【当ページには広告が含まれています】

今回の1本は好きな人も多いループ系の作品、『映画/ハウンター』です。しかしこのループってのは危険なシロモノでして…ツボにハマれば「めっちゃオモロー!」となるものの、一歩間違うと「クソ映画」にもなってしまう諸刃の剣。

その点、このハウンターは…うーむ、どっちとも言えない微妙な感じでした。。。

ハウンター
(原題:Haunter)


2013年 カナダ

主なキャスト:

アビゲイル・ブレスリン
ピーター・アウターブリッジ
ミシェル・ノルデン
ピーター・ダグーニャ
エレノア・ジィシー
スティーヴン・マクハティ
デヴィッド・ヒューレット

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本:ブライアン・キング

ネタバレ無しのあらすじ

16歳の誕生日の前日、リサ(アビゲイル・ブレスリン)は弟ロビー(ピーター・ダグーニャ)に起こされて目覚める。

一見なんの変哲もないありふれた一日。家族のだれもがごく当たり前に過ごす休日だが、リサだけは「この同じ日をずっと繰り返している」と感じていた。

家族に訴えても理解してくれない。庭の外に出ようとしても、なぜか家へと戻ってしまう。

いったいどうなっているのか?一人調べるうちに、リサは驚愕の事実にたどり着くのだった・・・。

・・・といった内容の作品。

『映画/CUBE』

とにかくこの映画の話になると真っ先に出てくるネタは、監督であるヴィンチェンゾ・ナタリ。彼は『映画/CUBE』の監督として有名です。

『CUBE』は非常に人気のある作品ですので、そこからこの映画にたどり着いた方も多い事でしょう。

しかし・・私個人としては『CUBE』は全然面白くないクソ映画でした。。。いや、決して面白いと言っている方がおかしいとは思いませんよ。映画の感想って人それぞれ違いますから。

彼の作品の中では『映画/スプライス』や『ドラマシリーズ/ハンニバル』のほうが私としては高評価です。(ハンニバルはシーズン2からおかしな方向にいっちゃいましたけど・・・)


ここからネタバレを含むよ!

あらやだ、わりと斬新

ループ系は数あれど、その中身も多種多様。この『映画/ハウンター』は「ループ+ホラー+ミステリー」な感じです。

そしてリサは「ループしている事に気づいている」という設定です。

おそらく作品中では描かれていない部分として「あれ?この日って、昨日と同じじゃない?」という事があったのでしょう。それに気づいてから何度目の朝なのかわかりませんが、冒頭からすでに彼女はうんざりモードになっています(笑)

ループ系映画は物語が進むことで「ループしてる!?」と、登場人物(と鑑賞している人間)が気づく作品が多いので、このへんはちょっと目新しい感じがしました。

そして数多くの映画で驚愕のどんでん返しとして使用されたりする「実は主人公はすでに死んでいた!」という事実も・・・この作品では特に驚き要素とせず、割と早い段階でしれーっと普通に流し込んできます。まるで当たり前のように(笑)

むしろ「ちょ・・せっかくの驚き要素なのに、そんな使い方もったいないっ」と思うくらいのスマートさです。

中盤以降はもっさり

「同じ日をループしている」「リサ達はすでに全員死んでいる」という大事なポイントを、余計な説明無しで早めに盛り込んでくるのは、そこからがこの映画の本番と言えるからでしょう。

しかし・・・肝心のそこからが、なんと言いますか・・・ちょっとダルいです(笑)

少しづつ謎が明らかになっていくにつれ「同じ日」とは言えない展開になっていく部分は面白かったのですが、種明かしを早々にやってしまったせいで「作品全体に漂う低予算っぽい空気」が目立つようになってしまい…もはや予想できる展開を狭い範囲でダラダラと続けているだけ・・・にしか感じられませんでした。序盤が斬新だっただけにちょっと残念です。

普通の映画であれば、幽霊の助けを借りて犯人を追い詰める…といった展開が多いなか、この映画は「その幽霊側の目線で作られた作品」ですので、ほんと目新しいというか斬新というか、面白くなりそうな食材なのですが・・・なんでしょう、もったいない。

最終的にはハッピーエンドで終わりますので気分は悪くないのですが、そこはそこでちょっと気になる点が残ります。

オリヴィアはまだ生きているから普通にハッピーエンドで良いとして、リサ達は・・・あそこからどうなってしまうのでしょう。

なんか家族全員で幸せそうな雰囲気ではあるものの、結局死んでいるわけですから・・・幽霊って歳とるんでしょうかね。ずーっとあのまま、幽霊として4人であの家で暮らしていくのも、ループしていたのとあまり変わりない気がします(笑)成仏とか、そういう話になっちゃうとまた面倒な話になってきますし・・・。

とりあえず余計な事は考えずに「まぁ幸せそうだし、良かったね」としておくのが良いのでしょう。

ここからは映画の内容とは関係ない戯言だよ!

あの日をループ!

それにしても「ずっと同じ日をループ」って、どうなんでしょうねぇ。

今日はわが人生で最良の日だっっ!!

と思えるような日をループするのであれば、それはもう普通に生きてるよりも幸せな気もします。

私の人生で思い返してみるならば・・・「高校時代、ずっと好きだった子に告白してOKしてもらえた日」「バイト先の可愛い後輩と二人きりで飲みに行った日」、さらには「友人の付き合いでおっぱいパブに行ったら変にモテて、その後おいしい思いができた日」なんかがループしてくれたら、もう絶対に謎解きなんてしません。甘んじてループし続けます!(笑)

しかし・・・「高校時代、ずっと好きだった子に告白してOKしてもらえたのに、その3ヵ月後に『やっぱり好きになれなかった』とか言われてフラれた日」「バイト先の可愛い後輩と二人きりで飲みに行ったものの、あまりの可愛さに何もできずに帰宅した事を悔やんで泣いた翌日」、さらには「おっぱいパブでモテておいしい思いはできたものの、なんかもらっちゃって泌尿器科へ行った日」がループしたりしたら・・もう絶望です。もはや謎解きをする気力すら湧きません。

怖いですね、ループ。

もし私が死んだ後、同じ日に閉じ込められるとしたら・・できるだけ楽しい日になる事を願うばかりです。

まぁ私なんかを同じ日に閉じ込めてコレクションする変態はいないと思いますけど(笑)