変な映画や難解な映画は数あれど、これもそんな1本『映画/キュア~禁断の隔離病棟~』でネタバレと超個人的な考察・解説を含む戯言を。
ウナギ、不老不死、前歯、その他諸々の『謎・疑問』について触れていますが、所詮変人の戯言ですので適当に読み流すのがよろしいかと。
キュア~禁断の隔離病棟~
2016年 アメリカ・ドイツ・ルクセンブルク
キャスト:
デイン・デハーン
ジェイソン・アイザックス
ミア・ゴス
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:ジャスティン・ヘイス
ネタバレ無しのあらすじ
大企業の金融マンとして働くロックハート(デイン・デハーン)は、スイスの療養所へ行ったきり戻らないペンブローク社長を連れ戻すよう命じられる。
そこは一見、環境の良い富裕層向けの療養所だったが、その陰には恐るべき秘密が隠されていたのだった…。
・・・といった流れでウナギが大活躍する謎作品。
キャストで戯言
主演は『覇気のないディカプリオ』に見えたり『美形なMr.ビーン』に見えたりするデイン・デハーン。
女性陣から非常に人気のある俳優ですが、彼のドコがそんなにモテ要素なのか私にゃさっぱりわかりません。
そんな彼が向かった先の療養所で出会う、ちょっぴり頭がアレな少女ハンナ役はミア・ゴス。
あのシャイア・ラブーフとくっついたり別れたりを繰り返したのち、ラスベガスで嫌な予感しかしない結婚をしたものの、やはりたった2年間(2016~2018)で破局でした。
その療養所の所長、そして実は〇〇の〇〇〇だったヴァルマーを演じるのは名俳優ジェイソン・アイザックス。
『映画/ハリーポッター』シリーズや『映画/アルマゲドン』、その他超有名映画に数多く出演している名優なのですが、なんとなーく地味な印象があるのはわしだけ?
難解謎作品
これを読んでいる方はこの映画に関して、すでに数多くの考察・解説ブログなどに目を通してきたのではないかと。それでも腑に落ちないからこんな場末の映画ブログまで流れてきたのでしょう。お疲れ様です。
・・・で、この映画についての考察・解説って『他ブログのコピペ』もしくは『言い回し違うだけで同じ内容』が多くありませんでした?
私もぺらーっと他の考察系ブログを眺めてみたのですが、笑えるほどにパクりだらけ。謎として挙げるポイントやその答えはもとより、勘違いや誤解している部分までそのまんま同じという(笑)
まぁ『ミッドサマー』に『シャッターアイランド』の雰囲気を混ぜて『エヴォリューション』で包んだような作品ですから、他人の考察をパクってごまかしたくなる気持ちはわからなくもないですが。
それ以前に最近は『自分では鑑賞せず他人の考察を寄せ集めて書く』というインチキ映画ブログがやたらと増えてきていますし…。
ギブスの謎
…というわけで、世の映画ブログ書きがパクリに逃げるような作品は私だって気が重いですよ。
ただでさえ人によって解釈が異なる内容なうえに、肝心の『映画としての完成度』が低く、余計な要素や足りない要素も多すぎる。
ただ単にその映像美だけを楽しむならば大いにアリですが、細かい部分に理由や答えを見出そうとすると一気にドツボ。
とりあえず、
・ヴァルマー所長は過去にこの領地を治め、純潔にこだわって妹と結婚し、民衆に焼かれたフォン・ライヒマール男爵その人。
(注:彼を『バロンという名の男爵』と書いている方がやたら多いですが、『バロン』は名前ではありません)
・ハンナは民衆の手によって捨てられた赤子。すなわちヴァルマー所長の実の娘。
・二人はその土地の水とウナギのアレコレによって精製された不老不死の薬を摂取し、長年生きながらえてきた。
…までは居眠りしながら鑑賞しても理解できるのでOKでしょう。
しかし私はそんな事よりも、
どうしてギブスをしたままで、そんな細いズボンを履いたり脱いだりできるのか
が気になって仕方がない。
パンツ一丁になれば素足にギブス。スラックスを履けばスラックスの上にギブス。ギブスを切断した際は「右足は腿までのズボン」になっていましたが、そもそもそれをどうやって履いたのか。
まずこの『奇怪なギブス』の謎を解かんことには、社長がどうとか考えられんのですよ。
ラストの前歯の謎
個人的にはめちゃくちゃ気になるギブスの謎ですが、どうやら私以外ソコに食いついている人はいないようですので、映画としてはどうでも良い部分なのでしょう。
ではちょっと真面目に。
途中の細かい部分は長くなりすぎるので割愛し、最後の最後に焦点を絞って考察してみましょう。
ロックハートの前歯が元通りになっている
…の件です。
ちと暗くてわかりづらいですが、たしかに元通りになっていますな。さらーっと考えて4通りの解釈が思いつきました。
- 不老不死の効果。
- VFX処理の忘れ。もしくは怠慢。
- 牛乳に漬けてた歯を入れた。
- そもそも現実ではなかった。
①の『不老不死のエキスによる効果』はどうでしょう。町へ降りた際、ロックハートはハンナから”ビタミンという名の不老不死エキス”を飲ませてもらっています。
しかしヴォルマー所長の火傷は治らないのに、ちょっと舐めた程度で欠損した歯(しかも永久歯)が再び生えてくるとは考え難い気も。
では②。さすがにデイン・デハーンも馬鹿正直に前歯を抜くわけにはいかなかったようで、欠損した部分はVFX処理でした。
単に処理を忘れた…ってのはマヌケですが、前歯の件が物語においてそこまで重要な要素でないとすれば、ここでの処理を不要としたり忘れるのも十分ありえるのではないかと。
③、途中で抜けてしまった歯を『じゃあ牛乳に漬けておきますね♪』とサラッと言った看護師に「なんじゃそりゃ!」となった方もいるかと思いますが、
『歯の根元にある歯根膜を乾燥から守るため、体液に近い浸透圧の牛乳に漬けておく(と、元に戻せる可能性が高まる)』
という、知っている人には常識のウソみたいなホントの話があるのです。
あのやり取りはここで歯が復活するための伏線だった!!…ってのはどうです?あれ、ダメですか?まぁたしかにアレは前歯じゃなかったし…。
そして④。
ロックハートの母親が言っていた『夢の中とは気づかずに踊り続けるバレリーナ』はまさにロックハートの事、一連の出来事は彼が体験した妄想であり、彼こそ精神を病んでいるのであった…という、いかにもっぽい解釈ですな。
たしかに、劇中には明らかに妄想の出来事(間取りが変わる蒸し風呂、タンクのウナギ、ウナギ風呂のハンナ、等)がありますし、それ以外でも不可思議表現が多々あるため、この『ロックハート妄想説』を支持する方も多いと思いますが…うーむ、私はコレはないと思うんですよね…。
なおその理由として『死んだはずの所長が、炎に包まれる院内で呆然としている』を挙げている方がいましたが、あれは所長じゃなくて側近の人。まぁ似てるっちゃー似てますけど…。
超個人的な戯言感想
いやいや無理ですよ。グダグダと長文にせず、サクッと読めるボリュームで戯言を垂れ流すのがココ、映画で戯言三昧の主義ですから。この映画は書くこと多すぎてサクッとでは済まされません。
しかしぶっちゃけ、私はこの映画をそこまでこねくり回す必要はないとも思うのです。
物語の構成と表現が乱雑なため、アレコレと考察して勝手な解釈をつければいくらでも奥深く掘り下げる余地がありますが、それはこっち(鑑賞者)が勝手に広げているだけの話なのでは…と。
まぁわかりませんけどね、所詮戯言ですから。
とりあえず超個人的には『あらすじは悪くないのだから、もっと洗練してくれ』というのが正直な感想。ぶっちゃけこの仕上がりではもったいない映画でしたなぁ。