個人的には好きなのですが、世間では低評価が目立つ『映画/シェルター』を。たしかにイロイロほったらかしだったり、強引だったり、見え見えだったりする部分はありますが…ジョナサン・リーズ=マイヤーズのファンとしては避けては通れない作品でもあります。
なんてったってヒゲヅラの彼がバブバブと幼児プレイをかましてくれるわけですから…(笑)
シェルター
(原題:Shelter)
2010年 アメリカ
主なキャスト:
ジュリアン・ムーア
ジョナサン・リース=マイヤーズ
ジェフリー・デマン
ブルックリン・プルー
フランセス・コンロイ
監督:モンス・モーリンド、ビョルン・スタイン
脚本:マイケル・クーニー
ネタバレ無しのあらすじ
「多重人格」について否定する精神分析医のカーラ(ジュリアン・ムーア)は、何人もの自称・多重人格者に対しても「この自演野郎が!」「ただの思い込みよ!」的なノリでズバズバ斬る超現実主義者。
そんなある日、カーラは父親(ジェフリー・デマン)からデヴィッドという1人の多重人格青年を紹介される。
最初から「絶対嘘に決まっとる」と決めつけモードで接するカーラだが、デヴィッドの多重人格っぷりは理屈では説明できないような不可解な現象まで伴っていた。
次々と変わるデヴィッドの人格に翻弄されながらも、頑なに多重人格など存在しない!という主義を貫くカーラ。
果たしてデヴィッドは本当に「多重人格」なのだろうか・・・。
そしてこの映画を「サイコスリラー系」だと思って鑑賞を始めた人は、後半ついてこれるのだろうか・・・。
・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
はいはい、道を開けなさーい。演技派俳優ジョナサン・リース=マイヤーズのお通りですよー。
いったいどの作品で彼を好きになったのかは忘れましたが、好きな男性俳優ベスト10に入るほどに好きです。ドコが好き?と問われても答えに困るのですが…雰囲気?
そんな彼の迫真の演技に対して「嘘つけ、多重人格なんてないわっ」と決めつけるのはジュリアン・ムーア。
いったいどの作品で彼女を嫌いになったのかは忘れましたが、嫌いな女優ベスト10に入るほどに嫌いです。ドコが嫌い?と問われれば小一時間ほど並べられるほど。いえ、俳優としては評価しているのですが…好みの問題です。基本上から目線で偉そうな女はダメでして…。
彼ら以外にもジェフリー・デマン(カーラの父親)やフランセス・コンロイ(デヴィッドの母)など、通好みな俳優が出演しているのも嬉しいところ。娘役のブルックリン・プルーも可愛いですなぁ。
ここからネタバレを含むよ!
面白そうな序盤
「多重人格」モノの映画は上手に作ればとても面白くなるのが魅力ですが、下手クソだと寒いだけという罠も。
「映画/ファイトクラブ」のような「複数いたと思ったら、実は一人でした(多重人格)」的なオチは使い古されてきたものの、「映画/ピエロがオマエを嘲笑う」など、そう読む心理を逆手に取った名作も多数あります。
多重人格モノが好きなら「ピエロがオマエを嘲笑う」は必見!!
そしてこの「映画/シェルター」も前半部分は『多重人格モノ』としてグイグイと物語へ引き込んでくれるわけですよ。半分はジョナサン・リース=マイヤーズのおかげですけど。
キャラの演じ分けが非常に素晴らしいジョナサンが多重人格なんて演じたら、そりゃもう引き込まれるに決まっているじゃないですか。
サイコ系が好きな私としては前半部は90点。こりゃ面白い映画に違いない!
さぁどうなる中盤
「いや、やっぱり彼の多重人格はマジもんでしょ」と思わせる流れで話はどんどん進むわけですが…とにかくこの作品、展開のスピードが早いのなんのって。
あえて目まぐるしく展開させる事で物語の流れに鑑賞者を巻き込むような手法の良作もありますが・・・この作品はとにかく流すように早い。ちょっぴり置き去りにされる感もありますが、テンポが良いといえばそう言えないこともないような…あるような…。
この「やけに駆け足で進む展開」も低評価の要因かもしれません。
そんなハイスピードの中盤。なんか変な要素が…
・・・ん?信仰?
サイコ系スリラーだと思ってのに神とか信仰心とか…。しかしカーラが「いやいや無い。そっち系は無い」のスタンスをひたすら貫くので、観ているこっちとしても「うん、そっち系じゃないよね。リアル系だよね」と信じるのですが…終盤に差し掛かろうという頃には超全力でオカルトを投入(泣)
そこからはもうなんでもアリ。完全にホラーの方角を向いて走り出す作品に、観ている側としては困惑が止まりません。え!?そっち系の作品だったの!?
まさかの終盤
私はできるかぎり「あらすじ」や「ジャンル」などの情報は入れず、先入観なく映画を楽しみたい派でして。
そうなると最もガッカリするオチは「リアルサスペンスのつもりで頭を捻って考えてたのに、結局全部オカルトでした」です。
早めにサスペンスホラーの流れになってくれればまだ良いのですが、最後の最後まで引っ張った挙げ句に「呪いでした」「悪魔でした」といったオチで理由付けされると…今まで一生懸命謎を考えていた時間を返せっ!と言いたくもなりますな。
この作品もある意味そっち系のオチなわけですが…私としてはギリギリセーフ?かな?
大好きなジョナサン・リース=マイヤーズじゃなかったらギリギリアウトだったかもしれません。
イロイロと衝撃のラスト・・
そして最後の最後はホラーにありがちな「まだ終わらないよ・・・」のバッドエンド。
それも衝撃と言えば衝撃なのですが、個人的に最大の衝撃はその少し前・・・
ジョナサン・リース=マイヤーズがジュリアン・ムーアに、泣きながら甘えてナデナデしてもらう幼児プレイを披露
ですよ。
「汚ぇオッサンが泣きながら、年増のオバチャンに甘えているシーン」って、いったいドコのターゲットを狙ってるのよ!というか、こんなジョナサン見たくないわー!(笑)
…という事で、私も赤ちゃんプレイが楽しめるお店に行ってきまーす。