さぁさぁ、もう見る前から「絶対クソつまらないB級映画だろ!」という雰囲気プンプンの『映画/ザ・サスペリア 生贄村の惨劇』がやってきましたよー。
しっかりと期待を裏切らない仕上がりとなっていますので、どうぞご堪能下さい。穴神様。
ザ・サスペリア/生贄村の惨劇
(原題:Jug Face)
2013年 アメリカ
主なキャスト:
ローレン・アシュリー・カーター
ショーン・ブリジャース
ダニエル・マンチ
ラリー・フェセンデン
監督:チャド・クロフォード・キンクル
脚本:チャド・クロフォード・キンクル
ネタバレ無しのあらすじ
森に囲まれた、とある小さな村。
そこでは「これ、わりと最近掘ったばかりだよね?」と言った感じの雑な穴を信仰対象とし、生贄を捧げる事で加護を得られると信じられていた。
なにやら村の陶芸家がツボを焼くと、そこに次の生贄として選ばれた人物の顔が浮かび上がるという話。
…というか明らかに陶芸家が切ったり盛ったりして顔を作っている気がするものの、そんな事を言ってはいけないのです。
村に住むエイダ(ローレン・アシュリー・カーター)も次の生贄として選ばれてしまうのだが…
・・・といった内容を、よくわからない風習とよくわからない展開でダラダラ見させられる作品。
注)動画は予告編ではなく、本編一部カット版になります。
穴神と人面ツボと結合
とにかくよくわからない風習に囚われた小さな村。…とくれば、思わず『映画/ヴィレッジ』が思い浮かびますが…金も脚本も俳優もあっちと比べちゃいけません。なんてったってこっちのメインは…
穴神様!(笑)
どう見ても撮影直前に掘ったよね?といった感じの、出来立てホヤホヤの肥溜めが神です。ここに生贄の血を捧げるとアレとかコレとかで守ってもらえるうえに、底に溜まった汚い水をパシャパシャすれば病気まで治るという万能っぷり。
そしてその生贄を決めるのは村の陶芸家が焼いたツボ。その名も『人面ツボ』(笑)、これに顔が浮かび上がった者がネクスト首チョンパに決定です。
しかしよくあんな『リアル感もクソもない造形』で誰なのか判別できますなぁ。
作品中でもドワイ(陶芸家)がその風習を悪用し、エイダの結合相手を生贄として陥れたりしていますが……ん?結合?そうですよ、この『結合』という風習もなんと言いますか…。
本人たちの意思とは関係なく婚姻関係が結ばれる、ってのは閉鎖された村だけに限らず珍しい事ではないのですが、そこに『結合』という単語を当てるってどうなんでしょう(笑)
もちろんこの結合というのはアレな意味でもありますし、互いの家族が親族として結合するという意味合いも含んでいるようなんですけどね。…うーむ。エイダの行為や妊娠も含め、どうも作品全体に漂う「変にリアルなシモ系のニオイ」が鼻についてちょっと…。
さらりとした結末
さてさて、えらくチープな『謎の風習をもつ集落スリラー』の流れのはずが、不意に『よくわからない原住民系男子』が現れ、『よくわからない映像演出』が差し込まれたあたりからカオス感は加速。
生贄になる事を避けようとしたエイダの行動でポンポンと人が死んでいき、巻き込まれた陶芸家はグダグダしたり頑張ったりしつつエイダの事が好きで、しかしエイダは最終的に生贄の運命を受け入れる事に。
いったいココからどう決着をつけるのだろうか?まさかコレで終わりじゃないよね!?…というコチラの心配をよそに、サクッとエイダは生贄にされてしまい、何かを想いながら佇むドワイ(陶芸家)の引きで映画は幕を閉じます。
・・・・・え?
これはアレですか?この先彼はどうするのだろうか…とか、この集落はどうなるのだろうか…とか、そういう事をしみじみと考えろって事ですか?淡々としたバッドエンドに味わい深さを見出せって事ですか?
・・・・ごめん、わしにゃ無理(笑)
好きな人にはツボる作品なのでしょうが、どうにも合いませんでした。
世間ではヒロインであるローレン・アシュリー・カーターの『ワキ毛の剃り残しが見れる』などと喜ばれておりますが、残念ながら私はそっち系の性癖はないので嬉しくもなんともありませんし。
それよりなにより心に強く残ったのは物語終盤。エイダとドワイが共に倒木に縛られているシーンで、暗闇の中なぜか爺ちゃんを伴って現れた『見放された者(原住民系男子)』が、ハケる際にはしっかりと爺ちゃんを気遣って手を添えているのがシュールで笑えました(笑)
個人的な戯言感想
…というわけで、残念ながら鑑賞前の予想通りに『つまらないB級映画』となってしまった本作。
どうせなら『映画/ユニコーンクエスト 禁じられた森』のように、突き抜けたB級感で攻めてきてくれれば楽しいのですが…ヘンに正統派な作りになってしまっているせいで馬鹿な戯言を展開する隙もありません。
とりあえずいろんな意味で穴神様のインパクトが大でしたので、そこだけイジって楽しむのが良いかと。
もしくはあなたも自宅の庭に同様の穴を掘り、生贄を捧げたりしつつ楽しんでみても良いかもしれませんよ。