音を立てたら即アウト…だったりそうじゃなかったりの『映画/クワイエット・プレイス』でネタバレを含む戯言。本国批評家の評価は好調なものの、日本国内では意見真っ二つ。まぁたしかにツッコミどころだらけですからね・・・。
今回は非常にアホなツッコミでわっしょいわっしょいするような内容になっていますので、生真面目な方、本作を貶すような発言を不快に感じる方は今すぐファミリーマートでファミチキを買ってきてください。私のぶんも。
クワイエット・プレイス
2018年 アメリカ
キャスト:
エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュープ
監督:ジョン・クラシンスキー
脚本:ブライアン・ウッズ、スコット・ベック、ジョン・クラシンスキー
あらすじ
2020年。メキシコに落下した隕石からクリーチャーが出現。
彼らは目が見えないものの鋭敏な聴覚を持っており、音を立てた人間を次々に襲い、人類は絶滅の危機に瀕していた。
そんな中、手話を用いることで生き残ってきたアボット一家。
会話をせず、靴は履かず、道には灰や砂を撒き、一切音をたてないようにして暮らしていたが・・・・子作りはしっかりとするのだった。
・・・この状況で!?
といった流れで、息をするようにツッコミどころを連発してくる作品。
キャストで戯言
主演はエミリー・ブラント。
比較的多くの映画に出演しているので知っている方も多いかと。しかし個人的には『映画/LOOPER ルーパー』の印象しかありませんな。
そして旦那さん役はジョン・クラシンスキー。さらに彼は監督も務め、脚本・製作総指揮にも加わっているという多忙っぷり。さらにリアルでエミリー・ブラントの旦那さんだったり。
家族モノ…というか登場人物はほぼアボット一家のみ(一瞬だけババァ、ちょっとだけジジィ(どちらも他人))なので、父母に娘(ミリセント・シモンズ)と息子(ノア・ジュープ)のみでお話は進みます。おっと、もう一人息子がいますが、それはネタバレるので次項にて。
劇中で聴覚障害者役を演じているミリセント・シモンズですが、彼女は実際に聴覚障害があるそうな。
そういえばなんでしたっけ・・・そうそう、あの『映画/エスター』や『映画/バイオハザードV リトリビューション』に聴覚障害のある子役として出演していた、めちゃくそ可愛いアリアーナ・エンジニアも実際に聴覚障害者とのことでした。
親しい友人にも聴覚障害の方がいるのですが、彼女らってホントすごいのよね。まるで「聴こえていない」を感じさせないほど自然にこちらの意図を察したりとか。
掟破りのネタバレ戯言
とりあえず鑑賞前の時点で『音を出したらヤバい映画』って事は皆さん承知の上かと。
しかしこの『音』に対する線引きがアバウトを通り越してテキトーの域に突入。えらく遠い場所の音も聞きつけて襲ってくるかと思えば、シャカシャカと走る音はOK。まぁこのへんは映画ですから許容範囲ですな・・・と思いきや、終盤は「音関係ないやん!」と言いたくなるような展開だったり。
足音を立てないように『野外でも常に裸足』ってのも設定こだわってるなぁ・・・と思う反面、靴履いてもさほど音は変わらないのでは…という気持ちも。いや、板の上を歩いたりしたらコツコツと音が出るか・・・じゃあみんなクロックス履けばいいのでは!?…などと雑念が頭をよぎってまるで映画に集中できない(笑)。
しかしそんな雑念も、冒頭のアレですっ飛びますさ。まさかの・・・
映画的に最も殺しちゃダメなキャラを真っ先に殺すという掟破りの展開
これはテンション上がりましたわい。え!?え!?そこからいくの!?と。
子供と犬をどーのこーのすると面倒な輩から批判意見が沸きやすいというのに…。
しかし序盤がクライマックスで、あとは『物語が進むにつれて面白さが減少。反比例してつっこみと変な展開は倍増』の流れはなんとも言えず。
ラストの「じゃあみんなやっつけたるぜ!」のカシャコンキメを「ゾクゾクした」「カッコ良かった」と評している方もいるのであまりこんな事は書きたくありませんが、あの締めは個人的にはもはやコメディ。「はぁ・・そうですか・・・」の余韻を残されただけでございました。
ツッコミ祭り会場
さぁみんな、真面目な話は忘れて!ツッコミ祭り会場はココだよ!
映画のアレコレにつっこみを入れるのは無粋な行為。そこを受け入れて鑑賞するのが大人の嗜みというもの。
しかしそこに山があれば登らないわけには行かず、満員電車でミニスカートの女性がいれば尻を触らないわけにはいかず、映画に激しいツッコミどころがあればツッコまずにはいられないのが人間の性(SAGA)ってもんです。
揚げ足取りと下品なネタが嫌いなヤツは帰った帰った!ここはアホな戯言が好きな変人のパラダイスだぜ!
…ってな感じで、ちょっとよろしいでしょうか。
『音はダメ!?じゃあオナラはどうすんの!?』
スカしなら大丈夫か?いやでもスカすつもりが予想外に音が出ちゃう事ってあるじゃない!
学校の朝礼で猛烈にオナラがしたくなり、どうにかスカしてやりすごそうとしたのに、よりによって校長が話に間を空けた無音の時に「プッ」ってなっちゃったことあるでしょう?ない?私はありますよ、2回も。
『こんな状況で妊娠!?しかしそれはそれで…』
どう考えても無理でしょ!?産声は?夜泣きは?赤ちゃんは泣くのが仕事ですよ!…と、これは鑑賞者100人中108人が思ったであろう疑問。まぁ子孫を残さんと滅亡するからね。近親だけど。
しかし「夜の営みはどうしたの?無音で?無言で?」という疑問が湧きませんでした?わたしゃ即思いましたよ。だって一般的な営みは音も声も出るもんですし。
ところがどっこい、よく考えてみりゃこれが『あの状況で妊娠!?』を解き明かすカギになるじゃないですか。過去の経験(最近でも可)を思い出してみて下さいよ、音も声をだしちゃいけない状況下でのプレイって、やたらと興奮しません?友達何人かで集まって呑んでザコ寝した時とか…。隣の部屋に家族がいる時とか…。
そういう時って興奮でいつもよりも大量に出たりするじゃないですか。そりゃ妊娠も…(以下自粛)
『弟の決断早すぎね!?』
魚獲りに行くのも怖がるほどのビビリーだった弟マーカス。
しかし父の教えで成長し、母の緊急時には見事花火を打ち上げるミッションをコンプリート。男子三日会わざれば刮目して見よ、とはこの事ですな。
それにしても…父が子を守るため、自らを囮にしてバケモンを引き付けた時の「よし!今だ!」の決断の早さよ(泣)(しかも父のほうを見もしない)
感情に流されず合理的に判断。実にシビアで良いですな。父ちゃんも草葉の陰で喜んどるよ。
でもわざわざ叫ばんでも、斧をどっかに投げて音を立てるとかでも良かったと思うよ、たぶん。
『”奴らの弱点は何か”→銃でした』
最後の最後で判明するバケモノの弱点、それは『音』
この『音』が特定の周波数なのか共鳴等なのかは詳細不明ですが、音を立てないことを最重要課題とした物語で最終的に敵の弱点が『音』だった…というのはなかなか悪くないですな。
これでバケモノを撃退していくのか・・・って結局ショットガンぶっ放すんかーーーいっ!(笑)
判明。奴らの弱点は『銃』でした。おいおい、なにやってんだ各国の軍隊。
祭りの後…
上記以外でも作中で気になりすぎた点を挙げればキリがなく、
『早く釘をなんとかしろよ!気になってしょうがねぇよ!!・・・って最後の最後まで活かされないんかーい!!(意図的な演出かと)』
『入口にマットレスのフタじゃ、バケモン乗ったら落ちるじゃねぇかー!』
『なんでいつの間にか赤ん坊のフタ開いて酸素マスクまで取れてるんじゃー』
『サイロの沈み方が不自然だな・・・って、今度は鉄の扉を乗せても沈まないんかーい!』
『川の近くならちょっとの音は平気。滝の近くなら叫んでも平気。じゃあ川沿いに住むのが良くありませんこと?』
などなど、全てにツッコミとアホな戯言を書いていたら原稿用紙20枚分にはなりそうなので、ごくごく一部のみでお祭りを開催致しました。
お帰りの際はゴミは持ち帰るようお願い申し上げます。
クワイエット・プレイス2(続編)は?
最後にちょっと続編のネタも。
本作は2021年に『映画/クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のタイトルで続編が公開されています。検索で紛らわしいのでできれば『2』を付けて欲しいですな(原題はクワイエット・プレイスⅡ)。
気になる内容はココでは伏せますが、生き残ったキャストは続投。さらにあのキリアン・マーフィも出演しており、彼のファンとしてはたまりません。
続編の予告編動画はコチラ。
超個人的な戯言感想
…というわけで、無粋極まるツッコミ祭りになってしまった『映画/クワイエット・プレイス』の戯言。
かといってつまらなかったわけではございません。たしかにちと雑すぎるとは思いましたが、物語の基盤は面白く家族愛の描写も感動がありましたので。
まぁ他のレビューサイトを見ても、そりゃもう嵐のようなツッコミが吹き荒れていますので、そういう作品として楽しむのが良いという事ですな。