今回もまた古い1本を引っ張り出してきてみました。『映画/ベスト・キッド4』です。
1でも2でも3でもなく、あえて4。最もベスト・キッドらしくない4です。
原題は4ではなく『The Next Karate Kid』となっていますので、もしかしたらこの流れでシリーズ化する気だったのかもしれません。恐ろしや…。
1~3まではまとめて記事にしてあるので、そちらが読みたい方はこちらでどうぞ。
ベスト・キッド4
(原題:The Next Karate Kid)
1994年 アメリカ
主なキャスト:
ヒラリー・スワンク
ノリユキ・パット・モリタ
クリス・コンラッド
マイケル・アイアンサイド
監督:クリストファー・ケイン
脚本:マーク・リー
ネタバレ無しのあらすじ
空手の達人であるミヤギが出会った少女、ジュリー(ヒラリー・スワンク)。
彼女は両親の死による寂しさから、荒れた態度で人と接するようになっていた。
ジュリーを救いたいと思ったミヤギは生活を共にし、空手を教え始める。
一方、ジュリーの通う学校では『アルファ・エリート』と名乗る暴力的な自警団が幅を利かせており…
・・・といった内容の作品。
注)動画は本編一部カット版となります
キャストで戯言
えー・・・ミヤギさん(ノリユキ・パット・モリタ)が相変わらずで素晴らしいです。
カリフォルニア生まれの日系アメリカ人二世なのに、カタカナ英語なのが素晴らしいです。
・・・そのくらいで良いでしょうか。
え?主人公?いやいや、そこには触れられませんよ。
だって…言えないじゃないですか。「まるでゴリラみたいな顔だ」なんて…。
スタイルも良いし笑うと可愛いのに、終始いがんだり文句を言ったりする役柄のせいで…もはや「どこかの部族の原住民」にしか見えないなんて…。
アカデミー賞女優であるヒラリー・スワンクに対して、そんな事はケツが裂けても言えません。
ここからネタバレを含むよ!!
相変わらずの…
古い映画というのは「なんだその話の流れはっ!?」とツッコミたくなるような展開が多いものですが、ベスト・キッドシリーズは全作通して無茶苦茶な流れがウリですので…本作でもしっかりと伝統を受け継いで、『なんじゃそりゃ展開』と『おかしな日本感』を炸裂させています。
孫娘を怪しい爺ぃに預ける、という選択肢。
故人である戦友のお宅に招かれ、奥様とお食事をするという流れでその家の孫娘ジュリーと出会う。
ジュリーは両親を失った心の傷から態度が悪いご様子。それをみたミヤギが彼女を救いたいと考える。
ええ、全然OKです。至って問題のない流れです。
しかし「祖母にはしばらくミヤギの家に行ってもらい、その間ジュリーとミヤギが一緒に暮らす」って・・なんだその流れはっ!(笑)
いきなり一人でカリフォルニアに行って他人の家に住む…ってのもどうかと思いますが、なによりも…
『孫娘と怪しい爺さんを一緒に暮らさせる』
って、保護者としてはどうなんでしょう。昔から何度も訪れて顔なじみだった…というわけでもないようですし、女の子ですよ!?
もしかしたら善人のフリしたド変態ジジィかもしれないじゃないですか。
(ゴリラっぽいけど)可愛い孫娘になにかあったらどうするつもりだったんでしょう、この祖母は。
相変わらずおかしな日本感
ベスト・キッドシリーズの素晴らしい伝統、それは『どこか変な日本』です。
現在でも洋画で描かれる『日本』はなんか変だったりしますが、昔に比べればだいぶマシになってきました。
しかし1984年制作の元祖『ベスト・キッド』で描かれる日本はそれはもう変。舞台を沖縄に移したベスト・キッド2にいたってはカオスの極み(笑)
そして本作でもその伝統を受け継ぎ、よくわからない日本の作法や思想、風習が炸裂しています。
よくわからない僧院、よくわからない食事、よくわからない思想。
食卓のゴキブリを殺そうとするのは『ダメ』で、せっかく居心地の良い草むらにいたカマキリを捕まえてきて無理やり木に移動させるのは『OK』です。
そもそも『禅』というものを勘違いしていますし、『日本=禅宗』というところからしておかしいのですが・・・そういうところがベスト・キッドシリーズの最大の魅力でもありますので、ある意味本作もバツグンの安定感でした(笑)
デレデレミヤギさん
空手を極めた事により、達観した思考を持つミヤギと言えども…やはり男。
どう見てもダニエルさんと練習していた時よりも、熱の入り方が違います。
着替え中に部屋に入ってしまってオタオタするあたりは可愛いのですが、徐々に距離が縮まっていくに従って、おかしな方向に熱が入っていっている気も…。
ダンスのステップを教えようとしているところなど、どう見ても『空手の練習にかこつけてセクハラしている爺ィ』にしか見えません(笑)
挙句の果てに「新しいパパとして…」とか言い始めてみたり・・・
お婆ちゃん、早く帰ってきてー!
やっぱりこの人ちょっと変態入ってるよー!!(笑)
ヘンな意味で好きなシリーズ
・・・と、いうわけで。
再度鑑賞してみたところで、相変わらずツッコミ始めたらキリのないカオスな作品でした。
プロムでのいきなりバンジーはなんだったんでしょう。
この話の流れだったら最後に『祖母と和解する』ってシーンが非常に大事だと思うのですが、そんなの描かれません。シリーズ伝統の『あっさりブツ切りエンド』です(笑)
ダニエルさんが出てこないので、個人的にこの作品はベスト・キッドシリーズとして認めてはいないのですが・・・いろんな意味でベスト・キッドらしいと言えばらしい作りになっていますので、しっかり過去作と合わせてDVD保管されています。
しかし今回改めて鑑賞してみて再確認したのは…
やはりベスト・キッドシリーズは、1~4通して全てどうかしている。
でした(笑)