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もうタイトルだけでなんじゃそりゃな『映画/変態島』、ネタバレと独自考察を含みますので未鑑賞の方はご注意を。

かの有名な『映画/変態村』の監督&スタッフが製作した作品ということでこのタイトルですが、原題は『VINYAN』、変態村以上に『変態』とは全く関係のない内容だったりします。

変態島
原題:VINYAN


2008年 フランス・ベルギー・イギリス・オーストラリア

主なキャスト:

エマニュエル・ベアール
ルーファス・シーウェル
ペッチ・オササヌグラ
ジュリー・ドレフュス

監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
脚本:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ

ネタバレ無しのあらすじ

建築家のポール(ルーファス・シーウェル)とその妻ジャンヌ(エマニュエル・ベアール)は、半年前の津波により最愛の息子ジョシュアを失っていた。

ある日、慈善活動団体によるミャンマーの映像を見たジャンヌは、そこに映る子供を「これはジョシュアだ」と訴える。

すでに息子は死んでいると思いつつも、現地へ渡るために「タクシン・ガオ」という男を探すポール。やがて二人は息子を追ってミャンマーへと向かうのだが、そこに待っていたのは…

・・・・といった内容で「変態」とはあまり関係ない作品。

注!)動画は予告編ではなく一部カット版、しかも大事なラストの部分です。未鑑賞の方はご注意を。

キャストで戯言

もちろん変態も大好きですが、本作を選んだ最大の理由は主演のエマニュエル・ベアール

いつ、なんの映画で好きになったのかは忘れましたが…洋画にハマり始めた初期に好きになった女優です。うーむ、何度見ても良い顔(と尻)してますなぁ。

旦那さん役は渡辺謙…ではなく、ルーファス・シーウェル。特に思い入れはありませんが、『映画/幻影師アイゼンハイム』で皇太子か何かの役だった気が…。

そしてもう一人、夫妻をミャンマーへと案内する胡散臭い男タクシン・ガオは野村宏伸

いや、ホントはペッチ・オササヌグラという俳優なのですが、あまりにも似すぎているんですもの(笑)

どこにも変態は…

冒頭にも書きましたが本作の監督はファブリス・ドゥ・ヴェルツ『映画/変態村』の監督であり、撮影スタッフも同映画のメンバーが多く含まれていることから『変態島』などというタイトルにされてしまったわけですが…正直「変態」とは関係無し。

考え方によってはジャンヌもポールもダクシン・ガオも変態っちゃー変態ではあるのですが、もはや『変態の定義とはなんぞや』という話になってしまいますので。

とりあえずパンツを被ってハァハァするような、一般的な意味合いでの「変態」「ド変態」は登場しません。

息子を失った現実を受け入れることができず、どこかで生きていると信じ続ける妻。

息子はもう死んだと諦めてはいるものの、彼女を支えようと努力はする夫。

そんな夫妻の気持ちを利用し、ビジネスとして儲けを得ようとする男。

タイ・ミャンマーという洋画としては馴染みの薄い異郷の地を舞台に、それぞれの心情を不気味に描き出しつつ、発展途上国の実情や人身売買などの社会的要素も含んだ作品なわけです。

…が、しかし。

この映画をタイトルのインパクトだけで選んでしまったライト映画好きからすれば…

『少々頭がイッてしまった奥さんに振り回されるエロい夫と、彼らを利用する悪党。おっぱいがいっぱいだけど暗くて汚い映画』

となることでしょう。

ここからネタバレを含むよ!!

独自解釈と考察

正直私もエマニュエル・ベアール目当てでの鑑賞ですので、2~3回見てもやはり感想は「うん、なんじゃこりゃ」の一言。

現地の子供に赤い服を着せて顔をほんのり白く塗って「はい、ジョシュアの出来上がり!これでしょ奥さん、どうぞお持ち帰り下さい!」の展開は実に気持ち悪いですなぁ。

最後に訪れた島では不気味な子供が大量に湧いているのですが、あれは「現実の子供」ではなく、彼らこそが「VINYAN」なのだろう…というのが私の個人的な解釈です。

VINYANとは現地語で「彷徨える魂・怒れる魂」といった意味合いで、あまり良くない意味での死者の魂を表す言葉らしく。一種の悪霊といいますか…好ましい存在ではないようです。

なぜかジャンヌが米を食らうシーンで「笑う子どもたちを怯えた様子で見る老夫婦」も…つまりそういうことなのではないかと。タクシン・ガオもいきなり噛みつかれてましたし(笑)

そういった存在を受け入れることができない旦那さんは木の枝で刺しまくられて死亡。…ちょ、刃物とかならまだしも、枝だよ、枝!

もはや子供であれば全てジョシュアに見えてくる奥さんは、彼らを受け入れて愛すことができるのでしょう。その後はあの島でVINYANマザーとして暮らしていくのかもしれません。たくさんのジョシュアに囲まれながら…。

そんなにおっぱいが好きか!

…というわけで「なんじゃこりゃ」ではあるものの、決して「つまらない」とまではいかず。中途半端に奥深さを感じられる作品ではあり、そこにエマニュエル・ベアールの全裸が添えられているならば十分に見る価値のある映画でございました。

そんな美しい彼女が雨やら泥やらでぐっちゃぐちゃになるのに、なぜか定期的に髪も化粧も小綺麗にリセットされるのは嬉しくもあり、笑える部分でもありました。

それよりも本作で最も気になったのはラストシーンですよ。たくさんの子供に囲まれながら、彼女が泥を塗られているシーン。おそらく現地の子供をエキストラとして起用したと思うのですが…

おい!どいつもこいつも、おっぱい狙いすぎだろうが!(笑)

背中側はやる気なーく塗っているのに、ピンポイントにおっぱいに集中する手。いやらしく乳首狙いのヤツまでいる始末。最も執拗に手を伸ばしている子供にいたっては、もう顔がニヤニヤしてんじゃん!!(笑)

注)あらすじ下のYoutube動画にてこのシーンが見れます

(C)The Film-Film4-Pilchard Productions-K2-One Eyed

ホント、男って素直すぎてイヤねぇ。

しかし…このシーンでくすぐったいのを我慢しているベアールの姿がものすごく興奮でハァハァしてしまう私こそが、「変態」なのだろうな…と。