『バタフライ・エフェクト2』前作台無し映画のネタバレ戯言

切ないストーリーが胸を打つ『映画/バタフライ・エフェクト』の続編、『映画/バタフライ・エフェクト2』です。あらすじ・ネタバレ・感想を含むうえに、かなり低評価な記事となりますので…未鑑賞の方と、本作を面白いと評価している方はご注意下さい。

バタフライ・エフェクト2


2006年 アメリカ

主なキャスト:

エリック・ライヴリー
エリカ・デュランス
ダスティン・ミリガン
ジーナ・ホールデン
デヴィッド・ルイス

監督:ジョン・R・レオネッティ
脚本:マイケル・D・ウェイス

ネタバレ無しのあらすじ

写真家を目指す恋人ジュリー(エリカ・デュランス)の誕生日祝いに、友人たちと湖畔を訪れていたニック(エリック・ライブリー)。

急な呼び出しにより会社へと戻らねばならない事になったのだが、その途中でニック達の乗る車は事故に遭いニック以外の3人が亡くなってしまう。

そして事故から1年後…。

まだ完全には立ち直れずあの日の写真を眺めていたニック。すると急に激しい頭痛に襲われ…気が付くと彼は事故直前の車内に戻っていた。

どうにか事故を回避できた事で幸せなルートへと変貌を遂げたニックの人生だが、やがて少しづつ歯車が狂い始め…

・・・といった内容の残念な作品。

続編で戯言

冒頭でも書きましたが、本作は『映画/バタフライ・エフェクト』の続編。

しかしストーリー的な関連はほぼなく『過去に戻れる』という能力が共通するのみ。前作にて精神病院に収容されていた、エヴァン父のニュースをネットで調べたりしていますので…いちおう時系列的に繋がっているようですが、前作を匂わせるのはそこだけです。

キャストも監督も脚本もぜーんぶ入れ替え、もはや設定のみ引き継いだ別作品。

挙句の果てにこのクソっぷりでは『前作人気に便乗しただけの駄作』と言われるのもやむを得ないかと…。

洋画だけにとどまらず、ありがちですよねこのパターン。

1回目の過去戻りで…

映画において他作品と比べすぎるというのはどうかと思いますが、本作は続編ですから…やはり『映画/バタフライ・エフェクト』と比べてしまうのは仕方のない事でしょう。

前作の主人公エヴァンはどうにか恋人ケイリーを幸せな人生に変えてあげようと、ボロボロになりながら必死にトライ&エラーを繰り返す姿が切なかったのですが…本作の主人公ニックはまるで魅力がないと言いますか…。

『事故が起こる直前』に戻って事故を回避できた時点で、もう終わりにして良かったんじゃないでしょうか…。ジュリーとも一緒に暮らせていますし、友人も幸せそうじゃないですか。もうここでエンドクレジット流しちゃいましょうよ(映画開始から約30分だけど)

たしかにニューヨーク行きを反対したせいでジュリーは写真家として羽ばたいてはいませんが、あんたが頑張って彼女を支えてやらにゃならんわけで…「厚切りジェイソン似の上司」に生意気な事言ってクビになってる場合じゃないだろう!?

挙句の果てに「くそう…ブリストルめ…。汚いマネして出世した上にオレをクビにしやがって…」と、過去に戻る始末。

ええ!?そんな事で過去に飛んじゃうの!?

2回目の過去戻りは…

逆恨みに近いノリで再度過去に戻ったニック。

ブリストルに飲み物をぶっかけて嫌がらせした後は、彼のデスクから書類を…

・・って、おい。

結果、ニックは晴れて副社長となり、黄色いオープンカーを乗り回すセレブになれました!やったね!

社長の娘ともエロティカルな関係になり、「ここそんなに尺長く必要?」と感じるほどに激しくプレイを楽しむニックに『切なさ』という文字は見当たりません…。

その後も彼持ち前の『嘘つき』と『利己的な性格』のせいでズルズルと状況は悪くなり…母親の前でボソッと『滅茶苦茶だよ…。軌道修正しようとするたびに…』などという見当違いな泣き言を漏らす始末。

おおおーーーい!!!

一番最初に最もグッドエンドなルートに乗っておきながら、調子に乗ってクビになったのおまえだろ!?

それを時間戻して「デスクが汚れてるぞ」なんて嫌味を言ったり、社長の娘に手を出したり、おまえの自業自得じゃないかっ!なにが『軌道修正しようと…』だよ、このオポンチ野郎がっ。

…と、もう全然共感どころか擁護してあげる気にもなれませぬ。

3回目の過去戻りも…

さぁさぁ。ハゲのゲイに咥えられてしまった人生をやり直すため、またもや過去に戻る事を決断するニック。

狙うはあの『事故のあった日』です。

そんな憔悴しきった顔で「なんだってできる…君たちのためなら…」などとカッコつけたセリフを言われても、全く心に響いてきません。

そんなニックが選択した人生の解決方法は…

「ニューヨークに行け。もう別れよう」

…はい!?

だーかーらー!!ここは『会社から電話が来た』のところで「電話には出ない。今日は一緒に過ごそう」と選択しなきゃダメでしょう!?

そのうえでジュリーにニューヨーク行きを勧めて、遠距離恋愛でもなんでもすりゃいいじゃないの!なんなら一緒にニューヨークに行けばいいじゃないの!!ほら、ジュリーも車で逃げちゃったじゃないの!!…あれ、ジュリーさん、あんた一人で車使って戻っちゃったらトレバーとかどうやって帰るの?(汗)

・・・って、ニックはなに車泥棒してんのさ!!

もう、なにがなにやら。「滅茶苦茶だよ」はニックの頭だよ。さらに言うならば脚本家の頭だよ…。

で、「やっぱり止まってー!嘘だからー!愛してるからー!!」とグダグダになったニックは、少し前にキメ顔で放った『なんだってできる…。みんなのためなら…』のセリフと共に崖下へダイブ・・・。

…もう何も言えません。ニックと製作者の独りよがりに巻き込まれた気分です。車を盗まれたカップルもいい迷惑です。

切なさなど皆無でした

はい、これにて『映画/バタフライ・エフェクト2』は終了です。いやー、素晴らしいクソ作品でしたね。

なにやら「自己犠牲」的な雰囲気を出そうとしているようですが、全然そんな感情は抱けませんでした。ニックの行動には大義もクソもなく、その場しのぎと身勝手さしか感じられません…。

せっかくの『隠れた名作』であるバタフライ・エフェクトを台無しにするような続編ですが、考え方によってはむしろ前作の素晴らしさが引き立つ…と言えるかもしれませんな。

なにはともあれ、前作に感動した方ならば1度は観ておくべき映画です。やっぱり監督と脚本って大事だね、と痛感する事でしょう…。