映画『プレステージ』結び方?ちょっと何言ってるか…

今回も「ちょっと古い名作を観返そう運動」の流れで選んだ1本、『映画/プレステージ』です。初見時は単純に「面白いっ!」という感想だったのですが、何度も観返してみるといろいろと考察しがいのある奥深い作品でもありました。

・・・が、有名な映画という事もあり、正統派の考察やら解説やらは腐るほど溢れていますので…ちょっと違った方向からアレコレと戯言を垂れ流してみようと。

プレステージ
(原題:The Prestige)


2006年 アメリカ

主なキャスト:

クリスチャン・ベール
ヒュー・ジャックマン
マイケル・ケイン
スカーレット・ヨハンソン
レベッカ・ホール
パイパー・ペラーボ
デヴィッド・ボウイ
アンディ・サーキス

監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン、クリストファー・ノーラン

ネタバレ無しのあらすじ

19世紀末、ロンドン。

二人の若き奇術師、アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)は同じ師の元で修行を積む仲であった。

しかしある時、助手を務めていたアンジャーの妻ジュリア(パイパー・ペラーボ)が、水槽脱出マジックに失敗してステージ上で亡くなってしまう。そしてその原因はボーデンが結んだロープであった。。。

その事故をきっかけに二人は決裂。互いに独立し、対立していく事となったのだが…

やがてその因縁は、恐ろしい事態を引き起こす事に。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

とにかく豪華。あっちを見てもこっちを見ても魅力的かつ馴染みのある俳優ばかりなので、このキャスティングだけでご飯三杯食えそうです。

主演の二人はもう言わずもがな。ヒュー・ジャックマンクリスチャン・ベールという二大巨頭は抜群の安定感です。もう私などがアレコレ言う必要もありません。

それよりもハァハァするのは、水槽脱出失敗で早々に亡くなってしまうパイパー・ペラーボ。かなり好きな女優さんなので出番が少なめなのが惜しまれます。

スカーレット・ヨハンソンも演技は素晴らしいと思うのですが、顔がちょっと個人的に好みではないので…こことパイパー・ペラーボが交換だったら嬉しかったなぁ・・なんて。

それ以外にもマイケル・ケインデヴィッド・ボウイレベッカ・ホールなどなど…

やはりこのくらいの時期の映画作品って、しっかり金をかけて作っている感がありますね。

ここからネタバレを含むよ!!
まずはありきたりな話をちょろっと…

ベタなトコをちょっとだけ

この映画の最大のどんでん返し(として用意されている)、『ボーデンは双子で一人を演じて生活していた!』という部分。

結末を知ってから観返すと「おお、ここは!」「これも!?」と、それを示唆するセリフや演出がこれでもかと盛り込まれているのですが、初見で全くわからないうちは「ボーデン、なんか軽薄だなぁ。。。」と思ってしまったり(笑)

何度も繰り返される「ジュリアに施した結び方」についてボーデンが「覚えていない」と繰り返すのも、もう一人のボーデンがやっているからであり…愛していたり愛していなかったりも、二人だから…という。

少々ツッコミどころはありますが、よく練られたシナリオと演出が素晴らしいです。

顔は同じでも性格の違いがしっかり作られており、そのあたりも面白い。

えーと、サラ(妻)を愛しているほうをサラボーデンとし、オリヴィアを愛しているほうをオリヴィアボーデンとすると…

マジックに対する熱意が強く、若干はっちゃけた性格をしているのがオリヴィアボーデンで、保守的で真面目なのがサラボーデン。このへんは女性の好みにも表れていますね。

ジュリアを二重結びにしたのはオリヴィアボーデンで、先に指を失ったのはサラボーデン。そしてアンジャーに捕えられたのはサラボーデンで、最後に吊るされてしまったのがオリヴィアボーデン・・・。もうわけわからんです(笑)

何度か鑑賞していると、細かい部分でも「ここはどっちだ!?サラボーデンか?オリヴィアボーデンか?」と考えるのが面白いです。2~3回くらい見ると雰囲気でどっちか見当がつくようになりますので、そのへんはクリスチャン・ベールがしっかりと演じ分けていた…という事なのでしょう。さすが。

ここからちょっと脱線だよ!!(笑)

テスラvsエジソン

作品中で「物体(生物)をコピーする装置」を発明してしまった二コラ・テスラ。皆さんご存知の通り、彼は実在の人物です。

二コラ・テスラ

もちろん映画のような「物体コピー装置」は発明していませんが、我々が家庭用コンセントで使用している『交流電流』も彼の発明です。

そしてこの映画でも何度か名前が出てくる発明王、トーマス・エジソンにとっては後輩のような存在になります。

エジソン同様、幼い頃からバリバリの天才発明家っぷりを発揮していたテスラは、すでに発明家として有名だったエジソンの会社に入社。『直流電流』派だったエジソンに対し、「いやいや、電気っつったら交流でしょ」と真正面から喧嘩を売り、結局1年経たずして退社。

その後は『電流戦争』と呼ばれるえげつない妨害合戦でバチバチと火花を散らしていくのです。

トーマス・エジソン

そもそもこのエジソン、その発明の貢献から「偉人」として挙げられていますが、彼にまつわるエピソードを聞くとちょっと人としてはアレな感じが…。

件の「直流vs交流」に関しても…「うちの工場の機械を交流で動かせるもんなら動かしてみ!もしできたら5万ドルをくれたるわ!」とテスラに言っておきならが、実際にテスラが動かしてしまうと「ぐっ・・・アレは冗談だ!」と言い訳。

それもあってテスラが退社した後も、「交流は危ないんじゃ!ほれ、交流電流を使うと処刑椅子が作れちゃうんじゃ!」と、動物を交流電流で殺してネガティブキャンペーンを展開するなど…大人げないというか、面倒くさいというか…。

この『テスラvsエジソン』の泥沼の戦いは『アンジャーvsボーデン』の妨害合戦にもカブる部分があり、そのへんも奥深い映画です。

真面目な作品ですので…

時系列が行ったり来たりするのでやや混乱する感じの作りになっていますが、しっかり前後の理由付けがされているので「あっちこっち飛びすぎてわからんっ!」となるほどではないのも上手でした。

最初にこの映画を観た時、常にもさーっとした雰囲気で目立たないファロンに対し、

なんにも喋らないヒゲメガネのクセに、なんでこんなに重要っぽいキャラになってんのよ…

とか思いましたが…重要キャラだったんですねぇ(笑)

特に「なんじゃそりゃ!」とツッコめるような要素も少なく、バカな戯言を描くには難しい「正統派の良作品」です。

あえていつものノリで書くとすれば・・・

ジュリアが死んで悲しみにくれるアンジャーが、ボーデンに対し「どう結んだ!」と問い詰めるシーンで

「亀甲縛りだっ!」

と誇らしげな表情で答えて欲しかったです(笑)