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毒々しいパッケージとタイトルから「こりゃグロ耐性必須のエグいヤツだろ!」と思わせつつ、実は全然そうでもない腑抜け作品『映画/ラプチャー 破裂』、ネタバレと感想・独自評価を含みますのでご注意下さい。

例えて言うならば…

店の看板からエグいゲテモノ料理を期待して入ったのに、目の前に出されたのは普通のラーメン…いや、むしろ普通以下のコクの無さ。それなのになぜか美味そうなチャーシューが1枚(ノオミ・ラパス)だけ乗せてある。

そんな感じの作品です。

ラプチャー 破裂


2016年 アメリカ

主なキャスト:

ノオミ・ラパス
ピーター・ストーメア
ケリー・ビシ
マイケル・チクリス

監督:スティーヴン・シャインバーグ
脚本:スティーヴン・シャインバーグ、ブライアン・ネルソン

ネタバレ無しのあらすじ

とにかく蜘蛛が嫌いなシングルマザーのレネー(ノオミ・ラパス)は、ある日見知らぬ男たちに拉致され、怪しげな施設へ連れ込まれる。

そこで待っていたのは『被験者が最も恐れるものを与える』というヘンテコ実験。

レネーもそれなりに蜘蛛攻めを受けたりするものの、物語の大半は中途半端な脱出スリラー。

果たして彼らの目的は?

…といったダルい内容をノオミ・ラパスが体当たり演技で頑張る作品。

キャストで戯言

どうしてココに彼女が配置されているのか、謎なほどに浮いているノオミ・ラパスが主演。

登場から茶髪をゆるふわに下ろしたバージョンでの登場は喜ばしいですなぁ。この髪型だと可愛らしく見えるのに、いつもの黒髪キッチリ結びバージョンだと一気にオバチャン臭さ&顔の大きさが目立ってしまって…。

残念なことに物語ラストはそっちに変わっちゃいますけど。

そして彼女以外は『THE・B級映画!』といった面子。

誰?という俳優の中にピーター・ストーメアが混ざっている時点でB級確定です(笑)

解説許さぬカオス感

おそらくこの映画を選んだ方の多数が

よーし!今日はエグいのいったるぜ!

…と覚悟を決め、胸やら何やらを膨らませて鑑賞を開始した事でしょう。私もそうでした。

ところがどっこい、始まってみればさほどエグい描写もグロい描写もなく。

わけがわからない展開がダラダラと続き、やっと渾身のCG蜘蛛が出てきた!!…と思ったら早めに撤収。その後は通風孔の中をいったりきたりの脱出スリラー。

それにしてもアチラの映画って通風孔で移動するの好きよね。しかもどの作品も不自然に内部が綺麗すぎるという(笑)

さらに序盤に感じた『いったい彼らの目的は?破裂って?』といったドキドキ感を長く引っ張りすぎるため、観ているこっちは中だるみ。

あまりにもずさんな設定と内容に膨らんだ期待はすでにしぼみ、ただただ「よくわからない展開を見せつけられる」という苦行には、鑑賞しているこちらのほうが破裂してしまいそうですな。

結末を解説?

結局のところ、謎の集団の正体は『人間ではない、なにか』という事が判明。

彼らが行っていたのは…

人間の中にある遺伝コード「G10-12X」を、その人間が最も恐れるものを与え続ける事により破裂させ、新たな生物へと進化させる。

…という、なんだこりゃ実験。いや、すでに何人も成功しているようですので…実験ではなく「仲間を増やす行為」ですな。

レネーは彼らの狙い通り素質があったようで、最終的にそちら側に仲間入り。

ついでに息子にも素質があるだろう…となるも、レネーはまだ人間の感情が消えていないために捕らえようとしてみたり逃してみたり。

まぁそのうち完全にこっち側に変化するさ…で終幕となります。

結局のところ、序盤に先輩拉致被害者が教えてくれた『いいか!G10-12X』を忘れるな!!』という、物語の鍵を握っていそうなセリフは…

全くなんの役にも立たない、どうでも良い戯言でした(笑)

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そんな事よりも途中に出てきた『レネーの卵子は人間の精子を受け入れない。我々のDNAだけを受け入れるのかもしれない』という話はどうなっちゃったんでしょう。

え?という事は…旦那さんはコイツらの仲間だったの!?息子はハイブリッド!?…とか思ったものの、その件に関しては一切語られず。

「恐怖を乗り受け入れた先に、進化がある」というのは奥深い気がするのですが、そんな事を言う気が失せるほどのグダグダ感に、ただただ疲れてしまいました…。

個人的な戯言感想

…というわけで『映画/ラプチャー 破裂』、完全に見た目のインパクトだけのハッタリ野郎でした(笑)

エグいわけでもグロいわけでもなく、だからといって正統派SFホラーとして鑑賞できるわけでもなく。ならばB級ならではのチープ感を楽もうか…と思っても、それもイマイチ。

唯一の救いであったノオミ・ラパスもラプチャー成功後はいつもの「黒髪ぴっちり化粧ケバめ」という残念スタイルに変わってしまい、ドコに救いを見出して良いのかわからない作品でした。

うーむ、相当な変態映画を期待していたんですけどねぇ…。