【当ページには広告が含まれています】

注)当記事は『映画/バタフライ・エフェクト3』のあらすじ・ネタバレ・ラストに関する考察を含みますが戯言も含みます。未鑑賞の方はご注意下さい。

1で素晴らしい高評価を得ておきながら、続編の2でクソ評価を得た問題作『バタフライ・エフェクト』シリーズの第三弾『映画/バタフライ・エフェクト3』

「2よりはマシ。しかし1には劣る」という評価の方が多いようですが、私もそんな感じです。

バタフライ・エフェクト3


2009年 アメリカ

主なキャスト:

クリス・カーマック
レイチェル・マイナー
サラ・ハーベル
メリッサ・ジョーンズ

監督:セス・グロスマン
脚本:ホリー・ブリックス

ネタバレ無しのあらすじ

過去に戻る能力を駆使し、難事件の解決に協力してきたサム(クリス・カーマック)。

ある夜、10年前に殺された恋人レベッカの姉リズ(サラ・ハーベル)がサムのもとを訪れ、事件の真犯人究明を依頼してくる。

始めは依頼を断るサムだったが、やがて周囲の反対を押し切って過去に戻る事を決意。

しかしそこには驚愕の真実が隠されていたのであった…

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

バタフライ・エフェクトシリーズの伝統と言いますか…もの凄い有名俳優!と呼べる方は出演していません。

主人公サムを演ずるクリス・カーマックはドラマ出演が多く、映画ではB級チックな作品に何本か出演している程度。

妹ジェナ役、レイチェル・マイナー『映画/ブラック・ダリア』に出演しているものの、やはり同じくドラマ作品が主。他に有名映画への出演はありません。

しかし彼女はあの『映画/ホーム・アローン』で大ブレイクしたお騒がせ野郎、マコーレー・カルキン(現在の名はマコーレー・マコーレー・カルキン・カルキン…なんじゃそりゃ)と互いに18歳という若さで結婚し世間を騒がせました。

…その2年後に離婚しましたけどね。

そして主演二人を喰う勢いでインパクト大なのがビッキー役、メリッサ・ジョーンズ。何がヤバいってその胸の谷間がヤバい。エロティックな雰囲気がヤバい。こちらの期待を裏切る事なく、唯一ハードエロスなシーンを披露してくれる女優になります。ちょっとメリッサ・ジョージと名前が紛らわしいです。


ここからネタバレを含むよ!!

おかしなご都合主義展開

まず過去二作品と大きく違う点として、本作の主人公サムは登場からすでに『過去にジャンプする能力』を使いこなしています。

なにやら『氷水に浸かる』というよくわからない設定が加わっていますが、妹ジェナのサポートの元で警察に捜査協力までしている様子。しかも過去に戻るキーアイテムなどは必要なく『詳細な年月日と場所』さえわかっていれば自由に飛べるようです。

さらにさらに、これまでの作品では過去に戻った際に『その当時の自分になる』という設定でした。記憶だけそのままで、シチュエーションや場所はその当時の自分が存在した位置です。しかし本作はなにやら『その時間と場所に、その当時の自分の姿で現れる』という…。

これ、その時の自分はどうなってるんでしょう。

ところがこの設定すらも物語が進むにつれて破綻。『当時の自分に入る』に変わってみたりします。…うーむ。

挙句の果てには『氷水に浸かる』という設定すら無視したジャンプまで披露する始末。

それ以外でも、過去を変える事で人生ルートが変わっているはずなのに辻褄が合わない部分があったり、言動が不自然だったり…

『時間をジャンプする』という設定自体が空想の産物ですので多少矛盾するのは致し方ない部分ではあるのですが…どうにも本作は緻密さが感じられず、ご都合主義な展開が多すぎる気がします。

過去に戻るたびに、素手であっちにもこっちにもベタベタと指紋を残すサムにもちょっと呆れます。

ついでに…

ビッキーと見ているこちらが目を覆いたくなるくらいにハードなプレイを楽しんだ末の「ごめん…できない…」には

いやいや!あんた十分すぎるほどヤッてたよね!?

とツッコまざるを得ません。行為の序盤に言うならわかるんですが、もう後ろから下から前から…激しすぎるほど楽しんだ末にそのセリフかよっ。

ラストシーンの謎

物語の終盤に至るまでの部分で、アレがおかしいとかコレが変じゃないか…といったネタを挙げていったらキリがありませんので、そのへんはスッ飛ばしましょう。『雰囲気を楽しむ作品』ですから。

1点だけ、最も物議を醸す『ラストのジェナ(娘)』に焦点を絞って戯言を垂れ流す事にします。

人によっていろいろと解釈があるようですが、どれが正解とか言う話ではありません。あくまでも一個人の見解ですのでご了承下さい。

まず最もベタというか、そのまま素直に考えると…

妹ジェナの生まれ変わり

…となるかと思います。

妹ジェナが亡くなったのはサムが幼い頃になるので、自分の娘として生まれ変わってきてもおかしくないでしょう。生まれ変わりというものがあれば…の話ですけど。

その場合は妹ジェナの頃の記憶などは無いと考えるのが普通ですので、人形をバーベキューコンロで焼く行為は『サイコっぷりを引き継いでいる』という事でしょうか。

実に将来が楽しみな娘です。兄x妹の禁断の関係を回避したサムですが、もしかしたらさらにヤバい『父x娘』の危険性が…。

妹ジェナが過去にジャンプした姿

これも考えたくなるのはわかります。しかし時間軸が合わないんですよね…。

妹ジェナが過去に飛び、火事を回避してサムの知らない場所で生き延びたとしても…年齢的に合いません。

後付けで都合の良い設定に変えてくるという本作の特性を最大限に考慮し、仮に「幼い頃の姿で未来にジャンプする事ができた!」だったとしても…自分の娘が入れ替わっていたら気付かないはずもない。いや…待てよ…。

『娘ジェナの身体に、妹ジェナの精神だけがジャンプした』とかだったらもうお手上げですし、『胎児の段階まで過去に戻った末に、リズの母体内にジャンプした!!』とか言われたら屁しか出ません。

こういう「設定変更ありき」の話になると際限がありませんな…。

妹ジェナが未来にジャンプした姿

これもまた無茶苦茶な理屈になりますが…

火事で部屋に閉じ込められた妹ジェナが、その部屋からジャンプ。追い詰められる事でよくわからんけど未来に飛べた…てな感じはいかがでしょう。

アレが実はリズが生んだ子ではなく、養女として引き取られてきた娘だった…とかなら、アリかもしれませんよ。…私は違うと思いますけど。

娘ジェナが未来からジャンプしてきた

私が最初に感じた真相はコレでした。

1でもそうでしたが、どうやら過去へのジャンプ能力は遺伝する事があるようです。サムとジェナが共にジャンプ能力を持っていたというのも遺伝の関係かもしれません。

という事は、娘ジェナがサムからジャンプ能力を受け継いでいる可能性も考えられます。

これから先、彼女がどんな人生を送る事になるのかは知りませんが…将来、成長してから自分にジャンプ能力がある事を自覚し、なんらかの理由であの時点に戻ってきた…と。

「なぜ人形を焼いたのか?」という点に関しては、単純に頭がアレな娘なのか…、過去に父(サム)が叔母(ジェナ)を火事で焼き殺したという事実を知ってしまったからなのか…、憶測しかできません。

君のため…か?

なにはともあれ、名作『バタフライ・エフェクト』のイメージをどん底まで突き落とした二作目のクソっぷりから、どうにか楽しめるレベルに挽回した…という印象の『映画/バタフライ・エフェクト3』

冷静になって観てみると、ややグロ強めのB級映画…といった感じですが、いったん2を挟んでくれたおかげで好印象があります。順番って大事ですな。

ところで…

予告編などで『君のためなら、何度でも過去に戻る』という初期作のキャッチコピーをそのまま受け継いでいる本作ですが、レベッカのために戻ったのは1回きり…。それ以降は全て「レベッカが殺された後」に「真犯人捜しのため」に過去に戻っているだけなので…決して『君のため』に戻ってるわけじゃないような気が…。