今回の1本は『映画/グラインドハウス』で冒頭に流された「偽の映画予告」を本当に映画化した…という『映画/マチェーテ』です。
もう生まれからふざけた映画ですが、その内容もやはりふざけており・・・と思いきや、あれれ?普通に面白いじゃないですか!?
マチェーテ
(原題:MACHETE)
2010年 アメリカ
主なキャスト:
ダニー・トレホ
ジェシカ・アルバ
ロバート・デ・ニーロ
ミシェル・ロドリゲス
スティーヴン・セガール
ジェフ・フェイヒー
リンジー・ローハン
チーチ・マリン
エレクトラ&エリース・アヴェラン
シェー・ウィガム
監督:ロバート・ロドリゲス、イーサン・マニキス
脚本:ロバート・ロドリゲス、アルヴァロ・ロドリゲス
ネタバレ無しのあらすじ
マチェーテと呼ばれる山刀を愛用し犯罪者を狩る敏腕捜査官だったマチェーテ(ダニー・トレホ)は、その過激な正義感ゆえに麻薬王トーレス(スティーヴン・セガール)に妻を惨殺されてしまう。
その3年後・・・アメリカテキサス州で不法移民として日雇い労働に従事していたマチェーテの前にブース(ジェフ・フェイヒー)という男が現れ、マクラフリン上院議員(ロバート・デ・ニーロ)を暗殺して欲しいと依頼する。
・・・が、その裏には思わぬ罠があった・・・
・・・といった内容の作品。
キャストで戯言
なんですかこの無駄に豪華な俳優陣はっ(笑)
しかも個人的にツボな俳優が多く集まっていて、それだけでヨダレがでそうです。
まずは何はなくともダニー・トレホ。あちこちで見かける彼ですが、主演は初なんですね。ちなみに監督ロバート・ロドリゲスの従兄弟だそうです。
そしてジェシカ・アルバ。彼女の尻が見れるなら、もうそれだけで「絶賛映画」となります(笑)。今作では彼女のお色気シーンは控えめですが、しっかり生尻は拝む事ができますよ。
ジェシカ・アルバの尻を存分に堪能したいならば、この映画だっ!!
さらにロバート・デ・ニーロを引っ張ってきたうえに、スティーヴン・セガールまで。
実は私、スティーヴン・セガールが出演する映画をしっかり見るのは初めてです。彼が主演だとなんでもかんでも「沈黙の〇〇〇」という邦題にする風潮、まだ続いているんでしょうか…。
そして予想外だったのはミシェル・ロドリゲス。あれ?この人は・・・「ドラマシリーズ/LOST」のアナ・ルシアじゃないですかっ。
調べてみると、けっこう色々出演しているんですね、彼女。「映画/バイオハザード」にまで出ていたとは・・・。私は有名映画はほとんど観ない人なので、バイオハザードシリーズも1作品も観たことがありません。
とにかく俳優だけでテンションが上がるこの映画、肝心の中身はというと・・・
本気でふざけた作品
この映画の元となっている「映画/グラインドハウス」。私は『映画/プラネットテラーinグラインドハウス』のほうを観たのですが、これがあまりにもつまらなくて・・・もう1編の「映画/デス・プルーフinグラインドハウス」のほうは観る気も起きませんでした。
ですので、この『マチェーテ』も警戒していたんです。あまり期待しないようにしよう・・・と。
・・・ところがどっこい!これがまた面白い!
アクションあり、ジョークあり、政治的なテーマあり。非常にテンポの良い作りで、最後までダルくなる事もなし。
本気でアクションしているのに「がははは、バカみたいだっ!」と笑えますし、本気でカッコよくキメてるのに「がはははは、なんだそりゃ!」と笑えます。
そう、コレですよ「大真面目にバカな事をするから面白い」ってのは。グラインドハウスのほうは、この部分がどうもイマイチだった気がします。
ここからネタバレを含むよ!!
お色気要素は意外に少なめ
冒頭の「マチェーテ、トーレスに攫われた女、救う」の部分で「〇〇〇に隠していたケータイを出す」という下品な演出を出された時には驚きましたが、それ以降はそれほどゲスい映像はなく・・・普通にハードボイルドなアクション映画風でした。
たしかに下ネタは笑えますが、そっち系で押されすぎても安っぽくなりがちです。ちょっと足りないくらいでちょうど良いかな、と。
露骨なおっぱいもブースの妻と娘くらいでした。…それにしてもダニー・トレホがこういうシーンを演ずると、なんか過剰にいやらしいっ!
短時間のカットですが「マチェーテ in プールで親子どんぶり」の絵ヅラは完全にアウトです(笑)
捜査官リベラ(ジェシカ・アルバ)も「とりあえず裸のシーンを入れたかっただけだよね?」といった感じでシャワーシーンがある程度。
全体的には健康的なお色気で、女性にも安心でしょう。ただしお子様には危険です。いろんな意味で。
ふざけたアクション
こういうノリの映画ですので、アクションも過剰なリアル路線ではなく、笑える要素が満載。
個人的には「腸を引っ張り出して、それを使ってダイブ!」がツボりました。
そしてバカアクションの本領発揮ともいえる、最終決戦場面。
もうとにかく「好き放題」といった感じで・・・あまりに多すぎるツッコミ要素の連続に、笑いと脳ミソが追い付いていきません。
その中でも特に、絵の上手な仲間がスケッチブックとペンを持って参戦しているのには爆笑してしまいました(笑)
ガンアクションは「いかにも」なベタベタっぷりなのですが、なぜかカッコ良く見えたりもします。しかもそれがしっかり笑いにも繋がっています。
マチェーテがバイクに機関砲を取り付け、爆発で大ジャンプして空から撃ちまくる!!というシーンにしても、こんなの他の映画で観たら完全に「萎える演出」なのに・・・カッコイイ・・・と思ってしまうのが悔しいところ(笑)
ダニー・トレホだからそう感じるのか、それともこの映画のスゴさなのか、そのへんはちょっとわかりません。
とにかく私個人としては「素晴らしいバカアクション」でした。
ドコをピックアップして良いのやら…
とにかくチョイチョイ面白い要素を挟んでくるので、いったいドコを話してよいのかも迷うくらいの映画です。
暗号化されていたブースのファイル、パスワードを「よし、コイツは娘に欲情している変態だから・・娘の名前『APRIL』かっ!?」と入力してみるもダメで・・・「エイプリルから男性として見られたい」という彼の言葉から推測して打ち込むのが・・『I♡APRIL』って!(笑)
しかもそれを、マチェーテが思いついて無表情で打ち込んでいるというのがまた・・・。
細かいトコですが、ブースの屋敷に乗り込むマチェーテが手にしている「草刈り機」が、最初はナイロンカッターになっているという「わかりづらいネタ」を入れておき、2回目に乗り込む際にはナイロンではなくエゲつない刃を付けてきている…というのも面白かったです。
そうそう、映画の内容とは関係ない話になってしまいますが・・・
最終決戦に向かうマチェーテ達が乗り込む車たち。アレは懐かしくてテンション上がりました。
車のカスタム用語としての「ハイドロ」って言葉をご存じでしょうか?油圧ポンプを使って車高を変えられる機構で、コレを使って映画でもやっていたように車をポンポン跳ねさせたりします。ローライダー系のカスタムです。
今は若者でもノーマルに毛が生えた程度の車に乗る人がほとんどですが、私が免許取り立ての頃はカスタム全盛期で、それはもうゴリゴリにイジって乗ったものです。信号待ちの間にハイドロダンス(4輪を個別にパシュパシュと車高を変えて、踊るように動かす)する車がいたりとか・・・バカみたいですが、楽しい時代でした。
Machete will return in …
この「映画/マチェーテ」、大手映画批評サイトRotten tomatoesでの支持率は74%。平均点は6.5点(10点満点)とのこと。
ここの評価はあまりアテにならない気もしますが、まぁ妥当な点数かな…と思います。
私個人としてはすごく面白かったですよ。グラインドハウスの件があるので期待していませんでしたが、予想外の掘り出し物を見つけた気分です。
そしてこの映画全編を通して最高に笑ったのは・・・エンドロール頭の部分です。
この「マチェーテ・キルズ」そして「マチェーテ・キルズ・アゲイン」のぶっ込み演出は・・・
もう監督をグーでぶん殴りたくなるような、最高のバカ演出でした(笑)
素晴らしい。こりゃ「マチェーテ・キルズ」もすぐに観なければっ。
それにしてもアレですね、
ジェシカ・アルバとダニー・トレホのキスシーンは・・・放送禁止級の「やってはいけない感」が漂ってましたね(笑)