映画『フレイルティー/妄執』予測できるのに予想できない!

やや古めの作品ですが、今回の1本は『映画/フレイルティー 妄執』です。ネタバレありの解説になりますので、まだ観ていない方は途中まででくるっと引き返す事をオススメします。

古い作品だけに「まぁそうなるだろうね」と先が読める展開が続く映画ですが・・・最後の最後で「そういう映画だったのか!?」と言いたくなるようなオチがありますので。

フレイルティー/妄執
(原題:Frailty)

2001年 アメリカ

主なキャスト:

マシュー・マコノヒー
ビル・パクストン
パワーズ・ブース
マット・オリアリー
ジェレミー・サンプター

監督:ビル・パクストン
脚本:ブレント・ヘンリー

ネタバレ無しのあらすじ

「神の手」を名乗る連続殺人犯を追うFBI捜査官ドイル(パワーズ・ブース)のもとに、フェントン・ミークスと名乗る男が現れ「犯人を知っている」と告げる。

彼曰く犯人は弟アダム・ミークスで、すでに自殺しているとのこと。

半信半疑で供述を聞くドイル捜査官に対し、フェントンは「弟が殺人鬼となった理由」でもある、少年時代の思い出を語りだす・・・

注)動画は予告編ではなく本編一部カット版(異国語字幕)となっています

キャストで戯言

なにせ20年近く前の映画ですので、現在売れ売れの俳優などは出演していませんが・・・往年の名俳優がしっかりとキャスティングされています。

フェントンの父親役は、もう説明不要のビル・パクストン。出演作品も多く、映画好きなら一度は顔を見たことがある俳優です。この映画は監督も彼なんですね。

ドイル捜査官役、パワーズ・ブースも「ああ・・・なんか見たことある」という方も多いかと。

そして現在のフェントン(ここはちょっとイロイロあるのですが、とりあえずそう記述しておきます)はマシュー・マコノヒー。彼もかなり有名ですね。

私は「俳優追い」で映画を選ぶ事が多いのですが、以上三名は特に思い入れもなく…オマケです。

この映画を選んだ理由は「少年時代のフェントン」を演じる、マット・オリアリー。彼を見るために選んだのですが、ここまで若いとは思いませんでした。子役じゃないですかっ(笑)

たしかに製作年を考えればそうなってしまうのですが・・・予想外の幼さに、なんとも複雑な気分です。


ここからネタバレを含むよ!!

幸せから一転、殺人ファミリー

この映画は大半が「フェントンが語る少年時代」で展開されます。ちょいちょい現在に戻るものの、それはあくまで味付け程度。

しかし・・・ドイル捜査官とのやりとりはただの演出かと言うとそうではない。現在として描かれている部分も、しっかり後ほど生きてくるのが素晴らしいです。

そしてフェントンが語りだす少年時代・・・母親はいないものの、愛のある父親と三人で暮らしている姿はとても微笑ましいものでした。

ところがどっこい、不意に訪れるヤバい展開。夜に子供を起こし、目を輝かせる父の口からは…

天使が来たっ!!神に選ばれた!悪魔を滅ぼす使命を受けた!

という、完全にあちらの世界にイッちゃった人のお言葉です(笑)

そのうち貰えるらしい・・・と言っていた「悪魔を滅ぼすための武器」も、明らかに猟奇殺人者的な斧。さらに手袋もセットです。うん、指紋とかヤバいもんね。神もしっかり考えてるね。

そこからはもう「子供を巻き込むサイコな殺人鬼パパ」が全開です。

このへんの展開が偉い人にダメ出しをされたらしく、PG-12指定の映画となっています。小学生以下のお子様は、保護者同伴で観ようね!

先が読める展開

わりとベタな展開が多くある本作ですので、先が読めてしまう方も多かったのではないでしょうか。

少年時代の最後、フェントンが父のほうに斧を振るのは…もう見え見えの展開でした。

そしてその後、ドイル捜査官と話していたのはフェントンではなく、実はアダムだった・・・というのも早くから予想できる展開です。

・・・が、「実は連続殺人はアダムではなく、フェントンがおこなっていた」というのは予想できませんでした。

ほほう、そうきましたか。

単に「実はアダムでした。ドイル捜査官も殺られました」という、ありきたりなサイコ作品で終わると思っちゃいましたよ(笑)

しかし・・・そこからさらに追加でぶっ込んできます。

ドイル捜査官自身が、母殺しの犯人だと!?

おおおー。このへんから目がシャキッとしました。ちょっと眠くなる展開だったので、これは助かるなぁ・・・って、なに!?なに!?アダム、サイコメトラーなの!?(笑)

先が読めない展開

ヤバいです。アダムには本当にドイル捜査官の罪が見えるようです。

そして少年時代に父親が行っていた殺人も、本当に悪魔・・・すなわち非人道的な犯罪を犯している人間だった!という衝撃の事実が。それもアダムには子供の頃から見えていたようです。

え!?つまりこの映画は…

『頭のおかしい父親と、その影響でシリアルキラーになった男の話

ではなく…

『神に選ばれし親子の悪魔退治の話』

だった…って事ですか!?なんだそれっ(笑)

その後、最後の最後。保安官事務所が映った時は「あー、アダムは保安官だった…ってヤツだろ?」と思ったら、案の定保安官でした(笑)そこはベタでしたね。

信仰はほどほどに

とにかく想定外の場所に着地してくる作品ですので、古臭さやベタな展開を良い意味でぶっ壊してくれる面白い映画でした。

なお、ちょろっとしか出てきませんが「大人になったフェントン」はかなりイケメンでしたねぇ。

彼はリーヴァイ・クライスという音楽家の方らしいですよ。

で、実際のフェントン(マット・オリアリー)はどんな大人になったかというと・・・あのまんま、ヘチマのような雰囲気の中途半端なイケメンになっています(笑)

大人になったフェントン(マット・オリアリー)が出演している、比較的新しめでマニアックな映画はコレだ!

そしてこの映画を観ていて強く感じたのが、神や信仰の怖さです。

私は宗教や信仰に対して否定的な感情はありませんし、私自身も信仰を持っています。その人にとって価値のある信仰であれば、とても良い事だと思います。

・・・が、常々感じているのは、信仰って「妄信」や「狂信」になりがちだよなぁ・・と。

こと宗教って、話の通じない人が多いじゃないですか。自分側の理屈だけで相手まで推し量ろうとしたり。

そういうトコは大嫌いなんですよね・・・。

この作品での父親も、それはもう「狂信者」のような押し付けっぷりが嫌でした。彼は本当に神に選ばれていましたし、彼の信仰では正しい事だったのでしょうが・・・その信仰を持たない人にとってはやっぱり「間違っている」なんですよね。

そういう意味でもイロイロと考えさせられる映画でした。

うーむ、古臭い映画だとおもったのに、なかなかやりますな・・・。