映画『エクス・マキナ』AIと人間の境界線…ネタバレほぼ無し

少々マイナーな作品、『映画/エクス・マキナ』で戯言を。今回はストーリー的なネタバレはほぼ含んでいませんが、主人公に関してのみチラッと考察しています。

しかし「戯言を」とか言ってみたものの、扱うテーマは非常に重く、聖書の内容にまで言及しなければならないような作品ですので…うむむ、困ったぞ。

エクス・マキナ


2015年 イギリス

主なキャスト:

ドーナル・グリーソン
オスカー・アイザック
アリシア・ヴィキャンデル
ソノヤ・ミズノ

監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド

ネタバレ無しのあらすじ

検索エンジンで有名な巨大企業『ブルーブック社』でプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、社内抽選により社長ネイサン(オスカー・アイザック)の山荘を訪問、滞在できる権利を獲得する。

広大な敷地を誇る山荘を訪れたケイレブは、そこで『人工知能の実証実験』に協力する事となるのだが…彼の目の前に現れたのは、高度な人工知能と機械の身体を持つ美しい女性型ロボット・エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)だった。

・・・といった内容の作品。

考察すれば小難しい話に…

とにかくエンターテイメント的な『SFロボットもの』とは異なる作品ですので、単純に「高度な知能を持ったAIによる反逆」とか「人間とAIの恋物語」とか…そんなノリで話せる内容ではありません。

登場人物の名前と役割も旧約聖書に関係しており、そこを解説するだけで一苦労。さらには人工知能というものへのアプローチも難解かつ哲学的ときていますから。

うーむ、困りました。読んでいる人が疲れてくるような文章を書くのは、こっちだって疲れます(汗)

…という事で、そういう小難しい話はそういう文章が得意な方にお任せしちゃいましょう。「映画 エクス・マキナ」でググれば、それはもう面倒臭い解説を並べてくれている方はたくさんいますし。

そういった博識な方に白い目で見られながら、鼻で笑われながら、くだらない戯言を垂れ流すのがココの流儀です。

…という事で、低レベルなお気楽話となります事をご了承下さい。「そりゃ了承できねぇな!」という方は存分に罵って下さい。ぶって下さい。ハイヒールで踏んで下さい。

ケイレブもAI?

さてさて。『我思う、故に我あり』なんて言葉もありますが…その『思う』こと自体が何者かによってプログラムされ、捏造された記憶に基づくとしたら…それでも『我あり』と言ってよいのだろうか。…そんな事までつい考えてしまうこの映画。

小難しい話はしないと断言したので深くは追及しませんが、ちょっと冒頭にも書いたように『主人公ケイレブ』に関して掘ってみようかと。

彼もAI(人造人間)であった、という考察はいかがでしょう。

オチでしっかりと明言しているわけではありませんし「いや違うだろ」という意見もごもっとも。

しかし可能性として、そういうのもアリなんじゃないかなと思うわけです。そう考えてしまう理由は細かいものを含めれば多々ありますが、大きい物だけ挙げてみますと…

  • ケイレブの背中には不自然な傷跡がある(しかも左右対称の位置にあるように見える)
  • エヴァとのセッションに使用している仕切りガラスのヒビと、ケイレブが鏡を殴ったヒビ。
  • 親もいない恋人もいない。どうやら友人はいるようだが、携帯端末での交流しか描かれていない。
  • エヴァの「私が失格ならば廃棄。ならあなたは?」との問い。

…になるでしょうか。

しかし背中の傷は幼少期の事故(両親を失った事故)によるものだと考えられますし、親も恋人もいない人間など世にたくさんいます。

ケイレブの背中の傷
(C) Universal Pictures

エヴァの問いも単純に『機械は失格ならば廃棄。なぜ人間は廃棄されないの?』というAIの疑問であるとも考えられます。

ヒビなんて人間だろうと機械だろうとブン殴れば同じようなヒビになりますし、むしろエヴァとの仕切りガラスのほうが鏡なんぞよりよっぽど強固に作られているでしょうから、同等の力で殴ったならば同様のヒビになっているほうがおかしいとも言えます。

しかし登場人物の名が聖書に関係している…という点で考えると、聖書に登場するCaleb(カレブ・ケイレブ)は預言者モーセの命を受けてカナンの地を偵察した密偵になります。本作のケイレブもブルーブック社以外のどこかが送り込んだ密偵(本人にその意識は無いとしても)なのでは…。

もしくはネイサンによる『自分は人間だと思い込んでいるAIに、AIのチューリングテストを行わせる』という試みだったのでは…。

…などなど、膨らむ想像は尽きません。まぁそのどれもがその気になればあっさり否定できるレベルですし、「もしかしてこうなんじゃないの!?」という妄想を楽しむ域を出ないんですけどね。

映画ってそのように「鑑賞者が推測で勝手に世界を広げる」ってのも楽しみ方の一つじゃないかなと思うわけです。

個人的な戯言感想

物語としてはスッキリする終わり方ではありませんし、全体的にモヤモヤとした何かを残されてしまうような『映画/エクス・マキナ』、研究所を脱出した後のエヴァの動向も含めてアレコレと妄想するにはうってつけの作品とも言えます。

それにしても技術の進歩ってのは怖いですなぁ。もし今こうやってバチバチとキーボードを叩いている私も、そういう記憶を植え付けられて生み出された人造人間だったとしたら…なんて考えてしまいます。

しかし人生を思い返してみると「変態的な体験」が多々ありますので…これがもし誰かの手によるプログラムだとしたら、設定した人はかなりのド変態ですな(笑)