『グランドイリュージョン2/見破られたトリック』カーテンの向こうは…

『映画/グランドイリュージョン 見破られたトリック』でネタバレ戯言。原題は「Now You See Me 2」となっていますが、邦題では2が抜けているのはなぜなんでしょう…。

残念なことに前作『映画/グランドイリュージョン』は「見た目だけで中身スカスカの映画」という感想になってしまいましたが、決して作品そのものが悪かったわけではありません。悪いのは変な方向に煽りすぎる宣伝のあり方ですよ。

しかし今回は同じ轍は踏みませんぞ。

グランド・イリュージョン/見破られたトリック
(原題:Now You See Me 2)


2016年 アメリカ

主なキャスト:

ジェシー・アイゼンバーグ
マーク・ラファロ
ウディ・ハレルソン
デイヴ・フランコ
リジー・キャプラン
ダニエル・ラドクリフ
ジェイ・チョウ
マイケル・ケイン
モーガン・フリーマン

監督:ジョン・M・チュウ
脚本:エド・ソロモン

ネタバレ無しのあらすじ

イリュージョンを駆使し、隠された悪事を暴くマジシャン集団フォー・ホースメン。

1年以上の潜伏期間を経て、再び動き出した彼らのターゲットは巨大IT企業オクタ社。携帯事業の裏に隠された陰謀を暴露するためにイベントの乗っ取りを行ったホースメンだが、何者かの手により計画は覆され、追われる立場となってしまう。

どうにか用意していた逃走経路を使って脱出する一同、しかしなんとたどり着いた先は遠く離れたマカオの地であった。

身柄を拘束されたホースメン達は、ウォルター(ダニエル・ラドクリフ)という男から「オクタ社で新開発されたチップを盗め」と脅迫じみた以来を受けるのだが・・・

・・・といった内容の作品。

まずはネタバレ無しのお話から・・・

キャストとトリックで戯言

前作に引き続き、今作もやたら豪華なキャスティング。ホースメンの4人は続投・・かと思いきや、ヘンリー役のアイラ・フィッシャーだけ離脱。

個人的にジェシー・アイゼンバーグは坊主のほうがヘタレ感が少なくて好きですな。

そして今作はマイケル・ケインモーガン・フリーマンマーク・ラファロなどの大物俳優に加え、あのハリーがポッターする映画でお馴染みダニエル・ラドクリフが登場。

もっと変人な方向で攻めてくれるかと思いましたが、意外とまとまったキャラでちょっぴり残念…。

さてさて。

記事冒頭でも触れましたが、前作『映画/グランドイリュージョン』を鑑賞した際に私が犯した失敗は、

「いったいどんなトリックが?必ずタネを見破ってやる!」

…と、リアル系謎解き映画のつもりで鑑賞してしまった事。

結局、後からネタばらしされるトリック(冒頭の銀行強盗など)は全て簡単に予想可能でしたし、では「いったいどうやったんだ!?」と目が点になるような部分(手錠の付け替えなど)に関しては一切トリック説明なし。…というか理屈で説明できるようなタネなどなく、単に見た目を楽しむだけの演出という。

「まるで魔法のようなトリックを楽しむ映画」

ではなく、

「まるでトリックのような魔法(VFX効果)」

を楽しむ映画だった…という拍子抜け感。これを「見破れるか!?」と、まるで謎解き映画であるかのように宣伝するってのはもはや詐欺ですぞ。

とうわけで、今回の『映画/グランドイリュージョン 見破られたトリック』は最初からそういうリアルな謎解きは期待していません。

ただただ純粋に、カッコイイ映像を楽しもう!というスタンスで鑑賞開始です。

ガチリアル系だと思ったら、ただの偽トリック映画でげんなり…の前作記事はこっちだ!

相変わらずツッコミ満載

さぁなんでも来い!!もう頭を使って観たりしないぞ!

…と意気込んで鑑賞を開始したものの、最初からアレやコレやとツッコミたくなるような展開が目白押しで・・・(汗)

本当に”映像としては”面白いんです。カッコ良いんです。

しかし相変わらずリアルさは無い。

前作の時もそうでしたが、いかにもリアル系っぽい雰囲気をだしているところが…うーむ。

だからこそ驚きもあるし引き込まれる部分もあるのですが、ガチでリアルを期待してしまうとただの駄作じゃないですか。適度に「これはスタイリッシュな映画だから…」という気持ちを持っておかないと危険。もはや「魔法映画もしくは超能力映画」と割り切って観ても良いくらいですな。


ここからネタバレを含むよ!!

やはり中身スカスカ

とにかくチップを盗むくだりの、カードのやり取りがネチネチしつこい。

なぜあえて「取り調べを受けている最中の人間」にカードをポンポン渡していくのよ。というか、取り調べている側の人間の目がフシ穴過ぎません?

でもいいんです。ここは頭からっぽにして「ワーオ!!」と楽しむシーンですから。まぁこの映画は全編通してそういうシーンだらけですけど。

相変わらず予想通り

終盤、かなりの大どんでん返しとして用意されていたであろう「飛行機は実は飛んでいなかった」というネタ。

しかしこれもすぐに予想できてしまうような簡単すぎるトリックじゃないですか…。

飛行機に乗って「機外に落としてやる!」の時点で、どうせ人工降雨機と巨大扇風機でも使って騙してるんでしょ?と思ってみれば…完全にそのまま。もはや笑えるほどにバレバレですな。

前作の銀行から金を盗むトリックといい、得意げに「真相はこうでした!」とネタばらしするどんでん返しは全部簡単すぎるところは相変わらずですな。

予告編でも公開されている『雨を止めたり、上に登らせたりするトリック』もネタばらし(のような理屈付け)があるものの、こちらはちょっと無理がありすぎて種明かしとは言えない気が。

でもいいんですよ!全然いいんです。そういう映画だと思って鑑賞してましたから。

とにかく「おお!カッコ良い!」と、映像体験をする映画ですから。

カーテンの向こうに…

偉そうに「簡単ですぐわかった」とか言っておきながらも、中にはココに書くのも恥ずかしいような「勘違い読み」も多々ありました。

わたしゃ絶対に「メリットとチェイスは途中で入れ替わっている!」と読んでたんですよね。ウディ・ハレルソン演じるハゲとフサフサの双子です。

あれ?違ったか?と思うような場面もありましたが、やっぱり怪しい!と思うような場面も何度もありましたし。そのための「ウディ・ハレルソンの一人二役」だと思ってたんですけどね・・・いやー、お恥ずかしい。

そしてディランの父親、シュライクも実は生きていると思ったんですけどねぇ。

ウォルターが作中で語る「現代社会では匿名性こそが自由」という部分が伏線となっており、シュライクも世間的には死ぬことでアイの創設者となったのではないか・・・という予想だったのですが…。

最後、モーガン・フリーマンが実は父のパートナーだったという流れが来た時に「絶対出てくるぞ!」と思ったのに出てこず…。カーテンの向こうがどうこうの話が出た時には「そこにいるのか!」と思ったのに出てこず…。

またもや恥ずかしい勘違い読みで、もう穴があったらイリュージョンしたいくらいですな。

実際にマジック?

さてさて。この記事を書くにあたってアレコレ調べてみると、衝撃の事実がありました。

本映画の監督ジョン・M・チュウ曰く、

「本作は世界トップクラスのマジシャン達の助けを借りる事で、ほぼ特殊効果に頼らず、実際に俳優たちがマジックを披露している。CGを使ってしまえばなんだってできるけれど、なるべく実際のマジックを見せるために俳優たちを特訓したんだ。彼らは実際にスクリーン上でマジックを披露していて、過剰な編集はしていない。トリックの全貌を見せるんだよ」

とコメントしています。

はい?CGなどは「ほぼ」使ってないって?

いやいやいやいや、それはないでしょう。…ホント?

なにやらカードを飛ばしたりキャッチしたりの部分もプロ並みの技術を身につけて演技しているそうですし、ウディ・ハレルソンは実際に催眠術を使いこなせるようになったそうです。さらにマーク・ラファロに至っては「口から火を吹くマジック(それってマジックか?)を会得したらしいですよ(笑)

ではジェシー・アイゼンバーグが倒れてバシャーンと水しぶきあげながら消えたのは!?観客の股間からハトを飛ばしたのは!?デイヴ・フランコがカードに包まれて消えたのは!?

まさかそれらも全部リアルマジックだったのですか!?

個人的な感想戯言

どうも長いこと映画を観ているうちに、いつの間にか「話の流れがおかしな点、展開の矛盾点」といったものばかり目につくようになっていたようです。

どんなに面白そうな映画を観ても、そこに大きなツッコミどころがあると一気に冷めてしまったり、矛盾している部分が気になってストーリーに入り込めなかったり…。

しかしこの『映画/グランドイリュージョン 見破られたトリック』はそういう点を気にしない!と決めて観る事で、とても面白く鑑賞することができました。

細かい部分に関してアレコレ考察するのは大事ですし、映画の楽しみ方の1つではありますが、あまりにもそこに執着しすぎると「映画本来の楽しさ」を失ってしまう…という、映画鑑賞をするうえで大事な部分に気づかされる映画でしたな。

なにやら噂によると続編(グランドイリュージョン3)も出るそうですので・・・ぜひ次回作にも期待したいところですなぁ。