『映画/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でネタバレを実話関連の解説を含む戯言。

テーマとなっているシャロン・テート事件を含め、予備知識無しで見ると本作は面白さ4割減。感想もイマイチになってしまう危険性がありますが、とりあえず無駄遣いで豪華なキャストとブラッド・ピットのカッコ良さだけでも見る価値があるやも。

ちなみに『ワンス・ア・ポン・ア・タイム・〇〇〇』という作品は数多く存在していますが、別にシリーズや関連作品ではありません。物語や童話の冒頭につけられる成句で、日本的な言い回しに変えれば『むかーしむかし・・・』的な意味合いとなるそうですぞ。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド


2019年 アメリカ・イギリス

キャスト(カメオ出演含む):
レオナルド・ディカプリオ
ブラッド・ピット
マーゴット・ロビー
アル・パチーノ
ニコラス・ハモンド
カート・ラッセル
ゾーイ・ベル
ティモシー・オリファント
ジュリア・バターズ
ダミアン・ルイス
エミール・ハーシュ
デイモン・ヘリマン
マーガレット・クアリー
オースティン・バトラー
ダコタ・ファニング
マイキー・マディソン
ブルース・ダーン
ロレンツァ・イッツォ
ルーク・ペリー
クリフトン・コリンズ・Jr
マイケル・マドセン
ジェームズ・レマー

監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ

ネタバレ無しのあらすじ

かつてスター俳優として名を馳せたリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、大きく変わっていく時代の波に取り残され、いまやテレビの悪役や単発出演のみに。

そして彼の親友でもあり、専属スタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)もまた、彼自身の過去や振る舞いにより仕事の無い生活を送っていた。

そんなリックが住む邸宅の隣には、あのロマン・ポランスキーと美しき妻シャロン・テート(マーゴット・ロビー)が住んでいたり。

そう、時は1969年。チャールズ・マンソン(デイモン・ヘリマン)による『シャロン・テート事件』が起きた年でもあり・・・

…という流れでフィクションとノンフィクションを織り交ぜつつ、ハリウッド世界を痛快に描くタランティーノの怪作。

キャストで戯言

いや無理無理、さすがに今回は無理よアナタ。

いつものように、

『メインの俳優』
『無名だけど出演シーンが多い俳優』
『出演シーンが少ないけど有名な俳優』

を紹介してしまったら、あっさり20人を超えてしまうってばよ。

…ですので今回は『超個人的・ピックアップ俳優』だけで戯言を垂れ流しましょうか。どうせマーゴット・ロビーとか好きじゃないし。

とはいえ主演の二人を省略するわけにはいきませんので、そこだけは押さえておきましょう。

ダブル主演はレオナルド・ディカプリオブラッド・ピット。一世を風靡した大物、しかし今は若干落ち目に差し掛かってきているところがまた良いチョイスですな。なにげに初共演だそうで。

とりあえずディカプリオは置いといて、本作はとにかくブラッド・ピットがカッコ良すぎるのですよ。

近年は変な髪型だったり、ゴリラのようだったり、どうにもカッコ良さが失われてしまっていた彼ですが・・・今回はとにかく最初から最後までカッコ良いシーンしかありゃしない。裸で屋根の上に立っているだけで絵になるオッサンなんて、なかなかいませんぞ

とにかく出演者数の多い作品ですが、その中でも個人的ドストライク俳優が2名。1人は出番多め、1人は「いた?」というレベルですけど。

まずは『映画/ヒットマン』で有名なティモシー・オリファント。劇中の西部劇でディカプリオと共演していたガンマンですな。

彼も歳を取ったらゴリラっぽさが増してしまいましたなぁ。

もう1人はクリフトン・コリンズ・Jrなのですが・・・知ってます?

同じ西部劇中、少女を人質にとり酒場で待ち構えるディカプリオの元にやってきて、酒場に入り交渉するルーク・ペリー・・・の隣にいた人なのですが、やっぱり知りませんか。有名なトコだと『映画/エクスペリメント』で半ズボン履いてた元ワル役ですぞ。

あとは…女性も少しいっておきましょうか。マーゴット・ロビー以外で。

後半、ディカプリオと結婚し、わけのわからん言葉で喚き散らす役の女性はロレンツァ・イッツォ

イーライ・ロス監督作品『映画/グリーン・インフェルノ』で主演を務め、そのままイーライ・ロスと結婚し、彼の作品に何本か出演した後に離婚した人ですな。

うお、長くなりすぎた。

ダコタ・ファニングは劣化し、逆に妹(エル・ファニング)のほうが可愛くなったね…という話にも触れようと思ったのですが、それは飛ばして最後に1人。

劇中でブラッド・ピットを気に入るちょっと頭のユルいヒッピー女(わき毛)。

演じているのは元バレリーナ&モデルのマーガレット・クアリー

映画出演は多くありませんが、有名漫画デスノートをハリウッド実写化した怪作『Death Note/デスノート』でミア・サットン(原作では弥海砂)を演じた人ですよ。


実話『シャロン・テート事件』

本作は1960年代末のアメリカ文化や事件・人物などの知識がないと、まるで意味のわからん部分や面白さが半減する展開が数多く存在。

せめて主題である『シャロン・テート事件』くらいは知っておきたいところですな。

有名な事件で調べりゃいくらでも情報が出てきますので、ここでは映画になぞらえてざっくりと。

ざっくり解説
『シャロン・テート事件』

1969年8月9日。

チャールズ・マンソン(劇中でポランスキー宅を訪ねてきた怪しいロン毛)率いるカルト集団(スパーン映画牧場に住み着いていた若者たち)の手により、ポランスキーの妻で妊娠中だったシャロン・テート(劇中ではマーゴット・ロビー)が殺害された事件。

チャールズ・マンソンはポランスキー宅に以前住んでいたテリーという男に恨みを持っていたらしい(訪ねてきたシーンがそれを示唆)。

実行犯はチャールズ本人ではなく、その信者の若者3名(ディカプリオ宅に押し入った3人)。

これを知っていれば『いずれマーゴット・ロビーは無残に殺されてしまう』という前提で物語を観ることになるため、映画館で自分の演技に対する客の湧きに喜ぶ姿など、彼女の無邪気さがなお切なくなるというわけですな。序盤に元カレからポランスキーに乗り換えた話の部分でも、「ここで別の男に乗り換えていれば・・・」と。

そして物語の佳境となる『レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットがカルト野郎どもを撃退!(やりすぎ)』のシーンも痛快さ倍増。

あそこはタランティーノの自身の「シャロン・テートを殺しやがってクソ野郎どもが!!」という魂の叫びが聞こえるような、実に彼らしい流れでしたなぁ。

これは賛否両論あると思いますが、私個人としては『綺麗ごとだけじゃ物事は変わらない。時には暴力でしか解決できない問題もある』という、タランティーノの持論は共感できますので、もうやったれやったれとテンションだだ上がり。

女をメタクソに叩きつける演出や、人種差別的発言の多さなど、面倒臭い人たちがあーだこーだと文句を言いそうな内容が多く盛り込まれていますが…それを悪びれることなく繰り出してくるタランティーノのやり口を楽しめるかどうか…も本作の感想に大きく影響してくるのでしょうな。

そしてお分かりの通り、本作は『歴史改変系』の物語。

架空の人物と実在の人物を上手に絡めながら史実に沿って話を進めつつも、最後にうまく歴史と辻褄を合わせることなく、思いっきりフィクションの方向に舵を切ってバカバカしいほどのハッピーエンドで締める。

タランティーノや彼の親友ロバート・ロドリゲスがお得意とする『バカなおふざけをガチでやる』の真骨頂ですよ。

二人ともたまにスベったり理解されなかったりしますけど。

超個人的な戯言感想

よほどアチラの文化や人物に詳しくないと、作中の小ネタ全てを理解することはできず、ちょいちょい流さざるを得ない部分が出てきてしまううえに監督はあのタランティーノ。

ただでさえ好みが分かれる監督がさらに日本人には理解しづらいネタで攻めてきているせいで、日本国内での評価は微妙。映画マニアや雑学に詳しい人間にはウケるものの、とりあえずディカプリオ&ブラピ目当てで観たような方には厳しいようですなー。

基本的にわたしゃタランティーノ監督作品は好きではないのですが、今回だけば別でした。「めちゃくそ面白かった」という、予想外の感想でしたもの。

最近の映画としてはやたら長い(約160分)だし、こりゃ途中で休憩を何度かはさみたくなるだろうな…と覚悟していたのに、まさかの最後まで一発完走。うーむ、ちょっとだけタランティーノを見直しましたぞ。

万人にオススメできる作品ではありませんが、映画好きならば押さえておくべき1本・・・といったところでしょうか。たぶん。