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やたらデカくてカッコいい女と、ポケットに右手つっこんだままの嘘つき小男の物語『映画/アンジェラ』、フランス映画はあまりにも芸術的すぎて意味不明な作品が多かったりしますが、本作はリュック・ベッソンらしくエンターテイメント性重視の優しい仕上がり。

しかしイロイロな部分で「まさかの展開」が目白押しで…いやー、そういう映画だったとは…。

アンジェラ
(原題:Angel-A)


2005年 フランス

主なキャスト:

ジェメル・ドゥブーズ
リー・ラスムッセン

監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン

ネタバレ無しのあらすじ

根性無しのクセにカッコつけの嘘つき、いきあたりばったりの生き方でもはやドツボにハマっているチビ男、アンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)。

マフィアから借りた金を返済するアテもなく、セーヌ川へと飛び込もうとしたアンドレだが…ふと横を見ると自分と同様に飛び降りようとしている美女がおり、さらにはアンドレよりも先に川へ飛び込んでしまう。

慌てて後を追って飛び込み、女を救い出したアンドレ。アンジェラと名乗るその女(リー・ラスムッセン)はアンドレに対し「私はあなたのもの。あなたに未来を与えてあげる」と告げるのだった…。

・・・といった内容の作品。

注)予告編動画は外国語版

キャストで戯言

主要な登場人物は二人、アンドレとアンジェラのみ。そのどちらも映画俳優としては有名とは言い難いものの、非常に特徴的と言いますか…一度見たら忘れられないような個性の強い二人でして。

アンドレ役のジャメル・ドゥブーズは素晴らしいクズ男っぷりを演じてくれていますが、『映画/デイズ・オブ・グローリー』ではなんとカンヌ国際映画祭・男優賞を受賞していたりも。うーむ、侮りがたし。

そんな彼、物語中はずーっとコートのポケットに右手を入れたまま。川に飛び込む時すら出しません。これはこの物語の大事な要素…ではなく、10代の頃に遭った事故の関係で彼は右手を自由に動かす事ができないそうな。演技中でもプライベートでも、右手は常にポケットに突っ込んでいるようです。

Googleで画像を検索すると右手を使っている写真があったりしますが…それは左右反転された写真になります。けっこうネット上には左右反転された写真が多いんですよね…(理由は長くなるので割愛)

そしてその小さい彼を導く、大きな女性アンジェラ役がリー・ラスムッセン。デンマーク出身のモデルになります。

いやー、イイですな!個人的に背の高い女性は大好物です。真偽の程はわかりませんが、調べたところによると彼女の身長は179cmとのこと。実に素晴らしいっ!ぜひ一緒に食事したりデートしたりあんな事やこんな事をしたいっ。

ちなみにアンドレ役のジャメル・ドゥブーズ、こちらも真偽の程はわかりませんが…ネット情報によると身長は165cmだそうです。えーと、日本人の成人男性でこのくらいだと…どうなんでしょう、普通くらいですか?ちょっと小さめ?うーむ、私にゃよくわかりません…。

それよりも昭和生まれの爺ぃとしては、アンドレが『若かりし頃の少年隊のかっちゃん(植草克秀)』に見えて仕方ありませんでした…。

ここからネタバレを含むよ!!

まさかの連発

皆様この映画、どういう心構えで鑑賞しましたか?

私は事前情報は全く無し。リュック・ベッソン作品だという事も知らず、さらにはフランス映画だとも知らず。単純にジャケだけでチョイスでしたから…そりゃもう「え?そういう映画?」の連発ですよ。

てっきりちょっとシャレたサスペンスアクション作品だと思ってみれば、もう開始早々から…

まさかのモノクロ映画

ですもの(笑)そしてクールでシリアスな流れかと思えば…

まさかのちょっぴりコメディタッチ

でフレンチ・ジョークをちょいちょい挟むという(笑)

ベッタベタのアメリカン・ジョークも馬鹿っぽくて嫌いではないですが、シニカルなフレンチ・ジョークのほうが好きな私には、このちょっぴり他人と自分を小馬鹿するような笑いはツボ。予想外ですが悪い気はしません。

そしてグダグダ男とサバサバ女の物語は進み…『私はあなたに未来を与えるため、天からやってきた天使なの』とかアンジェラが電波な事を言い始めるわけです。これ、てっきり『自称天使の変な女』という事かと思いきや…ええっ!?ホントに灰皿浮かせたっ!?

ここでまさかのファンタジー!?(笑)

しかも物語の流れとしては哲学的な要素を孕んだヒューマン、さらにラブロマンス的な雰囲気まで加わってきちゃうじゃないですか。いやいや、そんな作品とは夢にも思わんかったです。

例えて言うならば

ラーメン屋に入ってメニューも見ずに『日替わり定食!』と頼んだら、まさかの『ピザセット』が来た

…といった気分です。

なんでしょう、てっきりラーメンと何かのセットかと思ってたのに、まさかココでピザ食わされるとは…。しかしこのピザがやけに美味いという(笑)

予想外な展開と内容なだけに、私のように事前情報無しで鑑賞を始めた方には「期待ハズレ」となる危険もあるかと思いますが・・・結果としては悪くない。今日はラーメンの気分だったけど、まぁピザも好きですし。

しかしラストの天使覚醒の部分は…どうなんでしょう。そこに至るまでの展開がグイグイと引き込んでくれていたので、あそこで露骨に白目向いて羽まで生やしたのは…ちょっと(汗)

「彼女は本当に天使だったのだろうか?もしかしたら…」くらいの含みを持たせる終わり方でも良かったのでは…という気もします。

個人的な戯言感想

さてさて…

さらーっと見ると、『男はバカで情けないね、でも女は強いのよ!』という、頭スカスカのフェミニストが喜びそうなストーリーではあるのですが、まぁ彼の作品はそいういうのが多いですからね…。

ラストの展開に関しては少々モヤモヤするものの、それでも心地よい終わらせ方ではありますし、適度なユーモアと適度な興奮、適度な感動を与えてくれる良作だと思います。

万人にオススメ!とは言い難いですが、ちょっと通な映画好きならば押さえおいて損はない1本かと。私のようにデカい女性フェチな諸兄にもオススメですぞ。