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ギレルモ・デル・トロ監督『映画/クリムゾン・ピーク』でネタバレ戯言。ゴシックホラー的な映画ですが内容的にはそれほど怖いものではなく。むしろ”怖いほどの映像美”がウリの作品。ミア・ワシコウスカ、チャーリー・ハナム、トム・ヒドルストンなど豪華な俳優も魅力ですぞ。

クリムゾン・ピーク


2015年 アメリカ

キャスト:
ミア・ワシコウスカ
トム・ヒドルストン
ジェシカ・チャステイン
チャーリー・ハナム
ジム・ビーヴァー
バーン・ゴーマン
ハビエル・ボテット
ソフィア・ウェルス

監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:マシュー・ロビンズ、ギレルモ・デル・トロ

ネタバレ無しのあらすじ

ニューヨーク州・バッファロー。

幼い頃に母を亡くし、父である実業家カーター(ジム・ビーヴァー)に育てられたイーディス(ミア・ワシコウスカ)は、社交界や異性に見向きもせず小説の執筆に夢中になっていた。

そんなある日、彼女は父の会社へ投資を持ち掛けてきたトーマスという男(トム・ヒドルストン)と知り合う。

密かに想いを寄せる医師アラン(チャーリー・ハナム)や父の忠告をよそに、どっぷりとトーマスに惹かれていったイーディスはついに結婚。彼の故郷の屋敷で暮らす事となるのだが・・・。

キャストで戯言

主演は日本国内でも人気が高いミア・ワシコウスカ

今回は時代が時代ということもありオバちゃんくさい頭でのご登場。しかし彼女、歳を取るにつれてどんどん『女装した香取慎吾』に似てきている気が・・・。

そんな彼女のハートを射止める準男爵トーマスを演じるのは”ロキ”で有名なトム・ヒドルストン

実はこの役柄、当初はベネディクト・カンバーバッチの予定だったとのこと。彼も演技力の高い俳優ですが、やはりルックス的にはロキで正解だった気がしますなぁ。

その他、トーマスの姉にジェシカ・チャステイン、親しい医師にチャーリー・ハナム、お父さんはジム・ビーヴァーと著名俳優が多数。

…が、私は皆が「誰それ?」と言うような俳優に反応する変質者ですので、注目したのは幼少期のイーディス役。

数分しか出番がないものの、かねてより気になっていた子役、ソフィア・ウェルスが出ていたのは大興奮。

『映画/ペイ・ザ・ゴースト』(のチョイ役)で発見し、『映画/手紙は覚えている』(のチョイ役)で再開してドキューン。そして3回目の今回も相変わらずのチョイ役でしたけど。

最近では2017年の『Poison in the Water』という作品に出演しているらしいのですが、マイナーすぎてどこでも見る事ができません。助けて偉い人。

幽霊オマケで映像美

序盤、小説が幽霊モノであることを指摘されたイーディスの『幽霊は物語の中に登場するだけです。比喩として』という発言、これがまさにこの映画そのものを表すセリフだったり。

最初から最後まで不気味な姿で幽霊が登場するものの、それはあくまで物語のアクセント。本作は決して『幽霊が怖いホラー』ではなく、人間の怖さを描きつつ愛の形にも言及する『幽霊ホラー恋愛ドラマ(なんじゃそりゃ)』だったりするわけです。

・・・がしかし、残念ながらストーリーが致命的に弱すぎる。

ほぼほぼ全ての展開が予想の範疇であるうえに、ご都合展開が多すぎて緊迫感もダウン。人物の心情を功名に表現している演出やセリフは監督の力量を感じるものの、こんなに薄っぺらいシナリオでは俳優の高い演技力も活かされず。

ただただ、

映像美!

ひたすらに

映像美!!

屋敷、衣装、街並み、小道具、雪、粘土、血。それらの美しさに「はぁ~」とため息をつきつつ、物語のダルさにも「はぁ~」とため息をつく。

そんな作品となってしまっているのが残念ですなぁ。

謎無し。…赤子は?

非常にわかりやすいストーリーなので、謎らしい謎は皆無。

トーマスとルシールは禁断のド変態姉弟で、弟は次々に結婚詐欺で金銭調達。姉は金目当てとは理解しつつも嫉妬が抑えられず女性を次々に亡き者に。

でも今度の女性だけは本気になっちゃったんだよ姉ちゃん!…で血みどろ祭りだわっしょいわっしょい。

とりあえず一件落着で幕を閉じ、イーディスは一連の物語を小説『クリムゾン・ピーク』として出版したのでした。おしまい。

・・・あれ?そういえば赤子はどうなった?

字幕翻訳の関係なのか少々うやむやだったものの、まだ生きているような話だったのでは・・・。『実はあの少女(少年でも可)が二人の子供だった』的な展開がオマケであるかと思いきや、なーんもないまま終了。

あれれ、何か見逃したか?

超個人的な戯言感想

…というわけで。

映画あるあるで、中身がスッカスカのC級ホラー映画でもヒロインが好みだと意外に鑑賞後の満足感があったりするじゃないですか。

本作もそういう効果があるらしく『ストーリーはそれなりだけど、トム・ヒドルストンにキュンキュンで最高!』といった感想の女性が多くいらっしゃるようです。ええ、非常によく理解できます。しかも彼のプリンとした生尻まで拝めましたもんね、そりゃストーリーなんぞ二の次で高評価にもなりますさ。

…で、余談なのですが、わたしゃトム・ハーディ『トムハ』と略す人が嫌いです。それなのに今度は『トムヒ』

じゃあトム・クルーズも『トムク』と呼べよ!ベン・アフレック『ベンア』と呼べよ!ベン・キングズレー『便器』って呼びやがれこのヤロウ!!

といったことを強く強く思う1日でした。ああ、どこかに夢破れてお金持ちで身寄りのない女性はいないものか…。