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ついに宇宙人が地球に上陸。海兵隊員の戦いをリアルに描く『映画/世界侵略:ロサンゼルス決戦』でネタバレを含む戯言を。なにやら続編の噂があるようなので、そちらと『ロサンゼルスの戦い』の関連性についてもチラッと紹介。

世界侵略:ロサンゼルス決戦


2011年 アメリカ

キャスト:
アーロン・エッカート
ミシェル・ロドリゲス
ブリジッド・モイナハン
マイケル・ペーニャ
ラモン・ロドリゲス

監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリストファー・バートリニー

ネタバレ無しのあらすじ

多数の流星群と思しき物体が地球海面へと降り注ぎ、正体不明の敵が海岸線に現れ始めた。

なんとそれは流星ではなく、地球侵略を企てるエイリアンの軍勢だったのだ!

いけいけ米軍、海兵隊~♪ 強いぞ米軍、海兵隊~♪

…といったノリの、米軍かっこいいぜ映画。

キャストで戯言

冒頭からいきなり連続で何人も階級&名前を紹介されるため、「ちょ…ま…そんなにいっぺんに覚えきれないって!」と慌ててしまいそうですが、

大丈夫、半分くらいはすぐ死にます。

とりあえず主演のアーロン・エッカート、途中加入のミシェル・ロドリゲス、この二人さえ押さえておけばあとはOK。その他はモブですから。

そして民間人にも有名俳優が二人。

ブリジッド・モイナハンが獣医役は良いのですが、この内容ならば兵士役でもおかしくないマイケル・ペーニャまで民間人として登場。彼が一般人側って、なんとも違和感がありますなぁ…。

続編?ロサンゼルスの戦いとは?

Amazon Primeの”あらすじ”では『ロサンゼルスの戦いから69年、ついに”彼ら”が地球に上陸…』てなことを書かれている本作。

これだけ見ると「続編映画?」と思ってしまいそうですが、この『ロサンゼルスの戦い』というのは現実にあった事件のこと。

『ロサンゼルスの戦い』とは?

第二次世界大戦中の1942年2月25日。

ロサンゼルス上空にて日本軍と思しき複数の機影がレーダーで確認される。これに対し米軍は大量の対空射撃を行うも1機も撃墜できず、なぜか爆撃等も受けなかった。

しかし後にこの攻撃は日本軍のものではなかったと判明。様々な憶測を呼ぶも、現在に至るまでこの飛行体の正体は判明していない。

事件当時はUFOという単語も概念も認識されていなかったため、後世になってから「地球外からの飛行体、UFOに違いない!」という説が巻き起こり、いまだにそう主張している研究者がいるほど。

この『映画/世界侵略:ロサンゼルス決戦』が公開される2011年はこの事件から69年後になるため、当時は地球上を飛行していくだけだった”彼ら”が、ついに上陸しやがった…という触れ込みになるわけですな。

そしてこのエピソードと、なんとなくシリーズものっぽいタイトル、さらに似たタイトルの作品が存在するせいで「本作自体が続編」もしくは「本作に続編がある」といった噂に繋がっているようです。

しかし2021年現在、この『世界侵略:ロサンゼルス決戦』には過去作も続編も存在していませんし、そういった企画もありません。

ただし前述したように『ロサンゼルスの戦い』が実話かつ有名な事件であることから、似たタイトルの映画はあります。


さらに、原題は別モノながら邦題で完全パクリのタイトルを付けられた作品も。


なお中身はどちらも『かなりアレ』な感じですので、ゲテモノ好きな映画マニア以外はスルーするのが良いかと…。

アンバランス加減

民間人と兵士が入り乱れる戦場は生々しく、ぐちゃぐちゃながら緊迫感を感じさせる戦闘シーンも秀逸。臨場感を出すためのPOV風カメラワークはゲロ吐くほど揺れまくるものの、パッと見B級感丸出しのクセになかなかどうして立派な戦争映画じゃないですか。

ただしこのジャンルの映画は『なんちゃら武器があーだこーだ』『兵器にリアリティがどーのこーの』と面倒臭いウンチクを垂れるオタ野郎が湧きやすいため、本作もそりゃもう賛否両論あったり。

わたしゃ米軍の銃器に関して小難しいことはわかりませんが、たしかにエイリアンに関してはツッコミたくなる気持ちも理解できますなぁ。

地球に攻め込んでくるほどの科学技術を持ちながら、なぜか地球の兵器レベルに合わせた『戦争ごっこ』に付き合ってくれる優しさと、大事な前線司令本部を敵陣のど真ん中に建造するという大胆さ。たしかにこんなエイリアンは過去に見たことがない。

まぁ結局のところ本作は数多くの戦争映画と同じく、『アメリカ軍はつえーぜ』もしくは『アメリカ軍はかっこいーぜ』をアピールする事が大事なので、このくらいがちょうど良いのでしょう。エイリアン来襲系SFでガチリアルを追求したら米軍なんぞ即全滅で地球も壊滅ですもの。

ところがそのカッコいい海兵隊員さんが、「コイツらの弱点を探るんだ!」と、エイリアンを生きたまま刺したりエグッたり解剖したりってのはいかがなものでしょう。

たしかに彼らにジュネーブ条約は適用されないとは思いますが、人道的、いや異星人道的にあまりにもエゲつないような…(汗)

しかも「弱点は右胸だ!」と判明した後も、さほどそれが活かされていないという(笑)

超個人的な戯言感想

圧倒的な戦力差で瞬く間に国土を焼き付くされてしまったアメリカ軍。

こんなに絶望的な状況でどうオチをつける気?…とハラハラしたものの、やはり最後はかなり苦しいご都合展開でしたなぁ。

さすがにあのレーザー誘導はいろいろな部分で適当すぎる。

いえいえ、素人がオタ知識でケチをつけているわけではないですよ。わたしゃ自衛官時代に『87式対戦車誘導弾』というレーザー誘導兵器を使う部隊にいたもので。

とりあえずあれで『はい、エイリアンは全滅しました。ちゃんちゃん』としなかったのは安心しましたが、だからといって

優秀で献身的な海兵隊員は、休む間もなく再び戦場に赴くのであった…

と、ここにきてなお『米軍さいこー』『海兵隊員かっこいー』のオチにされると、さすがに屁をぶつけたい気持ちにもなりますな。