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私は事あるごとに「変態が出る映画に萌える」「頭がおかしい映画が大好物」などと言っておりますが、「おいおい、肝心のアレがないだろうが!」と憤っていたマニアの方も多いでしょう。

大丈夫、観てますよ。しっかりと3作品全て。

そう、史上最高の変態映画との声もある「映画/ムカデ人間」、そして続く「映画/ムカデ人間2」「映画/ムカデ人間3」、今回はまとめて3本ぶっ放しますぞ!

まずはおさらい気分で3作品の軽いあらすじから…。

ムカデ人間


2010年 オランダ(公開はイギリス・アメリカ・日本)

主なキャスト:

ディーター・ラーザー
アシュリー・C・ウィリアムズ
アシュリン・イェニー
北村昭博

監督:トム・シックス
脚本:トム・シックス

ネタバレ無しのあらすじ

かつてシャム双生児分離手術の名医であったドイツ人のヨーゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)は、これまで自分が行ってきた「人間を分離させる」という手術の真逆ともいえる「人間を結合させる」という手術を施し、ムカデ人間を生み出したいという願望を持っていた。

その方法は「1人の人間の肛門と、それに続く人間の口を結合させ、さらにその肛門に別の人間の口を・・・」という、独創的を通り越してもはや変態的なもの。

旅行中のアメリカ人女性リンジー(アシュリー・C・ウィリアムズ)とジェニー(アシュリン・イェニー)を捕えた博士は、さらに日本人のカツロー(北村昭博)を加えてムカデ人間の製作に着手する・・・

・・・といった内容の作品。

他の作品に比べれば大人しく、いたって普通(普通か?)のリアル系変態スリラー。ノーマルさんならばエグさを感じる程度。カレーで言えば辛口。

ムカデ人間2


2011年 オランダ・イギリス

主なキャスト:

ローレンス・R・ハーヴィー
アシュリン・イェニー

監督:トム・シックス
脚本:トム・シックス

ネタバレ無しのあらすじ

ロンドンの地下駐車場で夜間警備員として働くマーティー(ローレンス・R・ハーヴィー)は、母親とペットのムカデと共に暮らしていた。

「映画/ムカデ人間」に魅せられ、DVDを繰り返し鑑賞していたマーティーはやがて「自分もムカデ人間を作ってみたい」という衝動に駆られる。

地下駐車場を訪れた人間を次々に襲って拉致監禁したマーティーは、さらに「映画/ムカデ人間」に出演していたアシュリン・イェニーもターゲットとし、総勢12人をつなぎ合わせたムカデ人間を作り上げようとする・・・。

・・・といった内容の作品。

ムカデ3作品史上、最恐にして最凶。そっち系が好きなマニアもげんなりするほどのエグさで、ノーマルさんにはトラウマ級。カレーで言えば5辛。

ムカデ人間3


2015年 オランダ・イギリス

主なキャスト:

ディーター・ラーザー
ローレンス・R・ハーヴィー
エリック・ロバーツ
ブリー・オルソン
トム・シックス
北村昭博

監督:トム・シックス
脚本:トム・シックス

ネタバレ無しのあらすじ

男性凶悪犯ばかりを集めた巨大監獄「ジョージ・ブッシュ刑務所」の所長ビル・ボス(ディーター・ラーザー)は、囚人の人権すら無視した独裁運営を行っていた。

しかしあまりにも横暴かつ無軌道な運営がたたり、職員の離職率・釈放者の再犯率・所内の暴力事件発生率などが最悪の数値に。自らの解雇を恐れたビルは「囚人を全員去勢手術してしまおう」という結論に至る。

一方、熱狂的な「映画/ムカデ人間」シリーズのファンでもある会計士のドワイト(ローレンス・R・ハーヴィー)は「囚人をムカデ人間化する事こそ最良の方法である」と主張する。

ドワイトがオランダから招いた「映画/ムカデ人間」シリーズの監督トム・シックス(本人出演)の「私の映画は医学的に100%正確である」との主張、さらに暴動抑制・食費削減などの効果が期待できるという事もあり、ビルは「囚人500人全員つないでムカデ人間にしてしまおう」と決断する。

・・・といった内容の作品。

ムカデ人間ファン向けのお祭り作品で、過去作から期待して鑑賞するとコメディにしか見えず。カレーで言うならばカレーうどん。もはや似て非なるもの。

ムカデ人間とは・・・

何も知らない人が「ムカデ人間」と聞けば、真っ先に想像するのは『半分人間、半分ムカデ』のような姿ではなかと。仮面ライダーにもムカデラスって怪人がいましたな。

しかし「映画/ムカデ人間」に出てくるのはそんなファンタジーの産物ではなく、頭がおかしいまでのリアル生命。

そもそもムカデ人間というのは単体の人ではなく、『ムカデ状のように繋がれた人間の集合体』なわけです。わからんですか?ではムカデ人間のプロモーションで使われていた図でご説明を…。

夏休みに作ろう!ムカデ人間の作り方

ではでは、夏休みの工作に悩んでいる小学生にも参考になるよう、優しく説明いたしましょう。むずかしいところは、おとなのひとに、てつだってもらってね。

まずは材料となる人間を用意。

人数は何人でもかまいませんが、今回は基本の3人で。増えてもやることは一緒です。

先頭となる人間を決め、その人間の肛門と2番目になる人間の口を接合します。

動いてる間に離れてしまわないよう、しっかりと縫いましょう。

ムカデ人間の作り方

単純に口を縫うだけでは強度が足りないため、場合によっては尻の皮と頬を繋ぐなどして補強するのも大事。

これを繋ぐ人数分繰り返します。

こうする事で「食べ物は先頭のAが摂取し、排泄されたものをBが摂取し、さらにその排泄物をCが・・・」となり、1つの生命体として機能します。

ムカデ人間のつなぎ方

つまりこういう事ですね。先頭の人間が『口』となり、最後尾の人間が『肛門』となります。

立ち上がられると前後の人間が困るので、膝の腱も切断しておきます。これによりムカデのように這いまわって行動する事になります。

コツを覚えればとても簡単。

…んなわけあるかっ!!

さぁ、ツッコんで下さい。「アホかっ!!」「できるわけないわっ!」と好きなだけ荒ぶってください、猛ってください。

まず第一に「先頭が食べ物を食べて、その排泄物を2番目が・・」の時点で「ないわっ!」となりますから。

心情的な問題は別に良いのですが、生物学的にというか・・・2番目以降はウンコ食って生きろ!って事ですよ。これを著名な医学者が考案したというのだから恐ろしい。

しかしそれをあたかも可能であるかのように説明するのがこの映画最大の魅力であり、最大の変態性です。

ネタバレありのムカデ人間


まずは1発目の「映画/ムカデ人間」からネタバレありの戯言感想を。

シリーズ一作目という事もあり、ノリ的には『ちょっと設定のぶっ飛んだB級スリラー』といったところ。作りも大真面目でまさに「ムカデ人間・基本編」と言える作品ですな。

日本国内では日本人俳優が出演(肛門担当)というのも話題になったようです。

そのカツローを演じるのは北村昭博。高知県出身で高校卒業後にアメリカに渡り俳優活動をしている方だそうですが、作品中の彼のセリフには台本が無く、自分で考えて話しているとのこと。

インパクト大のストーリーに誰もが衝撃を受けたことと思いますが、とりあえず私が鑑賞していて思ったのは・・・

「どの位置が一番良いだろうか・・・」

でしたなぁ。

一般的な考えでいけば先頭が一番良いのは明白。なにせ普通に食べ物を喰えるのはこのポジションだけですし、他人の肛門に接続されることもなければ他人のウンコを食う必要もない。

しかし私の中に流れる変態の血がそれを良しとしないのですよ。

美人の尻に接続されるならば、それも良いのではないか?

という思いがどうしても拭いきれないのです。

想像して下さい、例えばあなたがCDをバカみたいに大量購入してまで推しているアイドル。そのアイドルの肛門に自分の口を縫い付けてもらえるとしたら・・・それは苦痛ではなく至福とは言えませんか?

しかもわたしゃ病的なまでの尻フェチですから。

もはや本作は私にとっては『エグいB級映画』ではなく、『ウンコを食ってでも尻という愛すべき存在を求められるか?という哲学作品』ですよ。

まぁおそらくそんな事を問いかける映画ではないでしょうけど。

ネタバレありのムカデ人間2


さぁやってまいりました!ムカデ人間シリーズ最強の刺客「映画/ムカデ人間2」の登場ですぞ!

とにかく映像描写がエグすぎるため、多少耐性がある方でも目をそらしたくなるような絵ヅラが連発。ノーマルさんなら途中離脱のヤバい作品ですな。

しかし…コレを言うのは少々危険かもしれませんが、わたしゃシリーズの中でこの「ムカデ人間2」が最も好きなのですよ。

なかなかエグい表現だとは思いましたが、特に気持ち悪くなるようなこともなく。なにより主人公のマーティーが素晴らしいじゃないですか。ここまで突き抜けた変態にはそうそう出会えませんぞ。

友人、もしくは協力者として一緒にムカデ人間を作り上げてみたくなりますなぁ。もっともっと彼が持つ『素晴らしい変態の才能』を発揮させてあげたくなりませんか?…なりませんか、そうですか。

彼が放つ『紙ヤスリでシコシコ』『有刺鉄線を巻いて挿入』など・・・もう「ファンタスティック!!」としか言いようがない行動は、自分がいかに『ただの自称変態』であったかを思い知らされます。彼に比べりゃ私なんて甘口、カレーの王子様ですよ。

なお、あまりのグロさにほぼ全編モノクロ映像で製作されていますが「ムカデ人間 完全連結 ブルーレイBOX」にはなんと本作のカラー版が収録。

なお上の商品は『初回限定生産』ですが、安価なお買い得版も存在。

価格は約半分で、こちらにもしっかりと『ムカデ人間2:カラー版』は収録されています。

しかし『初回限定生産』のほうも、いまだにAmazonに新品在庫が並んでいるという・・・・。

ネタバレありのムカデ人間3


さてさてムカデ人間シリーズも「映画/ムカデ人間3」で締め。

1作目の『ムカデ人間』に続く『ムカデ人間2』で、すでに歴史に残るような闇を生み出してしまったムカデ人間シリーズ。残念ながら2を超えることができないと察したのか、3は「ムカデ人間ファンに向けた豪華なお祭り」のような娯楽作品での登場となりました。

正直、個人的にはこれはボーナストラックのようなものかと。

たしかにエグい描写はあるものの、そのどれもが『B級グロ映画』の域を出ないインパクトの弱さ。

全体的にバカっぽい雰囲気で、前作&前々作の主演であるディーター・ラーザーとローレンス・R・ハーヴィーをコミカルな役どころで起用、さらにトム・シックス監督ご本人が出演してみたりと・・・完全にお遊び要素を盛り込んだ作品になっていますので、製作者側としてもファン感謝祭的な意図なのでしょう。

ちなみに1作目に出演した北村昭博も受刑者役で再出演。

個人的な感覚では「ノーマルな人間が観ても問題ない、ぶっ飛びB級グロコメディ」という感想なのですが、いかがでしょうか。「500人繋いじゃえー!」という設定も、過去作のような生々しさではなく単なる悪ふざけみたいなものですし。

しかし相変わらず「前の人間のウンコを喰わされる」の描写はヤバいですな。

超個人的な戯言感想

私なんぞが点数をつけるのはおこがましいですが、あえて採点するとすれば・・・

ムカデ人間=60点
ムカデ人間2=95点
ムカデ人間3=20点

ですかなぁ。

あまりにも『ムカデ人間2』が飛びぬけているため相対的に他の2作品が低くなっていますが、初代はもっと点数が高くても良い気も。

初代作からすでに10年以上経過しているため、世の中にはまだムカデ人間シリーズ未鑑賞の方も多いかと思われます。

我こそは三国一の変態なり、いざ勝負!

と名乗りを上げる猛者はぜひ挑んでみるのが良いかと。

なお、最後に私自身の名誉のために明言しておきます。

私は自他ともに認める『ド変態』ではありますが、決してスカトロ嗜好はございません。たとえ美人であろうとも、好き好んでウンコを食いたいとは思いません。