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なかなか面白いにもかかわず、なぜか不遇が重なり無名作となってしまった『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』でネタバレ&あらすじ&戯言。興行が上手くいき、続編が出れば巻き返せたのではないか…とも思いますが、今は主演アントン・イェルチンのご冥福を祈るばかりです。

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主


2014年 アメリカ

キャスト:
アントン・イェルチン
アディソン・ティムリン
ウィレム・デフォー
ググ・バサ=ロー
アーノルド・ヴォスルー
マシュー・ペイジ
アシュリー・ソマーズ

監督:スティーヴン・ソマーズ

原作はディーン・クーンツの小説『オッド・トーマスの霊感』

つかみのあらすじ

ダイナーで働くオッド・トーマス(アントン・イェルチン)20歳。

母から遺伝した能力で『死者』が見える彼は、ボダッハと呼ばれる悪霊も見える。コイツが現れるのは惨劇が起こる前兆。

ある日、ありえないほど大量のボダッハが町に集まってきているのを目撃したオッドは、恋人ストーミー(アディソン・ティムリン)と署長(ウィレム・デフォー)の助けを借りつつ、未曽有の大惨事を防ごうとする・・・。

キャストで戯言

主演はアントン・イェルチン

彼は2016年、自宅にて事故(とされている)によりこの世を去ってしまっております。素晴らしい役者だっただけに非常に残念。

そして恋人役はアディソン・ティムリン

演技は少々大根ぎみなものの、実に可愛らしい女性ですな。

彼女の魅力にヤラれてしまい、もう頭に箱をかぶせてみたり、狭い箱に入れて自宅監禁してみたくなった方は『映画/ガール・イン・ザ・ボックス』を見ましょう。イケナイ願望が叶いますぞ(残念ながらお色気はほぼ無し)

さらに「どうしてここに彼?」と疑問を感じる役どころで名優ウィレム・デフォーまで。

クセのある演技が魅力的の彼ですが、今回は”物腰柔らかく善人の署長”という珍しい位置で・・・まぁこれはこれでほっこりしますな。

とにかく重要人物から脇役まで、これでもかと言うほど美男美女ばかり(ごく一部例外あり)で埋めており、絵ヅラ的にはとても華やか。

ダイナーで働く同僚役のググ・バサ=ローもセクシー&キュートでわしゃ大好物。

ついでに・・・

冒頭に登場するまったくセリフのない美少女ペニー・カリストですが、なんとスティーヴン・ソマーズ監督の実の娘だったりします(アシュリー・ソマーズ)。

監督(父親)は本作での彼女の演技を大絶賛したそうな。

・・・・いやぁ、親バカってのは万国共通なんですなぁ。


不遇の名作

面白いと思うかどうかは人それぞれではありますが、比較的評価の高いこの『オッド・トーマス』という映画。

しかし本国では制作会社の裁判沙汰により公開が遅れたうえに規模縮小。

日本でも劇場公開はほんのちょっぴり、さらにあの『TSUT〇YAだけ!』というレンタルマニアにとっては『クソ作品(の危険性あり)だよ!』も同然のマークを付けられてしまったために、知名度は極低。

原作小説はシリーズものなので、興行的に成功していれば続編も期待できたのですが・・・残念ながらそんな話がないまま、主演のアントン・イェルチンまで亡くなってしまうという。

もう完全に”知る人ぞ知る映画”になってしまったわけですな。

インターネットによるVODサービスの普及で、ようやく人の目につく場所に現れた、と。

そんな不遇な映画だったり。

ツッコミ

設定としては”他の人に見えないもの(霊)が見える”という、ありがちな能力を持った主人公オッド。

その手の作品ではたいてい『能力を使って人を救っても他人には理解してもらえない』というのが定番なのですが、本作のオッドには見ていて悔しくなるほど全面的に彼(とその能力)を信じているプリティーな彼女。さらに彼(とその能力)を全面的に信じ、組織まで動かしてくれる警察のお偉いさん。もはや私なんかよりもよっぽど人から信用されているじゃないですか。羨ましいったらありゃしない。

映画としては『軽いオカルト』に『軽いコメディー』を混ぜ、『軽いアクション』を振りかけて『軽い感動モノ』に仕上げるという『軽いもの全部乗せラーメン』のような作品ながらも、全体のバランスは決して悪くない。

そして良くも悪くもストーリーまで軽い。

オッドの能力はあっさりと親しい人間に受け入れられており、とことん信頼されまくる展開で『起こるであろう大惨劇』まで一直線。誰もが予想通りだったであろう人物が犯人となり、半分くらいの人が予想できたであろう悲しいエピローグへと着地。

序盤から使いまくるVFXも物語が進むにつれて過剰になり、なぜかヘタクソな合成の教会鐘楼や、ラストの大爆発などは嘘くさすぎてもはやギャグ。

展開もツッコミどころだらけで「それおかしくね?」と思う部分が山ほど溢れかえっていますが・・・まぁこのくらいのほうがゆるい映画ファンにはウケが良いのでしょうなぁ。尺も100分弱と軽めですし。

超個人的な戯言感想

…というわけで。

世間的には高評価が目立ち、中には「今まで見た中で1番の名作!」などと言っている方もいる『映画/オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』

その方が果たしてこれまで何本の映画を見てきたかは知りませんが、あくまで私個人としては『アレにもコレにも目をつぶり、ただただお気楽な気分で見るならば…アリか?』といった感想。

やはり登場人物みな美男美女というのは目に優しいですし、知っている俳優が多く出演しているというのは加点要素。アレな脚本とコレな演出を相殺しても、プラスの評価で良いかな…と。

強いて言うとすれば、くだらない戯言に持ち込めるようなポイントが無かったことくらいでしょうか。うーむ、こういう作品は書くことなくて困りますわい。