今回の1本は若く美しい人魚姉妹に魅せられる『映画/ゆれる人魚』、あらすじやネタバレ・結末を含みますので未鑑賞の方はご注意下さい。
まぁ「魅せられる」とか書いてみたものの、個人的にはまるで刺さらない作品だったんですけどね…。
ゆれる人魚
(原題:CORKI DANCINGU)
2015年 ポーランド
主なキャスト:
マルタ・マズレク
ミハリーナ・オルシャンスカ
ヤコブ・ギエルシャウ
ギンガ・プレイス
監督:アグニェシュカ・スモチンスカ
脚本:ロベルト・ボレスト
ネタバレ無しのあらすじ
むかーしむかし、80年代っぽいポーランド・ワルシャワに美しき人魚の姉妹シルバー(マルタ・マズレク)とゴールデン(ミハリーナ・オルシャンスカ)がおりました。
二人は陸へと上がり、それはもう当たり前のように人魚を受け入れてくれる人々に囲まれながら、ナイトクラブで歌を唄ったりおっぱいを出したりする事になりました。
姉シルバーはイケメンのミェテクに恋をしながら、歌ったり踊ったりおっぱいを出したり。
妹ゴールデンはそんな姉を複雑な気分で見つつ、唄ったり踊ったりおっぱいを出したり人を喰ったり。
果たして人魚の恋は実るのでしょうか?
・・・といった流れを困惑のミュージカル仕立てで鑑賞する作品。
まさかのミュージカル
なんか変だなぁとは思ったんですよ。
開始早々に浜辺(海なのか湖なのか川なのかは不明)で歌を唄っているのは良いとして、その後いきなりクネクネと歌い踊るおばちゃんのどアップ。この尺がやたら長いんですもの。
案の定、その後人魚姉妹がショッピングに出かけるシーンではもう全力でダンスミュージカルをぶっ込んできやがる始末。その様はまるでどこぞの安いアイドルのMVのよう。
おいおい、まさかのミュージカル作品かいっ!!
まぁミュージカルは良いんです、意外と嫌いじゃないですし。ところですね、『映画/レ・ミゼラブル』とまでは言わないまでも、せめてある程度以上のクオリティであれば「ほほう!これはこれで楽しいじゃないか!」と喜べるのですが…これがまた歌も踊りも下手ク・・・いえ、ちょっとアレなんですもの。
メインの二人はまぁ良しとして、熟女警官なんてそりゃもうヒドいったらありゃしない。エロスが無ければ再生したままコンビニへ行ってしまいそうなほどのげんなり感ですよ。まぁそちらもかなりアレなプレイでしたけど…。
ここからネタバレを含むよ!!
怒涛のツッコミ連発
ミュージカルの件は大目に見るとして、とりあえず前向きな姿勢で鑑賞を進めてみるも…もう序盤からツッコミどころが満載。
姉妹が全裸になったのにボカシもモザイクもなくて「大丈夫なの?もしかして消し忘れ?」などと思いきや…
「どうですか見て下さい。穴(前も後ろも)が無いでしょう?」
…と、下半身をあけっぴろげに見せてくるじゃないですか(汗)。うむ、たしかにツルンとしていて人形のようです。なるほど、これならばセーフだね!!
…って、んなわきゃないだろう!
たしかにぴったりタイツを履いているようなもんですからモザイクはいらないのでしょうけど…。「倫理的に隠さなければならないのは『穴』であって、穴がなければ問題はない」という具体的すぎる大人の事情のほうがむしろ卑猥かと(笑)
む?そんな事を考えているうちに、穴無し姉妹が急に弱り始めました。こりゃ困った。いったいどうすれば…え、運んで?いきなりプールに移動して?そのままドボーン!?
おおおお、なんと生き生きと蘇ったではありませんか!!
…いやいや、魚なんでしょ!?塩素中和は!?ていうか人魚って淡水魚なの!?
…と、趣味でマリンアクアリウムを嗜むワタシとしては気が気ではない。そんな簡単なもんじゃないんですよ、魚って。
というかこの人魚たち、想像していたよりも尾ヒレ長くないですか?ポリプテルス系?
個人的な戯言感想
作品としてはベタなエンターテイメントではなく、芸術的な方向から攻めてきているというのは感じるものの…どれもこれも中途半端な仕上がりなうえにセリフもストーリー展開もカオス。
何を見せられているのかわからないような映像から『製作者が表現したい(であろう)もの』を汲み取ってやらねばならないような作品で、困惑のミュージカルを含めて非常に疲れる映画でした…。
これ、単純に『若くてセクシーな人魚!?うひゃっ、エロティックな映像に期待でござるよ!』と鑑賞を始めた男性はどんな気持ちで最後まで鑑賞したのでしょう。というか最後まで鑑賞できたのでしょうか…。
まぁ幸いにもおっぱいは見放題な状態ですので、ある程度は喜べたかもしれませんが…。
なにはともあれ『現代版・人魚物語』として見ればまぁアリな気もしますし、最後にシルバーが泡になってしまうシーンも実に切なくも味わい深い。しかし全体的にまとまりがなく、ノリと勢いで押してくる展開続きに「面白かった」とは言い難い映画でした。
どうやら調べてみたところ女性監督なんですね、この映画。あー、やっぱり…という気がします。ワタシ、昔から女性監督の映画は合わないんですよね…。