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前作『映画/マチェーテ』が予想以上に楽しめたので、かなり期待して鑑賞した『映画/マチェーテ・キルズ』でしたが・・・こりゃダメです。ロバート・ロドリゲスの悪いトコが目立つうえに、完全に二匹目のドジョウ狙いで続編ありきになっているところもダメです。

前作は「ただのネタだったのを、ホントに映画化しちゃった!」というところが面白かったのに、今作は狙いすぎ感が強くガッカリでした。。。

バカ娯楽アクション映画として、ふざけたノリで楽しめる前作はこっちだ!

映画『マチェーテ』グーでぶん殴りたくなる最高エンターテイメント

今回の1本は『映画/グラインドハウス』で冒頭に流された「偽の映画予告」を本当に映画化した…という『映画/マチェーテ』です。 もう生まれからふざけた映画ですが、その…

マチェーテ・キルズ


2013年 アメリカ

主なキャスト:

ダニー・トレホ
メル・ギブソン
ジェシカ・アルバ
ミシェル・ロドリゲス
デミアン・ビチル
アンバー・ハード
ソフィア・ベルガラ
カルロス・エステベス(チャーリー・シーン)
ウォルトン・ゴギンズ
キューバ・グッディング・ジュニア
レディー・ガガ
アントニオ・バンデラス
エレクトラ&エリース・アヴェラン
アレクサ・ヴェガ
ゾーイ・サルダナ
ウィリアム・サドラー
ヴァネッサ・ハジェンズ

監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:カイル・ウォード

映画『マチェーテ』の続編

ネタバレ無しのあらすじ

無敵のタフガイ・マチェーテ(ダニー・トレホ)は、アメリカ大統領から「メキシコにいるマルコム・メンデス(デミアン・ビチル)という男を探し、殺せ」という依頼を受ける。

ミス・サンアントニオ(アンバー・ハード)のサポートによりメンデスと対峙したマチェーテだが…メンデスの心臓はミサイル発射装置と連動しており、彼の心臓が止まればミサイルはワシントンへ向けて発射されてしまう。

唯一解除できる武器商人ヴォズル(メル・ギブソン)を探すマチェーテだが、そこには地球全土を巻き込む規模の陰謀が隠されていた・・・。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

無駄に豪華だった前作の流れを受け継ぎ、今作も豪華。本当に「無駄に豪華」です。

見てくださいよ、上の「主なキャスト」の欄を。当ブログ始まって以来最高記録の行数となりました。

しかし前作から続投のジェシカ・アルバに至っては、早々にフェードアウト。今回は彼女の至福の尻を拝む事はできません…。

大物悪役としてメル・ギブソンが起用されていますが、そこ以外にもチョイ役でアントニオ・バンデラスを使ってみたり、レディー・ガガを使ってみたり・・・無駄遣いにもほどがある。

そして『マチェーテvs最強美女軍団』と銘打つだけあって、それはもうムンムンでプリプリな女優が多数出てきます。このへんは、典型的アメリカ美女が苦手な私としてはちょっと萎え要素でした。

ちなみにチャーリー・シーンカルロス・エステベスという名でクレジットされていますが、これは彼の本名。ヒスパニック系をテーマとした作品なので、そのほうが良いだろうと本人が提案したそうです。


ここからネタバレを含む・・・ような気もするけど、今回は未鑑賞の方が読んでも大丈夫な内容だよ!!

冒頭から嫌な予感が…

映画開始早々にブッ込まれる『映画/マチェーテ・キルズ・アゲインinスペース』の予告。

これは『映画/プラネット・テラー』で前作マチェーテの予告を入れてきた流れと同じなのですが、なんかこう…前のように「嘘映画だよ!」という笑い要素ではなく、「次はコレを作るよ!」と狙ってきている感が漂います。うーん…そうじゃないんだよなぁ。

とりあえず「宇宙かよっ!」と笑う事はできましたので、本編もワクワクしながら鑑賞し始めたものの・・・

あれ?なんか今回、ちょっと寒くない?

…という空気が。

なんでしょう、全体的に笑いのパンチが弱いというか・・・中途半端というか・・・ある意味「ロバート・ロドリゲスらしい表現」なのですが、彼のダメなところを強く感じるというか・・・

唯一、最高に笑えたのは…

3Dメガネを着用してください

のテロップです(笑)

「え?え?3Dメガネ?そんなの用意してないぞっ!」と、ものすごくウケましたが、そこがこの映画最大かつ最後の笑いとなってしまいました。。。

非常に残念…

比較的ゆるい設定でベタに笑いアクションを追求してくれた前作と違い、本作はなんというか盛り込みすぎです。

早すぎる展開に加え、登場人物も多すぎ。いろいろな人物の思惑が絡み合っていくのは『映画』としては面白いのですが、この作品にはそういったものを期待していないので・・・もうちょっとシンプルなほうが笑えたのになぁ、というのが正直な感想です。

そして最大の残念ポイントは…

完全に続編(マチェーテ・キルズ・アゲイン)ありきで作っている

という部分。これは本当にがっかりでした。

この映画がウケたら、また作っちゃうかもね!という程度のノリでやってくれたなら良かったのですが、もう完全にストーリーが冒頭の予告『映画/マチェーテ・キルズ・アゲインinスペース』に繋がる形で作られているんですもの。

「前作がウケたから、さらに次も作りたい」という下心が透けて見えてガッカリです。あわよくばシリーズ化すら狙ってる感があります。

こういう事をやってしまうと、たいてい次は無しで終わるんですよね・・・。案の定、2019年現在『映画/マチェーテ・キルズ・アゲインinスペース』は公開されていません。おそらく世に出る事はないでしょう・・・。

惜しい人を亡くしました…

いやー、残念だなぁ…。

本来こういった映画はそれほど好きではないのですが、前作『映画/マチェーテ』はそんな私の殻をぶち破ってくれるパワーがあり、非常に期待していたんです。

ロバート・ロドリゲス作品自体好きではなかったのですが、彼を見直した映画でもあったのに…。

大手批評サイトRotten tomatoesでの本作の評価は4.5点(10点満点)、支持率は29%。「本作は前作の輝きを失っている」という評価だそうな。

いつも私とは意見が合わないRotten tomatoesですが、今回は同意です。

面白ければ「アゲインinスペース」もありえたでしょうに・・・ホント惜しい人(作品)を亡くしてしまいました。。。。