ネタバレ『映画/ウィッカーマン』ニコラス・ケイジ主演で戯言

今回の戯言はニコラス・ケイジ主演の『映画/ウィッカーマン』、あらすじとネタバレを含むのでご注意下さい。なお本作は1973年イギリス製作の同名映画のリメイク。

公開直後の頃は結末のインパクトから「こりゃすげぇ映画だ!」と思ったものですが、本家を見てから再度鑑賞してみると意外にアレな作品だったんですな…。

ウィッカーマン
(原題:THE WICKER MAN)


2006年 アメリカ

主なキャスト:

ニコラス・ケイジ
ケイト・ビーハン
エレン・バースティン
フランセス・コンロイ
モリー・パーカー
リーリー・ソビエスキー

カメオ出演:
アーロン・エッカート
ジェームズ・フランコ
ジェイソン・リッター

監督:ニール・ラビュート
脚本:ニール・ラビュート

ネタバレ無しのあらすじ

カリフォルニア州の白バイ警官エドワード・メイラス(ニコラス・ケイジ)は、とある親子の交通事故に遭遇した事が原因で幻覚と不眠に悩まされていた。

そんな折、かつての婚約者ウィロー(ケイト・ビーハン)から「娘が消息不明になってしまったので力を貸して欲しい」という手紙が届く。

彼女は婚約を交わしておきながら何も告げずに不意に姿を消しており、娘がいるという事すらエドワードは初耳。どうにも釈然としない気持ちがありつつも、彼はワシントン州の孤島「サマーズアイル島」へと向かうのだった・・・・。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

さぁ集まれー、みんな大好きニコラス・ケイジが主演ですよー。

しかし『ニコラスが出演している映画にハズレ無し。ド定番の名俳優』だったのは過去の話。最近はすっかり『B級クソ映画の客寄せパンダ』の位置に落ち着いてしまいましたな。近年の彼の主演映画はそりゃもうひでぇもんですよ。

信じられない昭和生まれの方は『映画/ヒューマン・ハンター』でもご覧になって下さいな。屁が漏れるほどに酷い駄作ですよ。

しかしこの『ウィッカーマン』は彼が借金まみれになる前の作品でありながら、第27回ゴールデンラズベリー賞(クソ映画を決める祭典)では、

『最低作品賞』
『最低男優賞』(ニコラス・ケイジ)
『最低スクリーンカップル賞』(ニコラス・ケイジ&熊のスーツ)
『最低リメイク賞』
『最低脚本賞』
(ニール・ラビュート)

…と、数々の賞にノミネートされるほどの酷評っぷり。(受賞は惜しくも逃す)

当時の彼にしては珍しく『ハズレ』の作品だったのですな。個人的にはそこまでひどい映画ではないと思いますけど。

リメイクで戯言

本作のリメイク元となったのは1973年のイギリス作品で、タイトルも同じく『ウィッカーマン』


舞台はアメリカではなくスコットランドとなり、独特の世界観や宗教観、エロスと狂気が融合した異様な空気に「カルト映画の決定版」とも評され、世間での評価はニコラス版ウィッカーマンとは雲泥の差。

さすがに約50年前の作品なので映像や音響等に古臭さは否めませんが、なんと2013年には未使用カットも使用して再編集された『ウィッカーマン Final Cut』が公開されています(日本では2020年8月に公開)。まだDVDや動画配信サービスでの情報はありませんが、興味のある方はファイナルカット版を楽しみに待つのが良いかと。

そしてハリウッドリメイク版『ウィッカーマン』

この映画はサマーズアイル島がもつ独特の不気味さ・静かに迫るような恐怖感が最大の魅力のはずなのに、そこにニコラス・ケイジを投入ですからね。この人はどんな作品でも『吠える』『オロオロする』『暴れる』『不意に泣く』というキレ芸で演技するため、これが島の空気に合わないったらありゃしない。

本家のほうは敬虔なクリスチャンであるハウイー(主人公)が、徐々にその独特の宗教観に飲み込まれつつも、必死に法の番人として責務を全うしようとする姿が絶妙だったのですが・・・島の空気に全然飲み込まれてくれないんですよ、ニコラスは。

お色気ムンムンの女教師に銃を突き付けながら「自転車よこせ!」と脅してみたり、ドアを蹴破って怒鳴り散らしてみたり、まさにアメリカンポリスといったノリはもはや無法者と紙一重。

ニコラス好きには本当申し訳ないですが、こりゃミスキャストだったのでは…。

・・・めっちゃ回りくどいっ

余計な話が長くなったのでざっくりネタバレ1分あらすじにしてしまうと…

『ウィッカーマン』
ネタバレ1分あらすじ

蒸発した婚約者に呼び出され、ホイホイとサマーズアイル島までやってきたエドワード。

いなくなったという娘を捜索してみるものの、島はなんか変。

なんとエドワードは宗教儀式の生贄にするために呼び出されたのでした。

最後はウィッカーマンという名のハリボテに閉じ込められて燃やされちゃった。

で終わり。実にシンプルな内容なのですな。

しかし最初に島に着いた時点でふんじばってウィッカーマンにつっこみゃ良いだろうに、無駄にウロウロさせてみたり、娘の捜索をさせてみたり、回りくどいったらありゃしない。

そもそもエドワードが来なかったらどうするんだ、と。

私だったら行きませんよ、婚約しておきながら何も言わずにいなくなった女のところになんて。しかも娘がいるとか…。「何を今さら」と手紙丸めてポイで終わり、物語全然展開しません。

仮に百歩譲って行く気になったとしても、島までの船は無いと言うし飛行機もダメだと言うし…。さらに行ったら行ったでアウェイ感はんぱないうえに、偉そうな女共に囲まれて変な謎解きですからね、もう無理にもほどがある。絶対途中で帰ります。

これはやはりエドワードの性格や人間性を熟知したうえで彼の意志力や行動力を試し、生贄としてふさわしいと判断したからあの結末になった、と。

私のように途中で投げ出すような男では豊穣を祈って捧げる価値はない…という事なのでしょうな。嬉しいような悲しいような…。

超個人的な戯言感想

…というわけでなんとも微妙な戯言にしかならなかった『ウィッカーマン』

個人的にはかなり好きな作品なんですけどねぇ。

それにしてもあの儀式ってどのくらいのペースで行っているのでしょう…。毎年?

あのウィッカーマン、燃やすのもったいないくらいに作るの大変そうじゃないですか。アレを名物として観光客でも呼んだほうがよっぽど島のためになるのでは…。