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リーアム・ニーソンとヨエル・キナマンが親子を演じる『映画/ラン・オールナイト』でネタバレ含む戯言を。

そのパッケージからも分かる通り男だらけのムサ苦しい作品ですので、「クライムアクションは美女がいてなんぼだろ!」という方には不向きな内容となっております。ついでにリーアム以外は頭髪も少なめです。

ラン・オールナイト


2015年 アメリカ

キャスト:
リーアム・ニーソン
ヨエル・キナマン
エド・ハリス
ボイド・ホルブルック
ヴィンセント・ドノフリオ
コモン
ジェネシス・ロドリゲス
ブルース・マッギル
ニック・ノルティ

監督:ジャウム・コレット=セラ
脚本:ブラッド・イングルスビー

ネタバレ無しのあらすじ

ニューヨーク・ブルックリン。

裏社会のボスとして街を牛耳るショーン(エド・ハリス)と、その親友でもあり、かつての片腕でもあったジミー(リーアム・ニーソン)。

過去に自らが犯した罪に苦しむジミーは、息子であるマイク(ヨエル・キナマン)とも絶縁状態となり、酒浸りの生活を送っていた。

そんなある夜、リムジン運転手として働いていたマイクは客が射殺される現場を目撃。殺したのはダニー(ボイド・ホルブルック)、他ならぬショーンの息子であった。

目撃者としてダニーに命を狙われたマイクだったが、駆けつけたジミーにより間一髪で救われる。しかしダニーを殺害してしまったために今度は親子ともどもショーンに命を狙われることに。

ショーン一味、警察、さらには殺し屋にまで追われることとなったジミー親子の、長い長い夜が始まるのだった…。

・・・といった内容の作品。

キャストで戯言

主演はリーアム・ニーソン

彼は「単なる一般人かと思いきや、実は凄いヤツでした」的な役柄が多すぎるため、もう「リーアム・ニーソン」「アクション作品」と聞いただけで半分くらい内容が想像できてしまいますが・・・・本作も概ねそのパターン。

物語が進むにつれて本気を出し始め、小難しい顔をしたまま無双プレイへと変わっていく王道の流れとなっております。

そして息子役はヨエル・キナマン

個人的に大好きな俳優の一人でもあるのですが、どうしてこの人はいつも切羽詰まったような顔をしているのでしょう…。

そんな困り顔親子を追う、裏社会の大物ショーンを演じるのはエド・ハリス

彼も「元・イケイケの悪人。現在は落ち着いて見えるが、中身はやっぱり悪人」といったキャラを演じさせたら抜群の安定感ですな。

さらにリーアム親子は汚職まみれの警察組織にも追われるわけですが、その中で正義感のある刑事ハーディング役はなんとヴィンセント・ドノフリオ

『映画/ザ・セル』を筆頭にヤバい役柄が多い彼ですが、今回はマトモに話のわかる刑事を演じております。ちなみにあのショーン・ペンとは義理の親子関係だったり(ショーンの妻はヴィンセントの娘)。

なお本作の監督ジャウム・コレット=セラ『映画/アンノウン』『映画/フライト・ゲーム』『映画/トレイン・ミッション』でもリーアム・ニーソンを主演に起用。驚愕のどんでん返し展開が得意な監督でもあり、あの名作『映画/エスター』も彼です。


現代版・西部劇

内容としてはややドラマ寄りのクライム・アクションであり、難解な要素などは全くない本作。

約110分でありながらサクッと見れる展開の早さですので、「たまには頭空っぽで楽しめるエンターテイメント作品でも…」といった際にも最適。バンバン人は死にますが特にグロいシーンもアダルトなシーンもありませんので、家族で夕食のお供に観るも良いでしょう。

本作の内容をざっくり言ってしまえば…

元殺し屋の父ちゃんが、息子のために命を張って組織と戦う話。

そこに父子の確執と絆を絡めつつ、ドキドキハラハラの展開で引っ張る物語です。

しかしいくらクライムアクションとは言え、現代のニューヨークという時代設定にしては

どこでも容赦なく銃をバンバン撃ちまくりすぎ。

住宅地だろうとマンションだろうと、室内だろうと屋外だろうと、とにかくお構いなしでバッキュンバッキュンですよ。

銃のリロードもこだわりの描写が連発で、さらに物語終盤にはウィンチェスターライフルまで引っ張り出してくる始末。

これはまさに『現代を舞台にした西部劇』というわけですな。

黒人少年以外、大人はスマホどころか携帯電話すら使用しないという点も興味深い。

ちなみに余談ですが、リーアム・ニーソンは役作りのこだわりの1つとして『その人物の経歴や性格によって、銃の構え方も変えている』とのこと。そりゃスゴい、ぜひ比較検証してみたいものですな。

個人的な戯言感想

細かいところを気にすりゃツッコミ要素は多々あるものの、全体的にまとまっているため違和感は少なめ。それほど不条理さを感じることなく受け入れられるストーリーではないかと。

なにより好印象だったのは登場人物が死に際にベラベラと喋らない点。

重要キャラのショーンはおろか、主演のジミーすら死に際に何も残さない。これがベタな作品であれば最後にあーだこーだとそれっぽいセリフを息子に伝えて息を引き取っていくところですが、あえてそれをやらせない。

うーむ、実に素晴らしいじゃないですか。『映画/壬生義士伝』の中井貴一なんて、最後に10分近く喋りっぱなしでしたから(笑)

なにはともあれ、軽いノリでサラッと鑑賞するには最適な良映画でございました。過剰にスタイリッシュなエンドロールもなかなか素敵でしたな。