映画『ウィッカーマン』ニコラス・ケイジ主演のリメイク作

今回の1本は1973年イギリス製作の同名映画リメイクとなる、2006年ニコラス・ケイジ主演のアメリカ映画「ウィッカーマン」です。

最初に観たのはもう10年以上前。当時は結末のインパクトから「すげぇ面白いっ!」と思ったのですが・・・今あらためて観直してみると意外とアレな映画でした(笑)

ウィッカーマン
(原題:THE WICKER MAN)


2006年 アメリカ

主なキャスト:

ニコラス・ケイジ
ケイト・ビーハン
エレン・バースティン
フランセス・コンロイ
モリー・パーカー
リーリー・ソビエスキー

カメオ出演:
アーロン・エッカート
ジェームズ・フランコ
ジェイソン・リッター

監督:ニール・ラビュート
脚本:ニール・ラビュート

ネタバレ無しのあらすじ

カリフォルニア州の白バイ警官エドワード・メイラス(ニコラス・ケイジ)は勤務中、身元不明の親子の交通事故に遭遇した事が原因で幻覚と不眠に悩まされていた。

そんな折、かつての婚約者ウィロー(ケイト・ビーハン)から1通の手紙が届く。

その手紙によると、娘が消息不明になってしまったので力を貸して欲しいとのこと。

彼女は婚約を交わしておきながら何も告げずに不意に姿を消しており、娘がいるという事も初耳のエドワードは、どうにも釈然としない気持ちがありつつも彼女が待つワシントン州の孤島「サマーズアイル島」へと向かう。

しかしそこはなんとも不可解な島で・・・・

・・・といった内容の作品。

キャストとリメイク元

ニコラス・ケイジが好きな人って多いですよね。私は特に好きというわけではないのですが、なぜか彼の映画は大量に観ています。

興味を引かれる映画に限って、ニコラス・ケイジが主演をしている事が多いんですよね・・。

この映画でも相変わらず「キレる・怒鳴る・暴れる」という、定番のニコラスっぷりを発揮してくれています。

そしてこの映画のリメイク元となったのは1973年のイギリス作品。タイトルも同じくウィッカーマンです。

舞台はアメリカではなくスコットランドで、独特の世界観や宗教観、エロスと狂気が融合した異様な空気に「カルト映画の決定版」とも評される、非常に評価の高い映画です。

それに比べるとこちらのリメイク版は・・・。

ここからネタバレを含むよ!!

独特の空気をブチ壊すニコラス感

とにかくこの映画の最大の敗因は「ニコラス・ケイジを起用してしまった」にあると思います(笑)

感じ方は人それぞれなので、彼で良かった!という方もいるとは思うのですが・・・私個人の感想では、せっかくの独特な風習や不気味さを持った「サマーズアイル島」を、彼のキレッキレの演技がブチ壊しているような気が・・・。

リメイク元のほうは敬虔なクリスチャンであるハウイー(主人公)が、徐々にその独特の宗教観に飲み込まれつつ、しかし法の番人として責務を全うしようとする姿が絶妙だったのですが・・・

島の空気に全然飲み込まれてくれないんですよ、ニコラスは。

お色気ムンムンの女教師に銃を突き付けて「黙れ!自転車よこせ!」と脅してみたり、ドアを蹴破って怒鳴り散らしてみたり・・・中盤以降はもうただの無法者。そのへんはやはり「アメリカ警察」といったノリなのかもしれません。

謎解き映画では・・ない?

この映画を普通にミステリーっぽく観るならば、「ウィローの言っている事が正しく、村人がおかしい」のではなく、「なんらかの事故で娘を亡くしたショックで、ウィローのほうがおかしくなってしまっている」のではないか・・などと考えられない事もないのですが・・・。

なんでしょう、謎解き感も薄いんですよね。

もともと謎解き要素が主ではなく、島が持つ異様な空気に魅せられる映画なのですが・・・そこはやはりリメイクの作り方が中途半端になってしまっているせいかもしれません。

・・・めっちゃ回りくどいっ

そしてこの「映画/ウィッカーマン」の最大のポイントは結末にあるといっても過言ではありません。

しかしそこに至るまでの島民たちの行動がまた・・・回りくどい。

リメイク元もストーリーは同じなのですが、あちらはツッコミ感は少なく・・・なぜかこっちのアメリカ版だとツッコミどころ満載に感じます。なぜでしょう。

全ての結末を知ったうえで再度観てみると、おそらく無粋なツッコミであろう「エドワード来なかったらどうするの?」というとこから気になってしまいます。

私だったら行きませんよ、何も言わずに姿を消した婚約者のところになんて。しかも娘がいるとか・・。「なにを今さら。アホか」と手紙ポイッで終わります。映画、展開しません(笑)

100歩譲って行こうと思ったとしても島までの船はなく、飛行機もダメだと言うし・・・行ったら行ったで「帰れムード」がバリバリ漂っていますし・・・挙句の果てに変な謎解きをさせられるし・・・女どもが偉そうだし・・・。

やっぱり私なら途中で帰ります(笑)

ここはアレなんでしょうね。エドワードなら必ず来る、という確信があっての手紙なんでしょうね。

そして彼ならば、絶対にあきらめる事なく娘を探そうとする、と。

そこまでの意志力や行動力を見込まれたからこその、生贄なのでしょう。私のように「もう知らんわー」と投げるような男では豊穣を祈って捧げる価値もない・・・という事ですか・・・。嬉しいような悲しいような。

燃やすのもったいないっ

それにしてもあの「ウィッカーマン」、ものすごくしっかりした作りになっていますよね。

本体のあちこちに動物たちを入れるようになっていて、エドワードが閉じ込められた頭の部分も手が込んでいる。彼が入ったら床が閉まるという機能まで(笑)

木々も綺麗に組み合わせてあるし、ところどころ縛っている縄もキッチリとした仕上がり。まさに職人が作った伝統工芸品という感じです。

燃やすなんてもったいない気がします。これ、毎年作るんですか??ただのハリボテとして作ったとしてもかなりの手間がかかりそうなのに。

もういっそのことコレを「島の名所」として観光客を呼んだほうが良い気がします(笑)

・・・というわけで

なにやらダメ出しばかりの感想となってしまいましたが、決して面白くなかったわけではなく・・・むしろ「好きな映画」に入るくらいの作品です。

なぜかニコラス映画はイジり倒したくなるんですよね。

アレですよ、アレ。小学生男子が好きな女の子をイジめてしまう、アレです。

そろそろニコラス・ケイジもお爺ちゃんになってきていますし、いつまで彼のキレ演技が観れるのでしょうねぇ・・・。