今回はマニアック路線のルーマニア作品、『映画/ホイッスラーズ 誓いの口笛』でネタバレ含む戯言を。口笛(指笛)言語という、これまたマニアックな要素をテーマとした映画なのですが、時間軸や場面構成・演出にちょっぴりクセがあるので要注意。
そして『エロティック』の売り文句にも要注意ですぞ…。
ホイッスラーズ 誓いの口笛
2019年 ルーマニア
キャスト:
ヴラド・イヴァノフ
カトリネル・マーロン(メンギア)
ロディカ・ラザール
ザビン・タンブレア
監督:コルネリウ・ポルンボユ
脚本:コルネリウ・ポルンボユ
ネタバレ無しのあらすじ
一見堅物、しかし実は犯罪組織とも繋がりのある汚職刑事クリスティ(ヴラド・イヴァノフ)のもとに、一人の美しい女性(カトリネル・マーロン)がやってくる。
女の目的は収監中の組織の一員ジョルト(ザビン・タンブレア)の解放。
その作戦のため、クリスティはカナリア諸島・ゴメラ島へと赴き、『口笛言語』を学ぶハメとなるのだが・・・。
・・・といった流れで、時系列があっち行ったりこっち行ったりの映画。ぴゅーいぴゅい。
注!)予告編動画は公式外国語版
煽りとキャストで戯言
いつものようにキャストで戯言…といきたいところですが、ルーマニア作品という事もあり、出演俳優の話を書いても誰もついてこれないかと。
というか私もまるで知りません。誰ですかこのハゲは。
上の予告編動画で主人公の前にカブっている絵ヅラからもわかる通り、本作はカトリネル・マーロン(カトリネル・メンギア)のセクシーショットが拝めるというのが大きな売りなようで。なんでもヨーロッパでは超絶人気を誇るスーパーモデルらしいですぞ。ほえー。
しかし油断は禁物。
アメリカ映画でも、有名な美人モデルを起用し『〇〇〇〇主演!!官能のエロティック・スリラー!』てな謳い文句を付けた騙し映画が多いじゃないですか。
官能とか言っておきながら強引にシャワーシーンをねじ込んだだけだったり、多少ベッドシーンがあってもガッチガチに下着着用で生チチNGだったり…。
この『ホイッスラーズ 誓いの口笛』も『奇想天外でエロティックなクライム・サスペンスの傑作!!』なんてわけのわからん煽り文句をつけられているものの、当たっているのは『奇想天外』と『クライム・サスペンス』の部分だけ。エロティックは2分くらいしかありませんし、傑作も言い過ぎです。
この煽りを真に受けた男性諸君が下半身パンツ一丁、念のためにティッシュまで用意して鑑賞を開始しても、残念ながらスタンドアップできるシーンは冒頭のみ。あとは一切エロティックなシーンはございません。せいぜい水着の尻程度です。
とはいえその冒頭のシーンではしっかりと全裸で生おっぱい&生尻を拝めるうえに、音量を気にしてしまうほど激しく喘いでくれますので、ファイヤーしたい方はココに全てをかけましょう。…で、あとはしっかりズボンを履いて賢者モードで鑑賞しましょう。
なにせ時系列があっちこっちしますし、細かい演出や伏線も多数。煩悩に囚われたままではついていけませんぞ。
登場人物の考察と解説
何度も書いた通り、本作は時系列があっちに行ったりこっちに行ったり。
一応人物名をタイトルとした章仕立てになっていますが、そこはあくまで演出的な区切りとなっており、最初から最後まで時系列はあっちこっちステーション。登場人物それぞれに裏の思惑もあるため、人によっては「わかりづらい」と感じるかも可能性も。
・・・が、決して意味不明というわけではなく、しっかり話の流れを理解しやすい構成になっていますので、本作をチョイスするような方には問題ないレベルでしょう。
なにせこんなマニアック作品ですよ。
『エロティック』だけに釣られた愚かなオッサン(もしくは少年)は別として、「基本邦画しか見ませーん。もちろん洋画は吹き替えでーす」といった、にわか映画ファンが選ぶような作品ではない。
メジャー作品にはもう飽き、コアな作品ばかり発掘している映画マニアが大半なのではないかと。そういう方は理解力も高いですから。
とは言え・・・ココ『映画で戯言三昧』は、おっぱいだけに釣られて痛い目を見るような愛すべき愚か者の聖地。いかにもっぽい芸術用語を並べて講釈を垂れるような、評論家きどりの映画ブログと一緒にしてもらっては困ります。ちょっとわかりやすく人物の立ち位置や思惑を整理してみましょう。
さぁさぁ、まずはパンツを履いて下さいな。
主人公:クリスティ
・特徴:中途半端ハゲの無表情。
刑事でありながら犯罪組織とも繋がりのある、いわゆる汚職警官。
しかしそこは上司でもあるマグダ(コイツも真っ当とは言えない)も勘づいているようで、後半は彼を利用。要するに二重スパイの立場ですな。
後半は金よりもジルダの身の安全を優先するなど、不自然なまでに彼女にドハマりした様子。
ヒロイン:ジルダ
・特徴:美人・セクシー・ナイスバディ
犯罪組織の一員だが立場は謎。ボスの情婦というわけでもなく、誰かと血縁関係にあるといった描写も無し。
(一度パコ(親玉)と夫婦を装っているが、それはクリスティの母親に接近するため)
物語の鍵となるジョルトと恋愛関係にある…というわけでもないらしい。
とりあえず『美人』だけを売りにしたキャラで、いまいち何がしたいのかも微妙。
囚われの男:ジョルト
・特徴:地味
警察組織に勾留されている男。犯罪組織の大物パコいわく、「俺の右腕はジョルト。左腕がクリスティ」とのこと
もちろんクリスティとも旧知の仲で、裏金を渡したりもしていた模様。
組織の金を奪って逃走を計画していたが、失敗したうえに組織にもバレて追われる身。
ジルダがクリスティに持ち掛けた『ジョルト奪還計画』は、彼を救うためではなく金のありかを吐かせるためだったようで。
警察組織の上司:マグダ
・特徴:年増だけど美人、そしてクセモノ
クリスティの上司。違法な捜査もお構いなしの俗物。
終盤はクリスティの「金と引き換えにジョルトを解放しろ」という取引に応じるが、とりあえず彼を利用して犯罪組織を一掃、あとはクリスティも処理したれ…と。いやぁ素晴らしい。こういう人好き。
…と、主要なところはこんな感じですか。
話自体はそれほど複雑なわけではなく、
『組織の主要メンバー(ジョルト)の裏切り』
↓
『彼を追う組織は、癒着状態のクリスティを利用』
↓
『警察も犯罪組織と繋がっているクリスティを利用』
↓
『クリスティ本人は翻弄されるがまま』
という流れですな。
口笛言語という特殊な要素に比重を置いており、時系列もあっちこっちなので小難しい印象がありますが・・・冷静に見てみれば意外とシンプルなストーリーだったりします。
謎と細かい演出
これも特に解説する必要はないかもしれませんが、カトリネル・マーロンの尻ばかり見ていた方もいるでしょうし、細かい部分をざっくりと説明しておくと…
- なぜクリスティは監視カメラだらけの部屋に?
・母親のせいで、ジョルトから受け取っていた裏金を警察に知られたため。それ以前から疑われていたと思われる描写あり。
監視下にありながらもカナリア諸島へ長期滞在できている件は、「コイツを泳がせれば犯罪組織に繋がる」と警察が判断したのではないかと。
だったら高級娼婦の演技は必要なかったのでは…。 - モーテル『オペラ』の受付はなんだったの?
→ジョルトの協力者。彼がジョルトとマットレスに金を入れて運び出し、モーテルの19号室に隠していた。
なおジョルトはジルダも利用するだけのつもりだったようで、3人が仲間というわけではない。 - 話とは関係ないトコでピュイピュイ鳴いてない?
→この映画の隠し面白要素ではないかと。序盤から時折鳥の鳴き声のようなものが聞こえており、これが口笛言語となっているようです。
意味ですか?わたしゃ口笛言語を理解していないのでわかりません。 - クリスティ、なんで最後ハネられたん?
→クリスティをハネたのは、彼を隠しカメラで監視していた男。すなわち警察の人間でマグダ(女上司)の部下。
マグダはクリスティと裏取引しており、口封じのために命じたと思われる。
…といった感じですか。
あれれ、まだパンツ履いてないんですか。だからもうおっぱいは一個も出てこないってば。
超個人的な戯言感想
クライムサスペンスとしては悪くなく、ヨーロッパ作品だけあって人物描写も深め。若干消化不良な部分はあるものの、演出や構成が面白いので許せる範囲。
たしかに「面白かった!!」とは言い難いですが、「暇つぶしに見るならアリ」な作品ではないかと。
しかし最大の謎は…
クリスティはなぜあそこまでジルダに執着した?
なんですよねぇ。私にはもう、
美人だったから!1回ヤラせてくれたから!!
としか思えませんよ。
だってアレですよ?独身であの年齢、しかもハゲですよ?
恋人もいなくて冴えないオッサンが、あんな美人とあんな激しいプレイをできたら・・・そりゃドハマりもしますわ。だって彼、プレイ中もおっぱい吸おうとしてあしらわれたりしてたじゃないですか(笑)
そりゃ命がけで助けますよ。もしかしたらもう1回させてくれるかもしれないし、次はおっぱいも吸えるかもしれないじゃないですか。私だってあーなりますよ。
・・・といった感じで、露骨にゲスい話になってきたのでドロンします。これ以上書いたら、数少ない女性読者を失ってしまうかもしれませんし…。