今回は『映画/サイコパス 地下戦慄』でオチとネタバレ含む戯言。世間での評価は中の下といったところですが、私にゃまったく理解できず。こんなのC級以下の地雷映画じゃないですか…。
とりあえずミーシャ・バートン主演というから見てみたものの、本年のワースト5に入る勢いの駄作っぷりでした…。
サイコパス 地下戦慄
(原題:Hoarder)
2015年 アメリカ
キャスト:
ミーシャ・バートン
ロバート・ネッパー
アンドリュー・バックリー
ヴァリーン・ケイン
監督:マット・ウィン
脚本:マット・ウィン、ジェームス・ハンデル、クリス・デンネ
ネタバレ無しのあらすじ
婚約者の浮気を疑うエラ(ミーシャ・バートン)はその証拠を掴むため、友人モリーと共に彼が借りている町外れの貸倉庫を訪れる。
しかし地下深くにある倉庫から現れた「何者か」の手によりモリーは捕らえられてしまい、助けを求めようとするエラもまた地下倉庫から抜け出せなくなってしまう。
果たしてあの生き物はなんなのだろうか?エラは無事に倉庫から出られるのだろうか?
・・・といった感じにそれなりの導入ではあるものの、中身は安っぽくて矛盾だらけ。鑑賞中に3回は屁が漏れるような内容の作品。
キャストで戯言
パッケージにも堂々と書かれているように、本作の看板俳優はミーシャ・バートン。
痩せ太りが激しくプライベートでも問題のある方ですな。個人的には特に好きでも嫌いでもありませんが、『映画/SEXドールズ』の印象が強くて「売春婦のお姉さん」のイメージで固まってしまっています。
そして忘れちゃいけない俳優がもう一人、名優ロバート・ネッパーが相変わらずの小悪党役で登場しておりますよ。
その人相から悪人ばかり演じている彼ですが、素の彼は非常に紳士的で穏やかな性格だそうな。ほえー。
ここからネタバレを含むよ!!
ネタバレ3分あらすじ
おかしすぎる展開、低レベルな演出、違和感のあるセリフ、理解不能の行動、バレバレの伏線、もはやどれをとってもC級以下。これを「私の作品です」と発表できた監督の脳みそはどうなっているのでしょう。うんち?うんちが入っているの?
ツッコミを入れることすらバカバカしくなるほどの内容ですが、とりあえず『ネタバレ3分あらすじ』にしてみます。
サイコパス 地下戦慄
ネタバレ3分あらすじ
「婚約者が怪しいから証拠を探しに行くの手伝ってー」と、友人モリーを連れて町外れの貸倉庫に来たエラ。
だが本当の目的は婚約者ではなく、自分が過去に売春をしていた証拠を隠滅するため。婚約者が自分の荷物も倉庫にあずけてしまい、その中に手帳が入っていたのだった。
しかし番号を勘違いしたせいで、婚約者の倉庫ではなく地下4Fの部屋を開けてしまった二人。なんとそこには人ではない化け物が!!
(…とエラは言っているものの、どう見ても人間系)
営業終了間際だというのに予想以上に残っていた客数人を巻き込み、そこから始まるグッダグダの逃走劇。1人減り…2人減り…最後はエラと寝取られ旦那が残るも、『受付けの男、ステファンが真のヤバいヤツでした!』というバレバレの展開から再びグダグダの逃走劇。
最終的にエラはステファンに捕まり、地下に監禁。婚約者が貸倉庫を訪れるも気づかれることなく、エラは多くの監禁者と共に飼育されていくのでした…。おしまい。
…といった感じのお話になります。
それにしても邦題がヒドい。なんですかこの頭の悪い中学生が考えたような『サイコパス 地下戦慄』って…(汗)
ちょっと頭がイッている犯人を見ると馬鹿の一つ覚えで「サイコパス!サイコパス!」と騒ぐ子供は多いですが、この邦題を考えた人間も「サイコパスとはなんぞや?」を一度しっかり勉強したほうが良いかと。
ちなみに原題は『Hoarder』、Google先生に尋ねると意味は「買いだめ」と出ますが、この場合は買いだめではありません。ゴミ屋敷の住人など、不要なものを捨てずにためこむ人間も「Hoarder」ですので、貸倉庫にたくさんのモノを溜め込んでいる人間を指しているのでしょう。
バレバレ想定内の物語
さてさて…ちょっと世間の感想を覗いてみると「予想外の展開が面白い」という評価も聞かれる本作。
…え?本気?この映画のどこをどう見たら予想外なのでしょう…。
『実は彼氏の日記ではなく、自分が売春していた証拠を隠滅するためだった!!』
…という展開、たしかに「エラは売春をしていた」は予想外でしたが、「彼氏の日記を探しに行くのではない」という事は車で向かっている最中からバレバレ。「日記が貸倉庫にある」って、あまりにもおかしな話でしょう。しかも「そこに浮気の証拠が書かれている」って?不自然にもほどがあるじゃないですか…。
『実は受付のステファンこそがヤバいヤツだった!!』
…という驚愕のどんでん返しも早めに予想できてしまうのが残念。なにせ作品タイトルが「サイコパス 地下監禁」ですよ? もはや「ヤバい人間が誰かを監禁していますよー」…とネタバレしているわけですから(笑)そして友人モリーを殺害した化け物はどう見ても「サイコパス」ではない。
となると、怪しいのは「不自然に出番がなくなったステファン(受付の男)」しか考えられません。「まだ登場していないエラの婚約者」という可能性もありましたが、ステファンのフェードアウトっぷりが明らかに怪しすぎますもの。彼が犯人でないならば、なにかしらの展開が描かれていたでしょうし。
もしこれが仮に別の邦題だったとしても、「登場時、ケージで小動物を飼育」という露骨な伏線もあり、やはりステファンの怪しさはバレバレだったでしょう…。
これら以外の部分でも良い意味での「驚き」はまるで感じられず、むしろ逆に「予想のはるか下を行く展開(と演出)」の連発。・・・む?・・そうか、そういう意味で「予想外の展開」ですか、それならばわかりますよ!
何箇所もありますが、特にエレベーターの鍵をピッキングするのに、ぐにゃぐにゃの針金を穴に入れて適当に動かし方しただけ(回してもいない)で「はいOK♪」ってのが一番の予想外でした。
結末の評価が…
…というわけで、どう頑張っても褒めるところが思いつかない『映画/サイコパス 地下戦慄』、貶すところやツッコミたいところはいくらでも挙げられるのですけど…。
私は映画に点数をつけるのは嫌いなので、基本「この映画は○○点」とか「星4つ」とか、そういう表現はしないのですが、あえてこの映画に点数をつけるとすれば、7点…といったところでしょうか。
10点満点?いやいや、100点満点で7点ですよ。
本当は2点でも良いのですが、「ステファン(受付の男)の初登場時、ホチキスを使っている手をカットインする」という演出が憎らしかったので+2点。さらに結末で3点プラスしました。
おそらく本作のオチは否定的な意見が多いとは思いますが、私は都合が良すぎるハッピーエンドを見せられるくらいなら、全く救いのないバッドエンドで終わらせてもらったほうが好きです。
これだけアホな行動連発の展開で引っ張っておきながら、「エラちゃんは無事に逃げることができました。変態ステファンは自業自得で死にました」…なんてオチは子供の絵本以下。
そんな結末だったらミーシャ・バートンの写真を引き伸ばして額に入れて、今年のどんと祭で燃やすところですよ、ほんとにもう。