなのでは(笑)

ホント、ドコに救いを見出してよいのかわからないような映画です。

冒頭にジェニファー・ロペスがチラッと見れるだけで前作の俳優は一切出てきませんし、ストーリー的な繋がりもありません。肝心の能力設定ももはや繋がっているとは言えませんので、もはや続編とも言えない仕上がり。これで俳優が魅力的であれば少しはマシだったのですが、マヤはスタイルは良いものの…ルックス的にはちょっと…。

個人的な戯言感想

さてさて…映画批評サイトでも口コミサイトでも、とにかくミソクソな言われようをしている『映画/ザ・セル2』

他人と感想が異なる事の多い私ですが…この映画に関しては珍しく同意。いやー、ごもっともです。

ザ・セルの続編として考えればもはや点無し。独立したB級映画として考えても10点満点で2点くらいでしょうか…。

唯一の救いはフランク・ホエーリーが出演していた…という事くらいですかね(犯人カスプ役)。『映画/モーテル』でモーテル支配人の役だった変な人ですよ。