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今回の1本は『映画/キャビン・イン・ザ・ウッズ』でネタバレ戯言。謎が謎を呼ぶ迷作『映画/アルカディア』は本作の続編的な位置づけ(いわばキャビン・イン・ザ・ウッズ2)となっており、登場人物やエピソードに共通する部分があったり。

そのアルカディアが非常に人を選ぶ作品なので、あちらを面白いと感じた方ならばこれも面白いのかもしれませんが・・・わたしゃ無理。ホント無理。実は関係作だなんて知らずに鑑賞したので騙された気分ですよ。

ちなみにクリス・ヘムズワースが出演しているブッ飛び傑作『映画/キャビン』の原題が『The Cabin in the Woods』(しかも同年作)であるせいで、「最後まで観たけど雷神様さっぱり出てこない…」となった人もいるようで。ご注意を。(本作の原題は『Resolution』)

映画『キャビン』ホラー?いいえケフィアです。ネタバレ戯言。

注)当記事は『映画/キャビン』のネタバレ・結末・困惑ポイントを含みます。本作は何も知らずに観るのがオススメですので、未鑑賞の方はご注意下さい。 そのパッケージや…

キャビン・イン・ザ・ウッズ


2012年 アメリカ

キャスト:
ピーター・シレラ
ヴィニー・カラン

監督:
ジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッド
脚本:ジャスティン・ベンソン

ネタバレ無しのあらすじ

妻と幸せに暮らすマイク(ピーター・シレラ)の元に、1通のメールが送られてくる。

そこには親友クリス(ヴィニー・カラン)がヤク中でひどい有様になっている映像と、彼が住む山小屋の位置が記されていた。

友を救うために山小屋を訪れたマイクはクリスを手錠で監禁し、薬物の禁断症状と共に向き合おうとするのだが・・・・まぁぶっちゃけそっちはどうでも良い話。

次々に巻き起こる理解不能な怪現象、いったい何がどうなっているんだー。

・・・といった流れで、何がどうなっているかは最後まで教えてくれない投げっぱなしジャーマン作品。そう、アルカディアのように。

アルカディアで戯言

冒頭で触れましたがこの『映画/キャビン・イン・ザ・ウッズ』は、同じくジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッドが5年後に送り出す『映画/アルカディア』の前身となる作品。

映画「アルカディア」モヤモヤ映画のネタバレと考察

モヤモヤする映画好きですか?最後まで謎が明かされないまま終わる系の映画は好きですか?私は好きです。しかしこの「映画/アルカディア」はなーんか違うんですよねぇ…。…

本作を『アルカディアの前日譚』と言う方もいますが、もともとこっちを先に作り、その後ブラッシュアップした形でアルカディアを製作。その中に本作の要素を取り入れた…という形なので、前日譚という表現は適切ではない気がしますな。

…で、観ました?アルカディア。

どちらを先に手に取るかは人によるでしょうが、あちらのほうが名が売れているため『アルカディアを観て、キャビン・イン・ザ・ウッズを知った(観た)』という方のほうが多いようですな。

そういう方はこの作品もそれなりに楽しめるのでしょうなぁ。なにせ自ら望んでのおかわりなのですから。

ぶっちゃけわし、アルカディアは『クソ映画』の判子をついてゴミ箱に投げ入れたくなるような評価だったのですよ。

しかも『キャビン・イン・ザ・ウッズ』がアレと関係しているなんて知らずに鑑賞しちゃったせいで、最後の最後でまたブン投げたくなる始末。おいおい、最初に言ってくれよう。映画はできるだけ鑑賞前に情報を入れたくない人なので、すっかりヤラれたよ…。

アルカディア抜きでの考察・解説・感想

死霊館シリーズのように『アルカディア公開→前日譚としてキャビン・イン・ザ・ウッズ公開』ならばアルカディアを一切考慮せず評価するのはアレでしょうが、そもそもこっちが先に1本の映画として世に送り出されているのですからね。やはりこの映画は単体として考えるべきではないかと。

その上で、彼らに巻き起こる数々の怪現象を考察してみましょうよ。

本作のキモは『第三者の視点』

神なのか悪魔なのか天使なのか、はたまたそれ以外の何かなのか。なにかしらの存在が彼ら二人を観察し、干渉し、その結末が気に入らなければどうやらやり直しもアリらしい。

いわばゲームプレイヤーとゲームキャラ、小説家と登場人物、エグい妻と尻に敷かれた旦那(これは残念ながらやり直し不可)のような世界観とも捉えられるのですな。

作品の冒頭からめっちゃブレブレのカメラワークが気になりませんでした?ハンディカメラでのPOVでもないクセに、明らかに『誰かが撮っている』と感じさせるカメラワーク。これも『第三者』の存在を暗示しているのでしょう。

…で、肝心な『第三者とは誰なのか』というと・・・

最後までわかりません。

これよ!ここなのよ!アルカディアが大嫌いだった理由!

アルカディア抜きって言ったけど、そりゃ名前を出したくもなるさ。だってやってること同じなんだもの。

解釈を鑑賞者に委ねる映画作品というのは多々あり、そういう系はツボにハマれば非常に面白いもの。マニアックなところで言えば『映画/ボーグマン』や、有名どころでは『映画/ロブスター』などもその括りに入れて良いでしょう。

しかしそれらに比べ、アルカディアもキャビン・イン・ザ・ウッズも余韻が浅すぎる気が…。

なーんか中学生が「こんな感じに作ったら面白くね?全ては謎にしとけばなんか深くね?」と作ったような薄っぺらい匂いがするのですなぁ。そして同じような中学生脳の人間にとっちゃ、こういう作品は絶好の獲物。「おおおすげぇ!深いっ!!」と、勝手にアレコレと話を広げ、勝手に深い作品として成立させてくれるのですな。
(本当に深い作品は頭がついていかないから、この程度がちょうどいい)

誰でしたっけ、「とりあえずそれっぽい事を言っておけば、あとは周囲の人間が勝手に解釈し深い言葉にしてくれるから」みたいな事を言っていた怪しい教祖。それと同じ匂いがするんですな。

超個人的な戯言感想

…というわけで、もうおわかりでしょうが『映画/キャビン・イン・ザ・ウッズ』、個人的にはやはり納得のいかない仕上がりで高評価とは言い難い作品でございました。

しかしなぜか『映画/アルカディア』よりは受け入れられたのよね。不思議。あっちはホントつまらんかったし、鑑賞後もクソ気分でロックンロールでしたから。

あっちのほうが演出もVFXも凝っていたし、ループのインパクトも大きかったのに…。

あれですかね、どうせブスなら厚化粧のブスよりもスッピンのブスがいい。ってことですかね。

今の時代、こんな発言は危険ですけど。