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映画における『字幕派』『吹き替え派』の論争。「字幕派は上から目線でうざい」「吹き替え派は洋画がわかっていない」など、それぞれメリット・デメリットがありながら互いを貶し合う不毛な議論は遥か昔から続いております。果たしてどっちが多いのか比率や違いなども気になるところ。

やはり洋画は字幕で見るのが正しいのか?
はたまた日本人らしく吹き替えで見るべきなのか?

今回は映画の『字幕・吹き替え』について、独自調査の結果も交えてゆるーく考察してみようかと思います。

字幕派・吹き替え派の割合

押し合い

まずは洋画好きの日本人の「字幕派・吹き替え派」の比率はどうなのか?…というところから。

データを公開しているリサーチ系サイトは数多くありますが、場所によって『字幕6:吹き替え4』であったり『字幕4:吹き替え6』であったり、数値はまちまち。

こればかりはリサーチする対象と調査数などによって変わるので、日本国民全員に問わないかぎり正確な数値はわからないところでしょう。しかし平均してみると『字幕派と吹き替え派は概ね半々』と見るのが妥当なようです。

ええー!?絶対ウソだ!!…と異論を唱えたい方も多いでしょう。やめましょうよ、自分の意にそぐわない説を聞くとすぐに「嘘だ!」とムキになるのは。

ちなみに私も興味があったので、あちこちに顔を出して100人にリサーチしてみました。その結果は…

字幕派:48人 吹き替え派:52人
(20代~60代・男女)

…という結果になりました。あらら、ホントに半々くらいなんですね。

その中で詳しく話を聞ける方には「なぜ字幕派?」「吹き替えの何がダメ?」といった感じで質問をしてみましたので、それぞれのメリット・デメリットとしてまとめてみましたよー。

字幕派 メリットとデメリット

字幕派の「これだから字幕が良いんだよ!」という主張をまとめると…

  • 洋画の雰囲気を壊さない
  • 好きな俳優の声がそのまま聞ける
  • セリフが簡潔
  • セリフと口が同調しているので違和感がない

…といった感じ。

なるほど。たしかに白人の口から日本語がペラペラと、しかも口の動きと合わずに流れてくるのは違和感があるかもしれません。

特に『出演俳優を重視する映画好き』には字幕派が圧倒的に多かったです。「こんなのレオ様の声じゃないっ!」って事ですな。

では吹き替え派が主張する字幕のダメな点は…

  • 映画に集中できない
  • 大事なシーンや伏線を見逃す
  • 目が悪いと見えない
  • 疲れる
  • 字幕担当者が下手だと意味不明

…となります。

作品によっては字幕の文字が小さかったりすることがありますし、やはりずーっと文字を読み続けるのは疲れる。基本的に下段に出るので「映像に集中したいけど字も読まなきゃ!」…となり、せっかくの瞬間を見逃す事もあるかと。

最後の『字幕担当者が~』は字幕派から出た意見で、私も激しく同意。なんでそう翻訳しちゃったの?内容理解してる?と問い詰めたくなるようなアホ字幕、たまにありますよね。

吹き替え派 メリットとデメリット

ではお次は吹き替え派。メリットは…

  • 映像に集中できる
  • 目が悪くても安心
  • 老人も子供も楽しめる
  • プロ声優による「声の演技」も楽しめる
  • 好きな芸能人が吹き替えしていると嬉しい

…となりました。やはり概ね、字幕派デメリットの逆となりますな。

キッズ向け作品では年齢に配慮した字幕を採用している場合もありますが、基本的に字幕は漢字混じり。お子様と洋画を楽しむならば吹き替えを選択する方が多いでしょう。

面白いのは一番最後。芸能人を映画吹き替えに起用するのは批判が多いのですが、喜んでいる人もいるんですねぇ…。

では字幕のココがダメだ!という意見は…

  • 洋画の雰囲気に合わない
  • 違和感がある
  • 声のイメージが違うことがある
  • 芸能人を起用されたりして萎える

やはり芸能人の映画吹き替え起用はイヤな方が多いようです(笑)

字幕派メリットの項で「白人の口からぺらぺらと日本語が出てくるのは違和感がある」とか書きましたが、だったらアニメやゲームはどうなんだ?…と、今更になって思えてきたり…。

字幕と吹き替え、どっちが正しい?

対立

今回リサーチするにあたって、複数人のグループにまとめて聞いたりすると、やはり仲間内で「字幕だ!」「吹き替えだ!」の議論が巻き起こるシーンが多々ありました。居酒屋で聞いた時はそりゃもう面倒臭い事になったもんです。

それぞれがそれぞれの良さをアピールするならまだ良いのですが、どうも『字幕vs吹き替え』の議論は「互いを見下し、批判し合う」という流れになりがち。

字幕派は「我らこそ崇高にして王道。吹き替えなんぞガキの嗜みよ!」とばかりに吹き替え派をバカにしますし、逆に吹き替え派は「字幕派なんてホントはカッコつけてるだけ。無理して映画見るなんてバカじゃないの?」と字幕派をあざ笑う。

なんとも不毛じゃないですか。

ではここで私が結論を出してしまいましょう。映画は『字幕』と『吹き替え』どちらで見たほうが面白いのか?正しいのか?それは…

好きな方で見ればよろしい!

です(笑)

そもそもね、うどん好きとそば好きが議論したところで、うどんとそばどっちが美味しいか結論が出ますか?出せるのは「自分の中ではどちらが美味しいか」という事だけ。

うどん好きもそば好きもいるから、どっちの店も存在しているんです。そこを「そばの味がわからないなんて子供だ」とか「食物学的に言えばうまみ成分が…」とか、そんな事言い出す人のほうが面倒くさいったらありゃしない。

自分の価値観に同調してもらいたい気持ちはよくわかりますが、押し付けは良くない。そして理解されないからといって批判も良くない。

大人になりましょうよ。せっかく映画という極上の趣味をお持ちなのですから。

ちなみに私は…

…というわけで、極力どちら派の肩も持たないように書いたつもりですが、最後に私はどちら派なのかを白状すると…

超絶圧倒的に字幕派です。

どんなに好きな俳優が出ていて好きな内容であっても、吹き替えならば見る価値無しというレベルで字幕派です。

だからといって吹き替え派を見下す気はありませんし、洋画は字幕が王道!とも思っていませんよ。あくまで「私の価値観では」字幕のほうが圧倒的に良く、吹き替えでは全く楽しめないというだけです。

最近の映画館は「上映は吹き替えのみ」のパターンがよく見受けられますが、それは映画館へ足を運ぶ客層を考慮してのこと。どちらの需要も否定できないからこそ、DVDはごく一部のマイナー作品を除いて字幕・吹替が両方収録されているのですし。

皆様も議論はほどほどに。

まぁそれだけ映画を愛しているということですな。うむ、よきかな、よきかな。