今回の1本はティム・バートン作品の中でも評価の高い『映画/ビッグ・フィッシュ』です。
非常に感動できる作品として絶賛する人も多く、ミュージカル化までされており…アレコレと批判したら怒られそうな人気映画です。
いやいや私としても悪くないと思うんです。絶賛する人の気持ちも良くわかるんです。しかし、どうしてもダメな部分があり・・・鑑賞後は複雑な気分でした。。。
ビッグ・フィッシュ
2003年 アメリカ
主なキャスト:
ユアン・マクレガー
アルバート・フィニー
ビリー・クラダップ
ジェシカ・ラング
ヘレム・ボナム=カーター
アリソン・ローマン
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
ネタバレ無しのあらすじ
ウィル(ビリー・クラダップ)の父エドワード(アルバート・フィニー)は、自分の人生を奇抜な物語にして話すのが得意だった。
幼い頃はウィルも喜んでその話を聞き信じていたが、大人になるにつれて何かにつけて自分の話ばかりする父に嫌気が刺し、話も嘘であると思うようになる。
そんな中、自らの結婚式のスピーチでまで同様の話をする父に憤慨したウィルは、父に怒りをあらわにし、二人は疎遠な関係となってしまう。
それから時が経ち、父の病をきっかけに再び再開した二人だったが・・・父は相変わらず自らの不思議な冒険物語ばかり話すのであった。
・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
主演のユアン・マクレガーを始め、魅力的な俳優がそろう『映画/ビッグ・フィッシュ』
個人的にはビリー・クラダップとアリソン・ローマン目当てでの鑑賞です。
しかし、ここに私が「映画ビッグ・フィッシュを好きになれない最大の理由」がありまして・・・。
歳を経たエドワード役に、アルバート・フィニーを起用するのは本当にやめていただきたかった。
ユアンと似てないとかそういうレベルの話ではなく、彼が演じると「傲慢で偉そうな父親」にしか見えず…「父から息子」への歩み寄りが感じられません。これでは我儘に自己主張するだけのクズ親で、息子が一方的に「父を愛するために苦悩」しているだけじゃないですか・・。
そのへんが自らの生い立ちと重なり、気分良く観れなかった理由です。
本当にもったいない。そこが無ければ、感動できたであろうし泣けたであろう作品だとは思うのですが・・。
もちろん俳優に対するイメージや感じ方は人それぞれですので、彼で良かった!と思う方を否定する気はありませんよ。私個人としての感想です。
ここからネタバレを含むよ!!
現実的な幻想
ティム・バートン作品はその「非現実的な描写」が魅力ですが、この『映画/ビッグ・フィッシュ』でもその手腕はガンガン振るわれています。
しかし、他の作品に比べると現実っぽさをかなり残しており、「完全なおとぎ話」とまではいかない絶妙な匙加減です。
『映画/チャーリーとチョコレート工場』くらいまでいってしまうと、もう「リアルではない、不思議な世界の話」と割り切って鑑賞するのですが、この映画はギリギリで「本当・・か?」と思える部分が多々あり「エドワードの話は嘘か本当か」というテーマとも絶妙にマッチしていると感じます。
若き日のエドワードを演ずるユアン・マクレガーのはっちゃけっぷりも気持ちよく、観ていて引き込まれます。
パッケージにもなっている「一面の水仙の中、求婚するシーン」は、とても素晴らしかったです。私もこんなふうに求婚されてみたい。いや、してみたいです。
素晴らしい部分もあるとは思うのですが・・・
本当に申し訳ないのですが、今回はあまり映画の内容に関してアレコレ触れません。
私自身、非常に深い父との確執があり…どうにも余計な感情が入ってしまうんです。ウィルと自分の葛藤が重なってしまい、なにかにつけて自分主義のエドワードを気持ちよく観る事ができません。
正直、この映画の事を書くのはやめようとも思っていました。
しかし、それはそれ。私情を抜きに考えれば、なかなか素晴らしい作品だと思うのです。
最後、エドワードの物語を引き継いで語るウィルには「そ・・・そうくるかっ!?」と胸が熱くなりました。
彼が語る物語の優しさは、父への深い愛を感じます。おそらくキャスティングの問題がなければ、私も大号泣していたでしょう。
子は親を愛したいものです。たとえ許せないような親でも、本当は愛したい。だからこそウィルは何度も「本当の事を話してくれ」と訴えていました。それなのにエドワードは「嘘だと思うのはおまえが悪い」と一蹴ですから。そんな勝手な言い分があるでしょうか・・・。最終的に素晴らしい感動となったのは、全てウィルの優しさと誠実さにあると思います。
エドワードは最後の最後まで「自分」を生きただけです。
とても惜しい映画でした。
うーむ、ダメですね今回は。ふざけた事が書けません。
やはり書くのやめれば良かったかなぁ・・・。