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今回はニコラス・ケイジ主演『映画/NEXT-ネクスト-』でネタバレを含む戯言。未来を予知することができる男の物語ですな。しかし彼が見えるのは「2分先の出来事」のみという、いまいち役に立つのか立たないのか微妙な予知能力なわけですが…コレがまた後半になると解釈に苦しむような流れになってしまうわけで。

…という事で、ネタバレと結末を含みますので未鑑賞の方はご注意下さい。

NEXT-ネクスト-
(原題:Next)


2007年 アメリカ

主なキャスト:

ニコラス・ケイジ
ジェシカ・ビール
ジュリアン・ムーア
トーマス・クレッチマン
ピーター・フォーク

監督:リー・タマホリ
脚本:ゲイリー・ゴールドマン、ジョナサン・ヘンズリー、他

原作はフィリップ・K・ディックの短編小説「ゴールデン・マン」

ネタバレ無しのあらすじ

「2分先の未来」を見ることができる能力を持つクリス(ニコラス・ケイジ)はその力を隠し、二流マジシャンとして暮らしていた。

そんな彼の脳裏に時折よぎる、美しい女性との出会いの映像。しかしそれが「いつの未来」かはわからず、ダイナーへ通ってはガッカリして帰る日々を送っていたのだが…ついに「その瞬間」は訪れた。

明らかに不審者っぽいノリではありながらも、無事にその美女リズ(ジェシカ・ビール)と親しくなる事に成功したクリス。

そのまま幸せな人生へ…と思った矢先、彼の能力に目を付けたFBIのカリー(ジュリアン・ムーア)が現れ、テロリスト捜査への協力を要請。というか強制。

果たして「2分先の未来」でテロリストを阻止できるのだろうか・・

なぜリズに関しては「2分先ではない未来」まで見えていたのだろうか・・

・・といった内容の作品。

キャストで戯言

さぁさぁ、みんな大好きニコラス・ケイジ。私も大好き…というほど好きではないのに、なぜか出演作品を大量に見てしまっているニコラス・ケイジの登場です。

あのー…いきなりですが、ニコラス・ケイジってルックス的にカッコ良い?

ヒーロー・イケメンポジションで登場するのは良いのですが…半分ハゲているうえに汚らしいボサ髪、青ひげの残る口元、全く顔に似合わないマッチョボディ。もうドコにイケ要素を見出してよいのかわかからないんだけど…。

それなのに『ジェシカ・ビールと恋に落ちる』という設定ですからねぇ。いやいや、それは無理がありすぎるだろうっ!と。

二人がダイナーで出会い、やがて彼女がニコラスを車に乗せていく事になった際に「平気よ。あなたは変質者じゃないから」とか言っていましたが…私の目にはギリギリでしたぞ(笑)


ここからネタバレを含むよ!

まず「2分先」ってどうなの!?

物語序盤に判明する彼の能力。

その特性をまとめてみると…

  • 2分先の未来を見ることができる。
  • 自分の意志で見る場合もあるし、意思とは別に見える場合も。
  • 2分先の未来は変えることができる。
  • 自分の意思で見た場合、最良の手段を模索する事ができる(コレがミソ)

たった2分先の未来なので「なにをどうやっても変えられない」ではなんの意味もない能力ですが、彼の能力は「見えた未来を回避することが可能」というのが非常に便利。

その気になればイロイロと便利に使えそうな気がしますがクリスはあえて目立たない程度にとどめ、その能力を使って小さな得を積み重ねながら生きるている様子。実に賢いですな。

これらの特性の中で、特に「最良の手段を模索する事ができる」という部分が映画的にも肝となってくるわけです。

1・「こうしよう!」と行動を決める。
   ↓
2・その結果の未来を見る
   ↓
3・うーむ、なんかダメっぽい。
   ↓
4・やっぱりやめ!違う方法を考えよう…
   ↓
5・1に戻る

これ、かなりのツッコミ要素だと思うのですが…タイムスリープ系やループ系も含めて「現在と未来の因果関係」について論じ始めたらキリがありませんので、「クリスはそういう能力」として受け入れてやらないと変にひっかかって映画の内容が入ってこなくなりますぞ(笑)

2分先、って言ったじゃん!

さてさて…序盤~中盤においては『2分先までしか見えない』という設定を上手に使い、なかなかスリリングな展開を見せてくれるわけですが…後半は一気にチートモード。せっかくの『2分先まで』という設定はバリバリ音を立てて破綻していくような流れに。

ここは大きく分けて2つの解釈があるようで…

「運命の相手であるリズと結ばれたことで、能力が覚醒した」

という意見と、

「2分先の自分でさらに2分先を見る。そしてその自分がさらに2分先を…というふうにして伸ばす」

という意見があるようです。

私は断然後者なのですが、たしかにリズに関してだけは「2分先」に限定されずに未来が見えていたんですよね…。

それ以外にもアレコレ考察しようと思えば、ニコラス・ケイジがどんどん分裂して選択肢の先の選択肢までどんどん予測していく姿に対し『こうなのでは?いやいやこうかも?』と考える事はできるのですが、「こういった作品はツッコミどころがあって当然。屁理屈はこねず、雰囲気を楽しもう!」で落ち着くのが良いかと。

そもそも『2分先の未来が見える』ってこと自体、理屈じゃどうにも説明できませんし。

衝撃の結末

そんなノリで2分先設定をブン投げて進んだ末、最後の最後に待ち受けている結末は…

「あ、これ失敗ルートだわ…」
で、ドーン!!バッドエンド!!

かーらーのー・・・

と思ったら夢オチ!!

ときましたか(泣)

いや、厳密には夢オチではないのですが、ノリとしてはそっち。ここまでの長い道のりは全て「めっちゃ先まで見えていた予知」だった…というオチは衝撃を通り越して困惑。

もうパッケージやポスターに書かれている『彼には見える…2分先の未来が…』のキャッチコピーをブン投げるかのような展開にお口あんぐりですが、個人的にはクソオチとは思いませんでした。

なんでしょう、いろんな意味でツッコミだらけではあるものの、本作はそういう事を気にする映画ではないんですな。基本的にエンターテイメント色の強いアクション作品は「ツッコミどころだらけ」が日常茶飯事ですから。

本作は『ニコラス・ケイジかっこいい!(と思える方のみ)』『ジェシカ・ビールの尻はたまらんっ!(尻フェチの方のみ)』『未来が見えるってすげぇ!(超能力好きな方のみ)』と楽しむ映画。そういう意味では非常に面白い作品じゃないですか。

なんなら『ジュリアン・ムーアの顔はやっぱり五角形でたまらんっ!(マニアの方のみ)』でもかまいませんけど…。