果たしてこの作品を鑑賞した人間は何人いるのか。『映画/ユニコーン・クエスト 禁じられた森』はネタバレとかあらすじとか感想とか、そんな需要があるのかすら謎の超B級ファンタジー作品。
もう完全にハズレ映画を覚悟し、「どれほどハズレなのか観てみたい」という好奇心での鑑賞でしたが、それはもう予想通りに最高の最低っぷりで素晴らしい映画でしたぞ。
ユニコーン・クエスト
禁じられた森
2018年 アメリカ
劇場公開無し
2019年 ストリーミング配信にて公開
主なキャスト:
カリン・ブラウンス
ロバート・アムストラー
監督:リーア・ペレス、ジャジア・ペレス
脚本:ジェイミー・グレーフェ
ネタバレ無しのあらすじ
ブリジッド(カリン・ブラウンス)が森の中で目を覚ますと、そこには美しいユニコーンの姿があった。
「わーい、ユニコーンよー」と駆け寄るが、残念ながらそれは夢。
再び目を覚ますとブリジットは森に鎖で繋がれており、目の前には食人族が…。
…え?食人族?
・・・といった掴みから、唐突なストーリーをコスプレ紛いの素人演技で楽しむカオスな作品。
ネタバレ含むあらすじ
もう何をどう書いて良いのやら。
夢オチユニコーンで目を覚ましたブリジッドが「やだ!何この鎖!」と慌ててみせるものの、不意にブーツから鍵を取り出し『ドン・キホーテで売っているパーティグッズのような手枷』を外して逃走。
ここで不意に挟まれるモノクロのオープニングクレジット。
どうやらココはデオマノスと呼ばれる食人族(!?)の住処らしく、
『死刑となった囚人を森の木につなぐ』→『それを食人族がいただく』→『一般の民衆は安全。食人族もお腹いっぱい』→『みんな幸せ』
…という協定が結ばれている様子。
しかし謎のおっぱい女王とその側近らしき黒騎士は「囚人を提供しないというならば、民衆を食らうまでよ…」などと物騒な事を言っております。え?ブリジット達も繋がれていたし、それ以外にも何人も食われていたし、しっかり提供されていると思うのだけど…。
そしてこのいかにも大物、通常のファンタジー作品であればラスト付近に戦うハメになるであろう側近の騎士は…
これ以降一切出てきません
…というわけで、無事に逃げおおせたブリジッドはケルジョンと名乗る追跡者兼盗賊をお供に加えてみたり、お供じゃないけどついてくるビレン(戦士らしい)に出会ってみたりしつつ、ユニコーンを求めて壮大な冒険へと旅立つ事に。
…といっても代わり映えのしない森の中を、過剰に胸の谷間を強調しながらウロウロするだけですけど。
ツッコミ盛りだくさん
・・・てな感じの話を約70分間使ってダラダラと描かれる作品になります。
随所にスローモーションを駆使してみたり、緊迫感のある音楽で盛り上げてみたり、一生懸命に『壮大な冒険ファンタジー』を作り上げようという熱意は伝わってくるのですが…やはり多々あるツッコミどころのほうがたまらない。
- 歩くたびに揺れて落ちそうになユニコーンの角
- なぜか無駄におっぱいを披露したがるデオマノスの女王
- 女王は露出高すぎて寒いらしく、雪の中での撮影はプルプルと震えて可哀想
- 倒れたブリジッドに「とりあえず乳首晒しとくか」とサービスしてくれる食人族
- ブリジッドはプルプルと寒そうだが戦士ビレンは半袖なのに一切プルプルしない。さすが戦士
- 最後に登場するユニコーンは最初と違って『手作りっぽい手綱』を装備してのご登場。でも明らかに造花
- 夢の中で旦那さんと娘に会え…って、娘だけ人種違わない!?ホントに旦那さんとの子?
…と、これでもかというほどの『B級お楽しみ要素』が含まれていますので、そういった作品の楽しみ方をわきまえた紳士にとっては見応えのある映画かと。
超個人的な戯言感想
とにかく設定だけはしっかりしていますし、手抜き感もなし。単純に『作りたいものに対し、技術(と予算)が追いついていない』というだけで、やっつけ仕事の適当映画ではないという熱意だけは伝わってきます。
ぶっちゃけ『素人がコスプレして、それっぽいストーリーを付けて裏山で撮影したプライベートビデオ』みたいなもんですが、金をかけた有名作品のクセにこれよりもつまらない映画は腐るほどありますし。
時間も短いですし、ご飯食べながら気楽に見るも良し。彼女と笑いながら見るも良し。ただし食人族が人を喰うシーンなどは無駄にグロいのでご注意を…。