ちょっと古めの1987年『映画/ハンバーガーヒル』でネタバレ戯言。ベトナム戦争をリアルに描いた作品ですので、ドラマティックな展開もなければ衝撃の結末もなし。ぶっちゃけ”ネタバレ”と言えるようなものでもありませんけど。
ハンバーガーヒル
1987年 アメリカ
キャスト:
ディラン・マクダーモット
コートニー・B・ヴァンス
アンソニー・バリル
ドン・チードル
監督:ジョン・アーヴィン
脚本:ジェームズ・カラバトソス
ネタバレ無しのあらすじ
ベトナム戦争真っただ中の1969年。
アシャウ渓谷にある通称937高地、ドン・アプ・ビアを確保するため、アメリカ101空挺師団は果敢な攻撃を繰り返していた。
そこはあまりの激戦に兵士のミンチが積み上がっていくことから『ハンバーガーヒル』とまで呼ばれている丘。
…という実在の作戦をテーマに、マーフィー軍曹(ディラン・マクダーモット)と若い新兵による悲惨な戦場を描く作品。
リアル系ベトナム戦争映画
戦争映画といえば第二次世界大戦をテーマにしたものが多いですが、それ以外となると最近では中東諸国を舞台としたものが主流。
しかし私が子供の頃は戦争映画と言ったら『ベトナム戦争』が定番、ジメジメとした湿地で泥まみれになりながらエゲつないブービートラップだらけの密林を進む…という、近年の戦争映画と比べりゃ非常に絵ヅラが暗くて陰惨とした作品がいくつもあったわけです。
その中でもリアル路線よりで描かれているのがこの『ハンバーガーヒル』という作品。
戦争映画なのかヒーロー映画なのかわからんような作品も多い中、淡々と兵士の日常と戦闘を描いた本作には英雄もいなければドラマティックな展開もない。ただただ丘を攻めては戻り、攻めては戻り・・・延々と同じような戦闘が繰り返されるのみ。
本作を鑑賞すると、あの有名な『プラトーン』などがいかに”映画的”であったかを思い知らされますなぁ。
この通称ハンバーガーヒル、ドン・アプ・ビア高地へのアメリカ空挺師団の侵攻は『アパッチ・スノー作戦』と呼ばれていた実在の作戦で、”ハンバーガーヒル”という通称も当時実際に呼ばれていた呼称とのこと。
古い作品だけあり、近年の映画ならば暗に示唆するようなメッセージを露骨にセリフで表現したりと、悪く言えばイモ臭い作りが気になりますが…それでも戦争の悲惨さや前線兵士の惨状はひしひしと伝わってくるのではないかと。
ツッコミどころは多々あるものの、最近の『カッコいい戦争映画』に慣れきった若者にもぜひ見ていただきたい1本ですな。
超個人的な戯言感想
わたしゃ中学生の頃、片っ端からベトナム戦争映画を見まくった時期がありまして。
この『ハンバーガーヒル』もその時に出会った作品で、当時のお気に入りの1本。
ところがほとんど中身を忘れてしまったらしく、「こんな映画だったっけ?」と困惑。覚えていたのは照明弾を右目で見るとか左目で見るとかのくだりだけでした。うーむ。
なにはともあれ久しぶりに見たベトナム戦争モノ、小綺麗な砂漠戦にはない陰惨な雰囲気は懐かしいですし、装備もこのあたりのものが最も魅力を感じますな。近代兵器は洗練されすぎていまいち好きになれませぬ。