ネタバレ『映画/ANON アノン』黒髪アマンダに萌える戯言

個人の行動記録や記憶、視覚に至るまで第三者に閲覧されていたら…というディストピア系映画『ANON アノン』でネタバレを含む戯言を。作中、アマンダ・サイフリッド(セイフライド)が中途半端に裸体を晒してくれるというサービスもありますぜ、旦那。

ANON アノン


2018年 アメリカ・ドイツ・イギリス

キャスト:
クライヴ・オーウェン
アマンダ・サイフリッド
コルム・フィオール
マーク・オブライエン
ソーニャ・ヴァルゲル

監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル

ネタバレ無しの戯言

頭にチップでも埋め込んでいるのか、はたまた電脳化なのか…。

そのあたりの説明は一切ないものの、端末を用いずに脳内で通話・データ送受信ができるようになり、さらに市民の個人情報が国家機関に全て筒抜けになっている近未来。

バツイチ子無しのサル(クライヴ・オーウェン)は、とある殺人事件の担当となるが、それは犯人に関する記録がどこにも残っていないというありえない事件だった。

自分の痕跡を全て消去し、他人の視覚すら操る謎の女、ANON。果たして彼女は何者なのか…

・・・といった流れで中途半端なサイバー感を楽しむ、中途半端な近未来サスペンス。なぜかベッドシーンの裸も中途半端(下半身のみ)。

キャストで戯言

主演はアマンダ…と言いたいところですが、残念ながら常に画面に映り続けているのはクライヴ・オーウェン

やたらと顔のアップが多いカメラワークがムサくるしさを加速させおり、オッサン臭が匂ってきそうですな。

そんな加齢臭感を癒す一服の清涼剤が、皆さんお待ちかねのアマンダ・サイフリッド

華やかなブロンドヘアーのイメージが強い彼女ですが、本作はシックなダークブラウンでのご登場。個人的にはケバい金髪よりもこっちのほうが好みだったり。

わたしゃ古い人間なので「セイフライド」と表記するほうが馴染み深いのですが、今ではそっちを使う人は少なくなってきました。

メインの二人以外に「超有名」という俳優は出演していないものの、コアな映画好きならば一度は見かけたことがあるようなキャストもちらほら。クライヴ・オーウェンの別れた妻を演じるソーニャ・ヴァルゲルは、『映画/コレクター』ジョンQの奥さん役だった方ですな。


理屈抜きのディストピア

本作の脚本・監督はアンドリュー・ニコル。『映画/ガタカ』や『映画/TIME タイム』でも脚本・監督を務めており、独特な設定の近未来モノがお好きなようで。

しかし今回の設定は少々わかりづらい・・・というか雑。

『市民の個人情報は、警察組織(国家)により監視・検閲されている』
『視覚情報を含む個人の記憶も記録されており、閲覧可能』
『第三者との通話は脳内で。携帯電話等は不要』
『イーサと呼ばれる情報空間にも脳内接続可能。パソコン不要』

といったことを序盤の「こういう世界観ですよー」的な展開で説明してくれるものの、詳しいところは一切不明。何がどうなってそんな事になっているのかは語られないまま、ストーリーだけ淡々と進む流れ。

SF作品などの特殊な設定に関しては「論理的な説明が欲しい人」「余計な説明が多いと萎える人」に分かれると思いますが、私は圧倒的に前者なのでこの映画のような説明不足感はどうにも気持ちが悪い。チンポジが悪いままマラソンしている気分ですよ。

そして作品中に何度も用いられるサイバー演出も、これまた地味と言いますか…。

どこぞの洗脳系SF映画のような派手すぎるヴァーチャル空間もどうかと思いますが、本作の単色ワイヤーフレームのような絵ヅラはあまりにも寂しい…。

「いかにも近未来!」といった小道具も出てきませんし、タバコや服装、車両など、まるで未来感のない表現で構成されていますので、この地味さ&淡泊さはあえてやっていると予測されますが…個人的にはあっさりすぎて物足りない感も。

ちなみに、あらすじ説明がヘタクソ&バカな事で有名なAmazon Primeでは「匿名性も失われた近未来~犯罪さえも消滅していた」などと書かれていますが、決して犯罪そのものが消滅した世界ではありません。犯罪は発生するものの、個人の行動記録や視覚情報を全て検閲できるので犯人の特定が容易…という世界です。
(その結果、犯罪率は低下している)

ここからネタバレを含むよ!!

唐突なサービスシーン

『科学は進歩したが、大事な何かが失われてしまっている』という典型的なディストピアワールドを、色味の薄い世界と表情に乏しい人々で表現しているのは印象的で素晴らしい。クライヴ・オーウェンの枯れた演技、アマンダ・サイフリッドのクールな雰囲気も世界観を引き立てるのに一役買っており、絵ヅラだけ見ればとてもスタイリッシュで魅力的なSF作品と言えるでしょう。

…が、肝心の中身が『雰囲気重視』すぎてツッコミどころがありすぎ。

序盤のセリフが説明的すぎるのはまぁ我慢し、鬱々と抑揚のない展開を「そういう演出」とするにしても…

どうしていきなりベッドシーン!?

ANONがサルから受けた二度目の依頼。それが自分に会うための口実と見抜いたのは良いとして、いきなり身の上話を語るほど打ち解ける??さらに一緒にコカインをキメて突然のキス?…からのベッドイン!?なんですかその不自然なまでの主人公ごっつぁん!な展開は。

これが歳も近いイケメンならばまだしも、明らかに20歳以上離れているオッサン相手にいきなりそんなことになる??これじゃせっかくミステリアスな魅力のアノンが、ただのヤリ〇ン女じゃないですか。

さらにクライヴ・オーウェンの腰の動きがクイックイッと生々しすぎて、ちょっとドン引きですよ。

超個人的な戯言感想

うーむ。

視覚をハッキングされるという斬新(というほどでもない)な描写は見ごたえがあったものの、唐突な展開と底の浅さが気になってしまい、『大物俳優を起用した(だけの)雰囲気サイバーSFサスペンス』といった印象の『映画/ANON アノン』

とにかくサルとアノンを安易に男女の関係にしてしまったのが非常に残念ですなぁ。これでは安っぽい小説以下じゃないですか。せっかく奥深いテーマを孕んでいるのに、見せ方が薄っぺらいというのも惜しい。

それにしても『隠し事ができない世界』ですか…。

わたしゃ『他人に知られて困るような事は一切しない。してしまった事は知られてもかまわない』というモットーで生きているので別に困りませんが、やはり嫌な人は嫌でしょうなぁ…。