映画『アリータ:バトル・エンジェル』原作ファンも安心の出来?

今回の1本は人気漫画『銃夢』を原作とする『映画/アリータ:バトル・エンジェル』です。

日本の漫画・アニメを米国で実写化…というと、もはや黒歴史としか言えない『映画/DRAGONBALL EVOLUTION』が頭をよぎってしまい、嫌な予感しかしません(笑)

しかも私は原作の『銃夢』のファンでもあり、『銃夢 LastOrder』『銃夢火星戦記』も含めて全巻所有していますので・・・正直なところ実写映画化の噂を聞いた時は複雑な気分だったのですが…

アリータ:バトル・エンジェル


2019年 アメリカ

主なキャスト

ローサ・サラザール
クリストフ・ヴァルツ
キーアン・ジョンソン
ジェニファー・コネリー
マハーシャラ・アリ
エド・スクライン
ジェフ・フェイヒー
-クレジット無し-
エドワード・ノートン
ミシェル・ロドリゲス
ジェイ・コートニー

監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス

ネタバレ無しのあらすじ

2563年。

天空に浮かぶ街『ザレム』の真下、投下される廃棄物を利用して生きる人々が集う町、クズ鉄町(アイアンシティ)。

サイバー医師を営むイド(クリストフ・ヴァルツ)がいつものように廃棄物を物色していると、クズ鉄の中にまだ生きている少女(ローサ・サラザール)の頭部を発見する。

自宅へ持ち帰ったイドは彼女に機械の身体を与え、無事に意識を取り戻したのだが…彼女には記憶が全くなかった。

その少女にアリータと名付け、父親のように世話を始めたイド。

しかし彼女にはその可愛らしい容姿からは想像もできないような、秘められた過去があった…。

・・・といった内容の作品。

今回は映画のストーリーのネタバレは無いよ!!

パフォーマンス・キャプチャーという技術

いつもならココで『キャストで戯言』をねじ込み、出演俳優に対する超個人的な想いや戯言を垂れ流すのですが・・・今回はそれは後回し。

まずは本作品の見どころ、『パフォーマンス・キャプチャー』という技術に注目したいところです。

似たような言葉で『モーション・キャプチャー』なら聞いた事がある方も多いかと思います。全身タイツにピンポン玉がついたバカみたいな恰好でアレコレと動くと、CGモデルが同様の動きをする…というアレです。

パフォーマンス・キャプチャーはそれに加えて顔の表情まで取り込めるようになったもの。作品中でちょいちょいアリータがヒドい顔…いや、迫真の顔を見せてくれますが、それはローサ・サラザールの表情を取り込んで作られたものになります。

作品中ではフルCGで描かれているアリータですが、アクションも含めて大半をローサ自らが演じており、まさに彼女自身がそのままアリータだと言っても良いでしょう。

アリータの顔そのものは、ほんのりローサに似ているような気もしますが…やはりだいぶ修正というか整形というか作られたものになっており、特に異様な目のデカさには「大きすぎて気持ち悪っ!」とか思いますな(笑)

原作との違い

原作の『銃夢』はファンも多い作品ですので・・・って、スゴいなオイ。「がんむ」で変換すると「銃夢」って出るんですね。こりゃ作者の木城ゆきとも感涙ですな。

…と、話が逸れました。

漫画やアニメであろうと小説であろうと、映画化される際には原作とは異なる部分が多少出てくるものです。

本作ももちろん原作にはない設定が盛り込まれていたり、話の流れが違っていたりもしますが、私個人としては「原作の設定をしっかり生かしつつ、上手に映画としての流れを作ってくれたなぁ…」といった感想です。

しかし『イドは元既婚者!しかも子供もいた!は衝撃でした。。。

「アリータ」は亡くなった娘の名前であり、与えたボディも娘のために用意したもの。そしてアリータに対しても父としての愛情を注いでいます。このあたりは映画用にものすごく綺麗に変えてきたなぁ…と。

原作でのイドは、ガリィ(原作でのアリータ)に対して父親のような感情で接しつつも、ちょっと偏執的な愛でもあり・・・とチョイキモな部分がありましたし、賞金稼ぎを続ける理由も映画のように美しくはなく、彼自身が快楽殺人者の性質を持っていたりと…やはりチョイキモ(笑)

ヒューゴ(原作ではユーゴ)とのラブも非常に映画的に大人な雰囲気で表現されていますので・・このへんは嫌だと感じる方もいるかもしれません。

キャストで戯言

さぁさぁ後回しにしていたキャストで戯言です。

正直なところ…本映画の出演俳優に関しては全く期待しておらず、むしろちょっとテンション下がっての鑑賞でした。

主演のローサ・サラザールは『映画/メイズ・ランナー』に出ていたような気がしますが、とにかく顔が好きじゃない、表情が好きじゃない。体型が好きじゃない…と、良いイメージがありません。

クリストフ・ヴァルツ(イド)もキーアン・ジョンソン(ヒューゴ)も、どこかで見たかもしれないけれども全く知らない俳優です。

ジェニファー・コネリー(チレン)は知っている女優ですが、これまた個人的にお顔が好きじゃない。

ここまで主要人物に魅力を感じられないと普段であれば鑑賞がキツくなるものですが・・・あら不思議、本作品は意外とすんなり楽しむ事ができました。何故でしょう…。

しかしそれよりも何よりも、この『映画/アリータ:バトル・エンジェル』はクレジット無しのキャストが豪華というかなんというか…。

ウケ狙いのような容姿で、盛大に笑ってしまった『ノヴァ』ですが…なんとエドワード・ノートン!?

そしてアリータの記憶の中で登場する師ゲルダは…ミシェル・ロドリゲス!!これは鑑賞時は全然気づきませんでした。

さらにほんのチョロっとしか顔が出てこないモーターボールのチャンピオン、ジャシュガンはジェイ・コートニーでした(笑)

ストーリーも続編ありきのような形で終わりますし、これは次回作に向けての撒き餌のようなものですねぇ。

ついでにロバート・ロドリゲス監督の常連、ジェフ・フェイヒーもしっかり出演しています(犬使いマクティーグ役)

これを機に原作を…

実写化作品は原作を知らないと全く楽しめない場合もありますが、本映画は原作知識が全くなくても大丈夫、知っていれば+αの面白さが加わるという作りになっています。

もし原作を読んだことがなく、この映画をきっかけに興味が湧いた方がいれば…漫画のほうを読んでみるのも良いですよ。元祖『銃夢』のほうはけっこう古い作品ですが、新装版が発売されています。

ついでに本編のその後を描く『銃夢 LastOrder』、さらにLastOrderの後日談と本編の前日談が描かれている『銃夢火星戦記』 という作品もあり、記憶の中に出てきたゲルダ(ミシェル・ロドリゲス)はこの火星戦記で登場する人物になります。

美味しゅうございました

さてさて…鑑賞前は心配だった『映画/アリータ:バトル・エンジェル』ですが、蓋を開けてみると予想以上に『映画としてしっかり楽しめる作品』でした。

若干登場人物の薄っぺらさが気になる部分もありますが、モーターボールのアクションシーンも迫力がありますし、『CG+生身の人間』の映像も違和感なく作られています。

最近仕事が忙しくてちょっと映画から離れていたのですが、久しぶりに爽快な面白さを堪能できる作品で助かりました。

原作ファンもそうでない方も、SFファンもサイバーパンク好きも、観ておいて損はない作品だと思いますよー。

なおDVDは2枚組とか3枚組とか、そこまで必要か?と思えるパッケージングで発売されていますので、マニアな方は保存しておきましょう(笑)