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今回の1本は…もう完全にB級映画としか思えないタイトルの『映画/トマホーク ガンマンvs食人族』です。

ホント、邦題を考える人のセンスは理解できません。。。

その胡散臭いタイトルと「ガンマン」「食人族」というキーワードから、派手なガンアクション連発のイケイケ映画を期待して鑑賞した方も多いかと思いますが・・・完全に予想の斜め上をいく激シブかつ地味な映像が大半を占める作品でして。

終盤までがダルい。眠い。そんな感想があっちこっちから聞こえてきそうです。

私はむしろ食人族が出てきてからより、道中のほうが好きでしたけど。

トマホーク ガンマンvs食人族
(原題:BONE TOMAHAWK)


2015年 アメリカ

主なキャスト:

パトリック・ウィルソン
カート・ラッセル
リリー・シモンズ
マシュー・フォックス
リチャード・ジェンキンス

監督:S・クレイグ・ザラー
脚本:S・クレイグ・ザラー

ネタバレ無しのあらすじ

荒野の田舎町ブライトホープ。

ある夜、八つ裂きにされた死体が発見され、それと同時に数人の住人が行方不明になる事件が発生する。

ハント保安官(カート・ラッセル)が現場に駆け付け捜査を進めると、それは食人行為を行う原住民の仕業であると判明。行方不明になった住民を救出するため、ハントは3人の仲間とともに原住民の潜む谷へと向かう…。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

序盤から登場人物がわらわらと増えるうえに、名前で呼ばれたり名字で呼ばれたりでちょっと混乱しますが・・・主要キャラは4人+α。

足が痛くてたまらないアーサー・オドワイアー役は個人的に大好き俳優パトリック・ウィルソン。彼はいつも不遇なキャラが多いですよねぇ…。奥さんに浮気されたり、奥さんに不倫されたり、奥さんを攫われたり…(泣)

自信家で気取ったイケすかない野郎ジョン・ブローダー役が、『ドラマシリーズ/LOST』のジャックでお馴染みのマシュー・フォックス。この人、いつもちょっと目がイッてるよね…。

殺伐とした道中を和ませてくれる愛されキャラ、チコリー保安官補佐はリチャード・ジェンキンスです。出演作品の多い名俳優ですが、個人的には『映画/モールス』での彼が好きでした。

そんな個性的すぎる3人を束ねるリーダー…というほどリーダーっぽさは発揮していないハント保安官がカート・ラッセル。もう説明するまでもない有名俳優ですな。

アーサーの奥さんサマンサを演じるのはリリー・シモンズですが、彼女は映画というよりもドラマ女優ですので知らない方も多いかもしれません。私もよく知りません。

淡々と続く展開に…

冒頭いきなりエグいカットから入る本作ですが、その後は淡々。

起承転結の「起」がちょっとだけインパクトがあり、「承」が延々ダラダラと長く、あまりにもハードすぎる「転」が来たかと思ったら、さらっと「結」で終わるような作品です(笑)

バキューン!バキューン!!ひひーん!!…といった西部劇を期待して見てしまった人は・・・それはもう眠い道中になることでしょう。チコリーがちょいちょい挟む戯言もうざいでしょう。

もしくはハードボイルドでカッコ良いガンマンの姿を壮大かつ盛り上がる音楽で見れると思っていた人は・・・テレビの音響設定を確認してしまうかもしれません。なにせこの作品、BGMはほんの一部分しかありません(笑)

または食人族のヤバさを存分に堪能したくて鑑賞した方は・・・大丈夫。それはもうエグいのが来ますから。最後の最後だけですけど。

とにかく『派手なエンターテイメント』を期待して観てはいけない作品です。

ここから少しだけネタバレを含むよ!

静から…

とにかく谷へと向かい始めてからの展開は「見る人を選ぶ」と言いますか…

代り映えのないカメラワークで特に盛り上がる場もなく続く道中。チコリーがどうでも良い会話を垂れ流す横で、アーサーはただただ足が痛い。

そんな流れが1時間近く続くわけです。

ここを「面白い」と感じるか「ダルい」と感じるか…どちらでした?私は幸いにも前者でした。

冒頭からセリフ遊びが多い作りになっていますが、谷へと向かう途中もちょいちょい挟まれる会話遊び感がとても好きでした。大半はチコリーなんですけどね(笑)

動へと…

さぁさぁ、この映画は谷へとたどり着いてから一気にギアチェンジ。

それまでの会話中心ロードムービーから、殺伐とした無情のバイオレンスへと早変わり。

原住民116人殺しのブローダーがあっさりとドロップアウトするのは衝撃でした。。。しかし最後の彼の姿は良かったです。グッときました。

そして良い子の皆さんトラウマの・・・

真っ裸にひん剥いて、頭部を剥ぎ取って、逆さにしてケツから二つ裂き!!!

という、強烈すぎるコンボが炸裂です。

ここ、そっち系に耐性が無い方にはかなり強烈だった事でしょう。

この手の映画に慣れた私も「おおっ、なかなかエグい…」と思いましたもの。そしてそれ以上に「おいおい、コレを奥さんでやってくれよっ!!」と思いましたけど(笑)

食人系映画は『映画/グリーン・インフェルノ』がよく引き合いに出されますが、私は幼少の頃に元祖『映画/食人族』でトラウマ食らってますので…グリーン・インフェルノはかなりマイルドな映画という印象でした。

しかしこの「秘儀・ケツから二つ裂き」は食人映画の歴史に残しても良いような、素晴らしい技なのではないかと。

いやだなぁ、こんな殺され方…。

この後、牢の中で急に「ノミのサーカス」の話を始めるチコリーですが…普通であれば「ああ、精神がおかしくなってしまったのかな…」と心配するところ。しかし、彼の場合はむしろ平常運転です(笑)

そして再び静かに終わる…

この状況にあの状態のアーサーが来てもどうにもならんだろー…と思っていたら、ハイハイしながらしっかりアーサーがみんなを救います。いったいどうやってあの崖を登ったんでしょう。。。

このへんは急に「映画的」な展開になってしまい、ちょっと萎えました。ヒーローものに比べれば遥かに泥臭くてリアルではあるのですが、ここまでの無情さが急にしぼんでしまったような…。

そして保安官はお腹にウイスキーボトルがめりこんだままの状態で一人残り、あと最低3人はいると思われる原住民とケリをつけてやるぜのカッコ良いキメ。

谷を後にした一行が振り返ると、遠く鳴り響く三発の銃声。保安官、あんた最後まで男だったよ…でエンドです。

うーむ「最低でも」3人なのだからもっといたかもしれないし、1発1殺だったとは限らないのに…石を捨てちゃうんだね、チコリー。

それにしても絶対チコリーは死にキャラだと思ったんですけどねぇ。無事に戻った後の話をしたり、死体をしっかり確認せずに背中を向けたり…何度も死亡フラグ立てるじゃないですか、彼。

まさか最後の最後まで生き残るとは。

しかし…彼がいなければ、ただの地味で重っ苦しい旅の果てに、殺伐としたエグい結末が待つ映画…となってしまっていたかもしれません。ありがとうチコリー。これから存分に風呂で本を読むと良いよ。

なにはともあれ私としては「十分にアリ」の映画でした。変な後味も残りますけどね…。

そういえば・・・奥さんから「女は2人。盲目で手足が不自由」という話が出たときに「あー、こりゃアレだろうな…」と思いましたが、しっかりとアレでしたね。一瞬ですがかなりエグいのが転がっていました。個人的にはアレが絵ヅラ的に一番ヤバい気がします。。。