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出演俳優は豪華、雰囲気も良し、映像も迫力満点ではあるものの…中身を冷静に考えれば「…はい?」な要素満載の『映画/レッド・ライト』でネタバレを含む戯言を。

やはり映画の評価ってキャスティングで大きく変わってしまいますよね…。

レッドライト
(原題:Red Light)


2012年 アメリカ・スペイン合作

主なキャスト:

キリアン・マーフィ
ロバート・デ・ニーロ
シガニー・ウィーバー
エリザベス・オルセン
トビー・ジョーンズ
クレイグ・ロバーツ
ジョエリー・リチャードソン

監督:ロドリゴ・コルテス
脚本:ロドリゴ・コルテス

ネタバレ無しのあらすじ

物理学者であるマーガレット・マシスン博士(シガニー・ウィーバー)とトム・バックリー博士(キリアン・マーフィ)は、様々な超常現象を科学的な観点から解明し、次々と「偽りの超常現象」を暴いていた。

そんな中、しばらく姿を消していた伝説の超能力者、サイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)が30年の時を経て復帰。

彼も調査の対象としようとするトムに対し、マーガレットは全く関心を示さない。それどころか避けようとしている節さえあった。

なぜマーガレットは彼の調査を拒むのか…

そしてサイモンは果たして本物の超能力者なのだろうか…

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

豪華。とにかく豪華。もうキャストを見ただけでヨダレと某白い液がタレてきそうなくらいですよ。

なんといってもロバート・デ・ニーロ!!…は、どうでもいいんです。超大物ですし嫌いじゃありませんが、特に好きでもありまえせん。

シガニー・ウィーバー!!…も、嫌いじゃないが好きでもない。

個人的にダダ漏れなのはキリアン・マーフィ。そしてエリザベス・オルセン、この二人です。

キリアン・マーフィは好き嫌いが分かれる俳優だと思いますが、私としては『大好き男性俳優トップ5』に入るほど。エリザベス・オルセンもちょっぴり個性的な可愛さで、『大好きおっぱい女優三傑』に入っています。

まぁ私は極度の尻フェチなので、おっぱいは付いてりゃ良いんですけど。

ついでにトビー・ジョーンズの出演も嬉しいですな。なぜか彼がいると「お、しっかりした作品だな」というイメージになります(あくまでも個人の感想です)


ここからネタバレを含むよ!!

ネタバレ含むあらすじ
(序盤~中盤)

この映画、序盤の掴みはものすごく良いんですよ。

心霊現象が起こっている家を訪問し、あっさりと見抜いてサラッと去っていく二人はなかなか素敵。

しかしサイモン登場のあたりから、なんとも雲行きが怪しくなってくる気が…

超能力…わかってる?

とにかくこの映画を一言で言ってしまうと『ものすごく雑』(笑)

アレもコレもざっくりと雰囲気だけで作っている感があり、そのへんが「面白かった!」と素直に思えない原因でもあったりします。

そもそも、この映画の監督&脚本のロドリゴ・コルテスは『超能力』というものに全く興味も知識もないんじゃないか…とすら思えてくる適当設定。

『伝説の超能力者』であるサイモンは、スプーン曲げなどの『サイコキネシス(念動力)』から『念写』『テレパシー(精神感応)』といった一通りの超能力は全部使えるうえに『空中浮遊』までし、果ては『心霊治療』まで施すという。

いやいやいや、「超能力」ってそういうもんじゃないから!

終盤にサイモンが「これかっ!!これが見たいんかっ!!」と、明らかにワイヤーに吊られているご様子で浮かび上がっていくのを見た時にゃ

おまえ、ただの安いマジシャンだろっ!!

とツッコミたくなるのもやむなし。

なにせ本作の監督&脚本ロドリゴ・コルテスは『映画/リミット』の監督でもあり、どうにも「まずはインパクトのある設定ありき。細かい部分?うん適当」という空気を感じさせる監督でもありますから…。

もうここまで来たら『UFOを呼ぶ』とか『ヒマラヤの山中で大きなサイモンの足跡が発見される』とか『夜な夜なサイモンの髪が伸びるとか・・・もうありとあらゆる超常現象を盛り込んでみりゃ良かったのに。

雰囲気を楽しもう

そんな感じで「細かいこと言わんと見てくれよ。設定と最後のオチ、すごいだろ!?」の監督が作った映画ですから、とにかく『雰囲気重視』の演出の多いこと多いこと。

幽体離脱…と思ったら夢!?車の前に立つへんなオバちゃんは!?ていうか鳥はなんなの!?

といった「不穏な空気を出すための演出」が目白押し。そしてそれらに理由付けはありません(笑)

注)解釈によっては理由付けができる場合もあります。感じ方・捉え方は人それぞれです。

それらは最終的に『トム・バックリーこそ本物の超能力者だったから』で全部解決したことにされます。幽体離脱もオバちゃんも鳥も、エリザベス・オルセンのセクシーな姿が一切見れない事も、すべてそれで納得しなければなりません。

場合によってはマーガレットの息子方面から考察し、彼がトムに対して何らかの心霊現象を起こしている…という解釈もアリだとは思います。そう考えるとイロイロと辻褄を合わせる事はできますし、納得できるような部分(最後の「親愛なるマーガレットへ」の語り部分など)もありますし…。

ただ私個人としては、それは違うという解釈です。いや、そう思う方はそれで良いんですよ。映画の解釈は人それぞれ。正解も不正解もありませんから。

実は奥深い…

マーガレットが、息子の生命維持装置を外す事に対しての葛藤。

真の超能力者でありながら、それを受け入れる事ができずに生きてきたトム。

そして二人がサイモン・シルバーという男に対して抱いている想い。

そういった部分で掘り下げていくと、非常に奥深い作品ではあるんです。

クソ真面目な話になるのであまり深くは追いませんが・・・特にマーガレットが30年前サイモンに告げられた「あなたの息子は逝きたがっている。それをあなたが止めている」という言葉。それに対する彼女の葛藤がとても考えさせられます。

サイモンが本当の超能力者だと信じる事ができれば、思い残す事なく息子を逝かせてあげる事ができる。しかし彼はペテンだという信念を曲げる事ができない。それによって息子を…という彼女の苦悩が痛々しい。

ここまで深いテーマを練りこむ事ができるるのに、どうして肝心の超能力の部分は「世界びっくり人間大賞」なノリにしちゃったんでしょうねぇ、監督は。ホントもったいない。

ネタバレ含む終盤

サイモン登場から雲行きが怪しくなってはいたものの、どうにかそれなりの高さを飛行していたのに…終盤はもはやツッコむ気力すら失うような「なんだそれ展開」を繰り広げた末、あらぬ角度で墜落するようなこの『映画/レッド・ライト』

最終公演に潜り込んだ(というか、普通に観客として見に来た)トムが、サイモンの手下によってトイレでフルボッコになる展開・・・あんなに力を入れる必要があったんでしょうか。

そして場面変わって居残りの謎解き組。「サイモンは時計の秒針を利用していたのでは!?」とまでは目星をつけたものの、どうやって秒針を読んでいたのかがわからない。盲目の彼がどうやって秒針の位置を知る事ができたのか…その驚愕の真実は…

「・・・・見えているのね」

って、なんじゃそりゃっ!!

最大の山場でトリックがそれ!?くだらないにもほどがある。もはや「うん、だろうね」としか言えませんよ。

そんな脱力感を味わった後、ついに血だらけトムとサイモンが対峙。物語も一番の山場を迎えます。

「皆さん、賓客を迎え入れてもよいですかな?フフン」と大物らしく余裕たっぷりでトムを受け入れておきながら、その直後には手のひらを返したように「痛い目を見たいのか!出ていけ!」と、ブレまくるサイモンには「あんた頭大丈夫か?」と聞きたくなりますが、それはまだ序の口。

せっかくの「トムこそが真の超能力者だったのだ!!」という展開も、グダグダした流れとゴゴゴゴ!ドカーン!と安っぽくてよくわからない超能力描写のせいでモヤモヤ。

なにかスッキリしないまま種明かしの回想シーンが始まるも、「いやいや、種明かしになってないよね?」とツッコみたくなる要素がちらほら。

超個人的な戯言感想

超能力という時点ですでにリアルとは言えないものの、その部分を除いて考えてもやはり「雰囲気重視でリアル感のない作品」といった印象が拭えない『映画/レッド・ライト』

これがキリアン・マーフィー&エリザベス・オルセンではなく、さらにロバート・デ・ニーロも起用されず、よくわからない無名俳優でやられていたらと思うと…ゾッとしますな。

やはり俳優って大事。

そういえばちょろっとだけ出てくる「30年前のサイモン」としてテレビ出演している俳優の、バカにしたようなロバート・デ・ニーロのモノマネっぷりがかなり笑えました。

もはやお笑い芸人のテル(ロバート・デ・ニーロのモノマネをする人)もしくはなだぎ武に見えて仕方ありません…。