多くの賞を受賞したスペイン映画『EVA〈エヴァ〉』でネタバレ含む戯言感想。なにやら「予告編がカッコ良すぎると話題に…」てな事があちこちに書いてありますが、別に普通の予告編のような気が・・・。
ちなみに検索の際、『映画』に続いて『EVA』と入れても、カタカナで『エヴァ』と入れても、ずらーっと出てくるのは『エヴァンゲリオン』だったり…(悲)
EVA〈エヴァ〉
2011年 スペイン
キャスト:
ダニエル・ブリュール
クラウディア・ベガ
マルタ・エトゥラ
アルベルト・アンマン
ルイス・オマール
監督:キケ・マイーリュ
脚本:セルジ・ベルベル、他
ネタバレ無しのあらすじ
ロボット科学者のアレックス(ダニエル・ブリュール)は、かつて途中放棄した子供型アンドロイドの研究を継続するため、10年ぶりに故郷の大学へと戻ってきた。
当時恋人だったラナ(マルタ・エトゥラ)はすでに兄ダヴィッド(アルベルト・アンマン)の妻となっており、二人の間にはエヴァという風変わりな娘(クラウディア・ベガ)も。
エヴァの自由奔放な性格に惹かれたアレックスは彼女を新型アンドロイドのモデルにしようと考えるのだが・・・。
キャストで戯言
スペインの作品ということもあり、多くの方は『キャスト』と言われても知らん人ばかりだとは思いますが・・・それなりの映画マニアにとってはスペイン映画はハリウッド映画に次いで馴染み深かったり。
主演はこの人、ダニエル・ブリュール。
『映画/グッバイ、レーニン!』でブレイクし、その後も多くの映画に出演しているらしいのですが・・・なぜか私は初顔合わせ。どうも初めまして。
その元恋人で今は人妻、しかも兄妻なので義理の姉という禁断の相手はマルタ・エトゥラ。
スペイン映画を見るといつも出演しているお馴染みの人、という印象ですが、意外に出演作品は多くないのね。
兄役アルベルト・アンマンもあっちこっちで見ている気がしますが、こちらもそれほど大量に出演しているというほどでもなく。個人的には『映画/プリズン211』の”ノーパン”のイメージが強すぎ。
さぁさぁ、皆さまご注目のエヴァのお話にいきましょう。
演じるは映画初出演のクラウディア・ベガ。
この年にして女の色気まで感じさせる演技に、変態ペド野郎も大興奮。あの可愛いおみ足にグリグリ踏んでもらいたいオッサン続出かと。
残念ながらその後はさほど映画に出演することもなく、今ではすっかり成長。どうにか現在の彼女を見ようと『クラウディア・ベガ インスタ』で検索する方も多いようですが『Claudia Vega』で一番上に出てくる方は別人。その下のほうに出てくる『Claudia Vergara』が似ているように見えますが、これまた別人。
2021年現在、彼女のインスタアカウントは発見できません。大人しく諦めましょう。
エヴァでゴリ押し
アンドロイドや人工知能を搭載したロボットを主題とした映画は数多く存在しますが、本作『EVA』はその中にあっても特別印象に残るようなシナリオではなく。
まぁそれなりにありがちなストーリーで、ありがちな展開となり、ありがちな結末を迎える。疑似生命という存在の悲しさや、技術だけが先行してしまった人間の倫理などを問う作品にはなっているものの、予想の範疇を出ない仕上がり…というのが正直なところ。
しかしそんな『ありがちアンドロイド作品』でありながらも、日本で大きな話題となったのはやはり『エヴァが可愛すぎる』という俗っぽい理由なのでしょうなぁ。
スペインでは多くの賞にノミネートし受賞もしている本作ですが、実際のところエヴァ役のクラウディア・ベガは全く受賞しておらず(ノミネートのみ)、ゴヤ賞・ガウディ賞で助演男優賞をダブル受賞したのはマックス役のルイス・オマールだったり。
やはり一般層にはオッサンよりも少女のほうがウケが良いということですかな。
たしかに『1体アンドロイドを貰えるとしたら、どのタイプが良い?』と聞かれて「オッサン型!」と即答するのは年上好きな女性か、相当マニアックな性癖の男性だけでしょうよ…。
アレックスよ…
日本国内でもかなり有名で鑑賞者も多い作品ですので、ネタバレ系のブログ記事も大量。今さらここで内容に関して真面目に考察したところで二番煎じにしかなりませんので、どうでも良い話でもしましょうか。
冷静になって考えてみると、アレックスの行動って・・・
- 10年前の研究は途中で放棄
(恋人が引き継いで完成させる) - 恋人ほっぽり出して外国へ
(傷心の恋人は兄がゲット) - 呼ばれてホイホイ帰ってくるなり元恋人に未練タラタラ
(義姉だぞおい) - 結局兄夫婦の関係にヒビを入れる
(不倫ダメ、ぜったい) - 10歳の少女に執着してストーカー
(お巡りさんこの人です) - 今回の研究も再び途中放棄する雰囲気
(投げ出すクセは治らんらしい) - 結果、元恋人は亡くなってしまう事に
(つくづく報われない人) - エヴァも悲しい事実を知り、機能停止
(目を閉じると何が見える?)
…って、あんたの行動が一連の原因になっとらんかい??
なぜ10年前に研究を捨てて外国へ行ったのかは詳しく描かれてはいませんし、仮に彼が戻ってこなかったからといってエヴァや兄夫婦がずーっと幸せだったとは限りませんが・・・それでもやはり彼の行動が悲劇を招いたのでは?という思いは拭えず。
この後、研究を継続して完璧な『S・I・9』を完成させる可能性も大いにあるでしょうが、それはそれでどうなのかと。
結局のところ、『人間に近いロボットなんぞ作るもんじゃない』って話ですな。この手のテーマで文句無しのハッピーエンドになった話は聞いた事がありませんし。
超個人的な戯言感想
私もぶっちゃけ幼女や少女にハァハァする性癖を持っているはずなのですが、なぜか本作のエヴァは刺さらなかったんですよねぇ・・・。
それゆえ、純粋に『作られた生命の悲劇・人間の倫理観』への投げかけだけが残る作品でございました。
うーむ、ちょっと小生意気なところがダメだったのか…。