今回は大好きなスペイン映画から、『映画/ゴッド・セイブ・アス/マドリード連続老女強姦殺人事件』です。タイトルが長すぎて、記事タイトルがいっぱいいっぱいです(笑)
とにかく『老女強姦殺人』というインパクトある単語が目を引きますが、強姦殺人のエグい描写に重点が置かれていたり、いかにもなサイコ犯人が出てきて恐怖感を煽るような映画ではなく・・・スペイン映画らしく、モワーっとした空気を漂わせながら個々の人間像を生々しく描くような作品となっています。
ゴッド・セイブ・アス
マドリード連続老女強姦殺人事件
2016年 スペイン
主なキャスト:
アントニオ・デ・ラ・トーレ
ロベルト・アラモ
ハビエル・ペレイラ
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
脚本:イサベル・ペーニャ、ロドリゴ・ソロゴイェン
ネタバレ無しのあらすじ
2011年。間近に迫ったローマ法王の来訪に沸くマドリードで、一人の老女が死体で発見される。
相棒のアルファロ(ロベルト・アラモ)と共に捜査を進めるベラルデだが、ほどなくして次の被害者が。
この『連続老女強姦殺人事件』という特殊な事件を前に、法王来訪を目前にして事を荒立てたくない上層部は事件そのものの隠蔽を図るのだが・・・
・・・といった内容の作品。
『老女強姦』ときましたか…
こんにちわ。変態映画好きが集まるブログ、『映画で戯言三昧』です。
決してそういう層だけをターゲットにしているわけではないのですが、いかんせん書いてる人が変態のためか、当ブログのダントツ人気記事は『映画/レイプ・オブ・アナ・フリッツ』だったりするわけでして。
解析ツールでも当ブログの上位検索ワードは『映画 死体 美人』などなど・・・ちょっと心配になってくるようなキーワードから訪問してくれる方が多いようです。
ならばコレも押さえておかねば…との思いでリストアップした本作『ゴッド・セイブ・アス/マドリード連続老女強姦殺人事件』(長いので以下『ゴッド・セイブ・アス』と表記します)なのですが…。
さすがの私も『老女強姦』に対しては「うんうん!興奮するよね!」とは言えません(笑)
人よりもスタンド射程距離は長く、ストライクゾーンは広いタイプだと自覚しているですが・・・うーむ、頑張って60歳…いや、50歳…といったところでしょうか。もちろんこの作品中の被害者のような女性は完全に射程距離外です。
えげつない検索ワードで当ブログを訪問してくれている男性諸君はどうでしょう。当映画に登場するような老女を相手に、イケますか?・・・え、余裕?
スペイン映画ですので…
ベタなアメリカ映画の刑事モノなどに慣れすぎていると、本作品に対して「ストーリーとは関係ない、どうでもいい話が長すぎる」と感じるかもしれません。
しかしそれこそスペイン映画の醍醐味。
物語の本筋とは無関係に感じる部分で人間模様を生々しく描く事により、さらに話に深みが加わっていく…というのが魅力だと私は思っています。
わかりやすいストーリーで犯人を追い続け、ドカーンとなったりバキューンと撃ったりカーチェイスでキキーッと鳴ったり・・・そして最終的に犯人はコイツでした!どんでん返し!!といった映画も悪くはないのですが、個人的には本作のような作りのほうが好きです。
基本的に人間臭いんですよね、スペイン映画って。別にそれは描かなくていいよ、と思うような要素を入れてきたり…。
ここからネタバレを含むよ!!
おまえがレイプ魔かっ!(笑)
比較的淡々としたペースで物語が進む本作ですが、予想以上に登場人物は魅力的でした。
最初は「あまり話の通じない、脳筋オレ様野郎」かと思ったアルファロは、意外に人間味があるじゃないですか。真っすぐだけど不器用なんだよね、彼。
そして吃音により他人とのコミュニケーションに葛藤を抱えるベラルデも、とても良い味が出ています。
清掃員の女性に対する、ほのかな恋心は見ていてモキュモキュしました。ガラスに映った姿を使って隣り合って見せる演出も憎い。まぁ女性から見れば、こっそりドアスコープから覗いている時点で「キモッ!」と感じるかもしれませんが…。
一緒にエレベーターに乗ってドキドキムラムラしつつ、降りた後は再び階段で上に…おいおい、ホントは出かける用事なかったのか!と(笑)
しかし…「あー、彼も不器用なんだなぁ。でも好きなんだろうなぁ」というほっこり感があったのは冷製スープのくだりまで。
ちょっと引いている彼女の後ろから抱きしめ…までは良しとして、あれ?なんか胸まさぐってない!?・・・って、ズボン!?えええっ、いきなり挿入狙い!?
おいおい!あんたがレイプ魔だよっ!!
とツッコミたくなる展開にはちょっと困惑してしまいました(笑)
まぁそんなところも物語に深みを増す要素となるところが、また良いんですけど。
純粋に犯罪モノとしては…
さきほども書きましたが・・・純粋に『犯罪サスペンス』として観てしまうと、ダラダラしていて物足りないと感じてしまうのは致し方ないところ。
「なんか子猫に優しくしてるヤツいた」⇒「犯人だった!」
のくだりなんて、手抜きじゃないかと思えるようなご都合展開です。
その後『いかにも犯人です』といった感じでバッチリ登場し、どんでん返しも意外性もないまま尻すぼみに捜査は終結。
最後の最後も、人によって解釈が分かれるようなモヤモヤした感じでエンドです。スッキリ感は少ないです。
アルファロの殉職から3年。
ベラルデは『刑事』としてアンドレスと対峙したのか・・・それとも相棒の弔いのために『一人の男』としてアンドレスを追い続けたのか・・・はたまたその両方か・・・
作品中ではっきりと描かれてはいませんが、ヒゲも整えていない容姿は『彼の人生もあの時を境に変わってしまったのでは…』と思わせます。私個人としては、刑事という職は辞しているのではないか…と感じました。
たしかに余計な部分は多いが…
その犯行の残虐性や犯人の狂気にスポットを当てたような犯罪スリラーではありませんので、やはり評価は分かれるところだと思います。
当初期待していた『老女強姦』のくだりはあっさり味でしたが、予想外の面白さを見せつけてくれた作品だった…というのが私の感想です。
でもたしかに、余計な部分は多いですよね。
『犯人は恐ろしく巨大なペニ〇を持っている』という設定、必要だったかなぁ…と(笑)
ランニングマシーンに乗る時、パンツ一丁でしっかりとそのへんを回収していましたが・・・そこまで『巨根』と言うならば、もっと衝撃的なくらいにモッコリさせても良かったのではないかと。
あれだと「まぁ大きいよね」くらいのような気がするのですが…どうでしょう。
ぜひ女性のご意見を聞かせていただきたい。
変態野郎が集まってくれるのも嬉しいですが、いつかは「欲求不満な人妻が集まるブログ、映画で戯言三昧です」とか挨拶してみたいですし(笑)