今回の1本はタイトルに偽り有りの『映画/フルリベンジ』 あらすじとネタバレを含みますが、それを知ったからといって何かが変わるような作品でもないので…。
なにげに2012年に公開されたチリ映画のリメイクであり、実話から着想を得た作品となっています。
フルリベンジ
(原題:Hidden in the Woods)
2014年 アメリカ
主なキャスト:
マイケル・ビーン
ジャニーン・カスパー
エレクトラ&エリース・アヴェラン
(エレクトラ)
ウィリアム・フォーサイス
リッコ・ロス
クシシュトフ・ソシンスキー
グレッグ・イングラム
マシュー・アラン
監督:パトリシオ・ヴァラダレス
脚本:パトリシオ・ヴァラダレス
ネタバレ無しのあらすじ
ハードDV野郎なうえに麻薬密売絡みの仕事に手を染める父親オスカー(マイケル・ビーン)のもと、酷い暴行を受けながら暮らす美しい姉妹アナ(ジャニーン・カスパー)とアニー(エレクトラ・アヴェラン)。…と、アナの息子マイケル。
ある日妹アニーが暴行を受けたことでアナが警察を呼ぶも、オスカーは警官を返り討ち。
父から逃げるため山小屋へと身を隠した三人だが、麻薬密売のボス・コステロ(ウィリアム・フォーサイス)は娘たちを捕らえようと部下を送り込む。
さらにはオスカーも留置場を脱走して娘を探し回り、もうぐっちゃぐちゃ。
ひたすら不遇な運命の美人姉妹、いったいどうなってしまうのか…。
・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
なんでもこの映画、ファンタジア国際映画祭で上映された『Hidden in the Woods』を見たマイケル・ビーンがその場で監督に交渉しリメイク権を獲得したとのこと(監督は同じくパトリシオ・ヴァラダレス)
何がそんなにツボったのかはわかりませんが、とりあえず迫真の演技でヤバい父親を熱演しております。
そして不遇な美人姉妹、姉アナ役がジャニーン・カスパー。2008年の『映画/アイアンマン』にも出演していたそうですが、私は見ていませんので…。
妹アニーはエレクトラ・アヴェラン。「エレクトラ&エリース・アヴェラン」という名義で双子出演するのがデフォルトの女優になります。
私としては映画の内容よりもこの姉妹、特に姉のジャニーン・カスパーの美人っぷりがツボに入り、最後まで飽きる事なく鑑賞することができました。これがもし微妙な姉妹だったなら…ヤバかったかもしれません(汗)
それにしても娘たちがめっちゃ小さい頃から成長し、さらに「11年後」となっているので…おそらく20年近く時が流れていると思うのですが、父親役のマイケル・ビーンは一切見た目が変わらないってのが衝撃ですな(笑)
ここからネタバレを含むよ!!
タイトルに騙されるなっ
なんでも世間では「リベンジもの」というジャンルがあるそうで。
なるほど。意識したことはありませんが、たしかに『映画/アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』など、そういった系の映画は多数ありますな。
本作もタイトルからそっち系だと思われるらしく「リベンジものなのにリベンジが足りない!」などと言われたりしていますが…残念ながらこのタイトルは邦題としてつけられたもの。原題はリメイク元と同じく『Hidden in the Woods』になりますので、もともとリベンジものじゃないんです…。
どうして邦題を付ける人ってのはいつになっても脳みそスカスカなんでしょうねぇ。
そしてその原題『Hidden in the Woods』、父親から逃げるために山小屋へと隠れる三人…という事でのタイトルだと思うのですが、隠れるのは山小屋とは名ばかりの郊外。一応森らしきものは広がっているようですが、イマイチ「in the Woods」感はなく。
うーむ、どっちに転んでもタイトル詐欺な気が…(笑)
ツッコミ展開目白押し
さてさて、肝心の中身なわけですが…うーむ、なんと表現して良いのやら。
バイオレンス描写と吹き出す血。チンピラと変態が欲望をむき出しにする中、お姉ちゃんは一生懸命にカポカポとお金を稼ぎ、再びバイオレンスと血。そしてぶしゃーっと血。最後も血。
とにかくハードかつ闇が深い展開で「救いのない映画」としては素晴らしい…と言いたいところなのですが、残念なことにあっちもこっちもツッコミ要素だらけ。
序盤にチェーンソーで殺害される警官は腹にチェーンソーを刺された瞬間に、なぜか頭から血まみれですし…相棒の女警官もあんなに明るくて見通しの良い場所で、目の前にいるオスカーを見失ってキョロキョロ。
かなり自由にいろいろできる留置場は、意外とあっさり外に出れる仕様。
詳しい場所を知らないはずなのに、わずかなヒントから明確に隠れ家を突き止めるナンパ彼氏と、そこに踏み込む際に入り口階段の板を踏み抜いてしまったヤツは、いったいいつまで足がひっかかったままなのか…。
そして最後にアメイジング・グレイスが流れる中、最後のサービスで水着キャッキャ映像。しかも息子が邪魔という。
良作品となる要素を多々備えていながら、実にアメリカ映画的な謎展開が目立ってしまい…なんとも微妙な映画となってしまっている気がします。ちょっと残念。
個人的な戯言感想
…というわけで、純粋な目で評価すれば「何も残らない作品でした」と言わざるを得ないところなのですが、それを補って余りある『ジャニーン・カスパーの美人っぷりと、彼女のハァハァ映像』のおかげで、しっかりと満足感が残る作品でした(笑)
全体的に美男美女で構成されていると、ダメな映画も面白く感じてしまったりするんですよねぇ。
あの姉妹もブサ…いや、それなりなルックスであれば、万引きをかばってもらう事もなかったでしょうし、なによりあんなに陵辱されたり追い回されたりすることもなかったでしょう。
うん、やっぱり世の中、顔が大事ですな。