シュールでゆるいゾンビ作品『映画/デッド・ドント・ダイ』でネタバレ戯言。キャストは豪華で映画好きなら「おおっ!」と思う俳優だらけなのですが、肝心の中身は・・・うーむ。
好きな人は好きなんでしょうが…といった感じですか。ちなみに私はゾンビ映画好きというわけではございません。
デッド・ドント・ダイ
2019年 アメリカ
キャスト:
アダム・ドライバー
ビル・マーレイ
クロエ・セヴィニー
ティルダ・スウィントン
トム・ウェイツ
ダニー・グローヴァー
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
スティーヴ・ブシェミ
ロージー・ペレス
セレーナ・ゴメス
オースティン・バトラー
イギー・ポップ
サラ・ドライバー
監督:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
ネタバレ無しのあらすじ
のどかな田舎町、センターヴィル。
しかし極地における水圧破砕工事(詳細は不明)の影響で地球の自転にズレが生じ、センターヴィルでも日照時間が狂ったり動物がいなくなったりと不可解な現象が発生。
さらに死者が蘇ってゾンビ化し、住民を襲い始めて大騒ぎ。
センターヴィル署の署長クリフ(ビル・マーレイ)はじめとする3人の警官は騒乱をどうにか生き延びようとするのだが・・・。
・・・といった流れで、ゆるーくシュールなゾンビコメディ。
キャストで戯言
あまり映画に興味の無い方には「誰?」となりそうなキャスト一覧。しかしそれなりに映画好きならば「お?おおおっ!?」となるような豪華すぎる顔ぶれが揃っております。
メインとなる警官はビル・マーレイ、アダム・ドライバー、クロエ・セヴィニーの3人。
ビル・マーレイは『映画/ゴーストバスターズ』でお馴染みの大御所俳優。ゾンビと言えば『映画/ゾンビランド』シリーズにも出演していましたな。もうすっかりお爺ちゃんになっちゃってまぁ。
アダム・ドライバーは『映画/スター・ウォーズ』シリーズのカイロ(ベン・ソロ)でお馴染みらしいですが、わたしゃスター・ウォーズを1本も見た事ないのでわかりません。作中ではスター・ウォーズのキーホルダーを所持しているという遊び心も。
クロエ・セヴィニーは数多くの映画で『事務員』や『秘書』などのチョイ役で顔を出している地味な人です。
そして彼らよりも目立っている謎の女ゼルダ役に、これまた人気女優のティルダ・スウィントン。
上の予告編動画でもどーんと日本刀構えている姿がカッコいい・・・ですか?なにやら彼女がポン刀振り回して戦うというだけで大興奮しているファンもいるようですが、私はむしろ寒かったな、と…。
やはり彼女は『映画/コンスタンティン』の頭イッてる天使ガブリエルが一番好きです。
最後にもう1人。
ホラー映画マニアのガソリンスタンド店員を演じるのは、変な映画や変な役柄が多い変な人、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
『映画/アンチヴァイラル』での主演はなかなかのものでしたが、それ以外は目立つ役柄が少ないのが残念ですなぁ。個人的にかなり好きな俳優です。
ゾンビで戯言
本作は言わずもがなの『ゾンビ映画』
なぜかゾンビはコメディと親和性が高いようで、『ゾンビ・コメディ』というジャンルが確立されているほど。むしろ全く笑いを入れないゾンビ映画のほうが稀ですな。
冒頭でも書きましたが、私は別にゾンビ映画マニアというわけではありません。
これまでもゾンビ映画の戯言を多数垂れ流していますが、単に『バカっぽくて戯言を書きやすい』という理由と『ゾンビ好きは日本にも多いので、アクセスが集まるのでは?』というゲスい下心から。
そもそもゾンビ映画マニアって着眼点からして違うじゃないですか。
映画の感想にしても、ストーリーや演出よりも先に『ゾンビのタイプ』や『設定』『欠損の表現方法』など、あんたら頭どうかしてるんじゃないか的な部分を重要視していますし。
「このゾンビはクラシックタイプか」
「ランナーの出現はゾンビ映画に革命を起こした」
とか、何を言っているのかさっぱりわかりませんよ。
それならばまだ
「この尻はクラシックタイプか」
「Tバックの出現は尻フェチに革命を起こした」
のほうが深く理解できます。
本作のゾンビも『クラシックタイプ』に分類されるらしいのですが、切断時は血がブシャー!と出るのではなく、黒い灰がモヤーと漂うところが新鮮。ここらへんもゆるくてモヤモヤした世界観を演出しているのでしょうなぁ。よくわからんけど。
ゆるくシュールでスベる
さてさて。この『デッド・ドント・ダイ』という映画を一言で表現すると…
山無し、谷無し、ゆるゆるシュール。
しれーっと物語が始まり、しれーっとギャグっぽいネタを挟み、しれーっと意味不明な方向に展開し、しれーっと終わる。
「台本がー」とか「テーマ曲だからー」といったメタ視点のネタを入れつつ、「野生動物がー」「複数でー」をテンドンで披露し、当たり前のようにUFOを登場させ、物質文明や環境破壊に対する警鐘(非常に薄っぺらい)を交えつつ、黙って勝手に帰って行く。
そんな作品です。
この空気がツボる人ならばそれなりに面白いのかもしれませんが・・・・個人的にはまっっったくツボらず。あまりのダルさに眠くなり、開始20分で一度挫折。翌日リベンジしたほどです。
ガチでかましたギャグがスベる、ってのはよく見ますが、”スベっているシュール感”ってのは初めての体験でしたなぁ。
とりあえず知っている俳優だらけだからどうにかなったものの、これが全く無名の俳優のみだったら『ただただ寒いだけの超C級映画』で人生の残り時間100分をドブに捨てた気分になるところでしたぞ。
超個人的な戯言感想
個人的にはまるで楽しめず、ただただ眠くてつまらん映画でしたが・・・逆に『映画/ゾンビランド』などの「さぁここで笑ってちょうだい!!」的な押しの強いギャグが好みでない人ならば、このシュールでゆるい空気のほうが笑えるのかもしれませんなぁ。
わたしゃ無理でした。
…というか施設から逃げ出した少年少女、えらく中途半端なままその後を描かれずに終わっちゃったんだけど・・・どうなった?(汗)