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もはやジャンルの一つとも言える「復讐モノ」、今回の『映画/監禁 レディ・ベンジェンス』もその括りではあるのですが…ちょっと他の復讐モノとは一線を画す構成。ラスト&ネタバレと独自解説を含みますので未鑑賞の方はご注意下さい。

というか監禁されているのはむしろ犯人だよね…。

監禁/レディ・ベンジェンス


2015年 アメリカ

主なキャスト:
ティナ・イブレフ
リチャード・タイソン
ビアンカ・マリノフスキ
エイミー・オクダ

監督:ホセ・マヌエル・クラビオト
脚本:ロック・シャインク・Jr

ネタバレ無しのあらすじ

映画開始からすでに何者かによってどこかに監禁された状態のイブ(ティナ・イブレフ)。

ここからムゴい監禁生活が待っているのか…と思いきや、早々に脱出!!

犯人らしき男フィル(リチャード・タイソン)を逆監禁し、自分と同じように囚われた女性を全て助け出すのだ!行け、イブ!正義のために!!

・・・という、展開が早いクセにテンポの悪い変な作品。

監禁で戯言

そのタイトルからおわかりの通り、本作は『監禁モノ』。そして『復讐モノ』でもあり、お話としては『男にひどい目に合わされた女が復讐する』という、いたってありふれたモノ。

ところがどっこい、この『監禁/レディ・ベンジェンス』はそんじょそこらの監禁→復讐映画とは一味違う。

なにせ映画開始5分で監禁から脱出!!…という、引田天功もびっくりのスピード脱出。そのまま登場人物の顔を覚えるよりも先に「犯人を逆監禁」

その後は被害者女性ではなく、犯人の男のほうが暴力&エグい攻めを受ける描写が続くという…。

そっちか!そっちの監禁か!…と監禁マニア男子を萎えさせる展開には、女性保護団体も大満足ですな。

まぁしっかり「監禁されている女性」もたっぷり出てはくるのですが、彼女たちが陵辱されるような描写は一切無し。会話と状況から「あー、アレコレされてたのね…」と察するのみ。

フェミニスト臭がぷんぷん漂う変な監禁モノとなっております。


ここからネタバレを含むよ!!

タフにもほどがある犯人

掴みと展開は斬新なものの、とにかくテンポが悪いというか変というか…。

ポンポン話が進みはするものの全体的に説明不足&描写が下手。さらに頻繁に挟みこまれる「彼氏との幸せな思い出」も、過酷な現在の状況との対比として用いるにはダラダラしすぎ。

イブが監禁中に受けていたであろう暴行や苦痛も一切描かれていないため、あまりにもハードすぎる彼女の怒りに対して感情移入もしづらいときたもんだ。

とにかくどんな気分で見てよいのかわからないまま、ただただ犯人フィルが血だらけになっていくという…

それにしてもこの男、

レンガ的なものでフルボッコ
 ↓
脚をバキューン!
 ↓

キツい首輪で連れ回し
 ↓
角材でフルスイング
 ↓
銃でドツきまわす
 ↓
傷に銃口をグリグリ
 ↓
その他諸々

…となっても気を失うことも無し。たまにグロッキー状態になるも、少し休ませるとべらべら喋る元気さんとして復活。なんか序盤の傷も治ってるし。

えらくタフ、もはや超人ですな(笑)

ネタバレありの解説

…というわけで、もう作中の「どういうこと?」を全部まとめて片付けちゃいましょう。

とにかくわかりづらい描写が多いので、ワタシも勘違いしているかもしれませんが…その時はご容赦を。

ロニー(彼氏)はどういうこと?

色々と裏を読む事もできますが、これは物語の中でのセリフそのまんまで良いかと。

失踪してしまったイブを探し回るも手がかりを得られず、同様に失踪している女性を調べていたら人身売買組織にたどり着いた、と。

そしてそのまま彼も「女性を陵辱する側」になった…という事で良いのではないでしょうか。

仲間になったのか単なる顧客なのかはわかりません。まぁやってる事は一緒ですな。

カトリーナは?

どうやら…

ロニーの一件ですっかり忘れられてしまったようです

ラストの意味は?

「ねぇお母さん、変なお姉ちゃんが道路の真ん中歩いてるよー」
「いいから…見るんじゃありません」

そんな会話が聞こえてきそうなラストのシーン。

結局イブは「妹ディランはすでに自分と同じ部屋で死んでいた」という事を思い出し、再びフィンの自宅へと戻り…で終幕。

個人的な予想では、この後やっぱりフィンを殺害してしまうのかな…と。

奥さんと娘はどうなるのか不明ですが、この脚本のノリならば大丈夫でしょう。たぶん。

超個人的な戯言感想

1人目の女性ニーナがショッキングな最後を迎えるシーンではストップモーションを使用してみたり変な巻き戻しを使ってみたり。

2人目のローラの最後も、これまた変なスローモーション。

家から脱出直後の音楽が合わないなー…と思っていたら、ロニーを始末してイブが出てきたシーンもやっぱり音楽が変。しかもスローモーション使って「どう?どう?このシーンかっこいいでしょ!?」と聞こえてきそうな陶酔演出は正直ドン引き。

とにかく全体通してセンスが変。

カッコ良いと思えるシーンは一個もありませんでしたし、盛り上がる場所もありませんでした…。まぁこればっかりは好みの問題ですけどね。

なにはともあれ…

この映画は鑑賞者が男性か女性かで、評価が分かれると思うのですよ。

女性って「男はみーんなクズ。偉そうな事言ってても最後は弱い。女は強いんだからね!フンッ!」ってな作品、大好きじゃないですか。

この『監禁/レディ・ベンジェンス』はそっち色が強いうえに、女性が不快になるような陵辱描写も無し。

まぁ…そういう事です。(そっち系の話は面倒くさい人が湧くので深く追いません)

とりあえず私個人の感想としては『序盤のインパクトはあったが、あとはつまらん駄作』といった印象でした。別におっぱい一個もでてこないからそんな事言っているわけではありませんよ。本当ですってば。