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世界的にベストセラーとなった同名絵本が原作の「映画/かいじゅうたちのいるところ」。

私は絵本というものに全く興味がない子供だったので、初めて聞いたタイトルなのですが・・・かなり有名なんですね、これ。

内容もなにも想像できませんが、とりあえず不思議世界や寓話が好きなので選んだ1本です。

かいじゅうたちのいるところ
(原題:Where the Wild Things Are)


2009年 アメリカ

主なキャスト:

マックス・レコーズ
キャサリン・キーナー
マーク・ラファロ

声の出演:
キャロル:ジェームズ・ガンドルフィーニ
KW:ローレン・アンブローズ
ダグラス:クリス・クーパー
アイラ:フォレスト・ウィテカー
ジュディス:キャサリン・オハラ
アレクサンダー:ポール・ダノ
ザ・ブル:マイケル・ベリーJr

監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:ディヴ・エガーズ、スパイク・ジョーンズ

原作はモーリス・センダックの同名絵本

ネタバレ無しのあらすじ

とある冬の日。やんちゃな少年のマックス(マックス・レコーズ)は姉にかまってもらえず、一人雪で遊んでいた。

友達と出かけようとする姉にちょっかいを出してみるも、結果としては悔しい思いをするハメに。母親はマックスを愛してくれてはいるものの、母子家庭のため仕事は忙しく、なかなかかまってくれない。

そんな日々の中、不満が募ったマックスは母親と喧嘩をし家を飛び出してしまう。

一人さまよい歩き、ボートを見つけたマックスはそれに乗り込み海原へと漕ぎ出していく。そして航海の末にたどり着いた場所は、毛むくじゃらで大きな「かいじゅうたち」が住む島だった・・・。

・・・といった内容の作品。

キャストと声優で戯言

主演のマックス・レコーズですが、私はこの作品よりも「映画/アイム・ノット・シリアルキラー」を先に観ていたので・・・成長した姿を知った後に、子供時代の彼を見る事になりました。けっこう整った顔だったんですね、子供時代は。

成長後も決して不細工ではありませんが、だいぶ雰囲気が違うのでイマイチ同一人物感がありません(笑)

成長したマックスを観たいならこの映画だ!
しかし内容は子供向けじゃないぞ!(笑)

映画『アイム・ノット・シリアルキラー』老人の正体は?

やられました。先入観って怖いですね。てっきりこの「映画/アイム・ノット・シリアルキラー」はサイコな殺人者の話だと思ったのですが・・・まさかそっち方向の映画だった…

実質、生身の人間として目立つキャストはマックス(マックス・レコーズ)と母親(キャサリン・キーナー)のみ。

姉はまともに出番がありませんし、母親の恋人もチョイ役です。しかしなぜここにマーク・ラファロ!?一瞬しか出番ないのに・・・ものすごく無駄遣い感があります(笑)

そしてこれまた豪華なのが「かいじゅう」たちの声優陣。

メインかいじゅうである「キャロル」の声はジェームズ・ガンドルフィーニ。私は特に思い入れはありませんが、出演作品も多い名優です。

それよりもなによりも、個人的に食いつき要素は「アイラ」と「アレクサンダー」。

フォレスト・ウィテカーとポール・ダノですよ!

なかなか良い声優っぷりでしたが、フォレスト・ウィテカーなら着ぐるみなしでも「かいじゅう」でイケそうですな(笑)

ここからネタバレを含むよ!!

モヤモヤ感が拭えない

冒頭、お姉ちゃんの友達に雪玉をぶつけて遊ぶくだりのマックスは胸が痛くなりました。

最初は楽しく遊んでいるものの、結局は過剰な反撃に遭い、せっかく作った雪の家が壊されてしまう・・・。なんか子供の頃の自分を見ているようでつらいです。

・・・と、共感できたのも最初だけ(笑)

寂しいのはわかるんです。かまって欲しいのもわかるんです。

しかしマックスの思考と言動はヒドすぎで・・・。もはや「子供だから」という域を超えた、ただの動物。まさに「かいじゅう」です。ケダモノ的な意味で。

そしてそのガッカリ感は「かいじゅうたちの島」にたどり着くとさらに加速する事に・・・。

とにかくその場の思い付きで嘘と作り話をペラペラと話す姿は、ガッカリを通り越して嫌悪感すら感じます。

たしかに子供ってこういうトコ、ありますよね。自分の想像の世界を現実のように話したり・・・そういうのは理解できるんです。

しかしやっぱりマックスは度が過ぎます。これではただの、ワガママで調子に乗った嘘つきとしか思えません。これじゃ誰からも相手されなくなるよ・・・。

とても惜しい・・・

最初は「わけわからん・・」と思った「かいじゅうたちの島」ですが…物語が進むにつれ、いろいろな事を感じる事ができます。

自分の中にある「こうあれば良い」という理想が満たされず暴れるキャロルは、まさにマックス自身の投影ですし、そのキャロルを大切に思いながらも、ボブとテリーという存在も大事にしようとするKWは彼の母親を表しているとも感じます。

泥玉合戦で過剰な攻撃にあい、もう嫌だと悲しむアレクサンダーの姿は、まさに冒頭に雪の家を壊されてしまったマックスの姿ですし、それをまったく察してあげることができず笑うマックスの姿はその時の姉の友人と同じです。

「足を踏まれると痛い。しかし、踏んでいるほうは痛みを感じない」

とある映画の中で聞いた、そんなセリフが思い出されました。

人の考え方は千差万別、それぞれに筋の通った理由があり、そしてそれは別の人間から見れば間違っていたりもする・・・。

そんな「現実社会で生きるうえで感じる葛藤」を、まさにこの「かいじゅうたち」の暮らしからも痛いほど感じます。重いっ、重いよこの映画。

ただ残念なのは、その「さまざまな事柄に対する暗喩」を、コロコロと立場を変えて表現してくるのがもったいないと感じました。これでは「なんかココのかいじゅうたちは情緒不安定だなぁ。。」と感じてしまいそうです(笑)

意外に大人向け

どうもフワフワというかモヤモヤが拭えない作品ですが、グッと胸を打つ場面もありましたし、深く考えさせられるテーマも感じました。

「いやー、めっちゃ感動した。良かった!」とは思えませんが、むしろそれが良いのかもしれません。

CGではなく昔ながらの着ぐるみ方法を使用した「かいじゅう」たちも非常に魅力的でした。VFX処理で作られた顔が不気味とか気持ち悪いとかいう感想がありそうですが、私としては「めっちゃ可愛い・・・」と萌え要素でしたよ。特にKWとか(笑)

絵本が原作というからてっきり子供と観れる映画かと思っていたら、ゴリゴリの大人向け作品でしたね。

うーむ。なんか今回はくだらない戯言をならべられない1本になってしまいました。

やはり尻とか胸の谷間とか変態とかが出てこないと、文章の調子がでないようです。。。